たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育て


たたかない、怒鳴らない子育てをすることはできる。

世界中で、「今日、子どもをたたいてしまった」「また子どもに怒鳴り散らしてしまった」と、私たちの日々の子育てについて、「どうしたらいいのだろうか」と問い続けられています。
日本国内でも、たたかない、怒鳴らないで子どもを育てるために、いろいろな取り組みが始まっています。このページでは、「たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育て」に関する基本的な情報を紹介します。

①たたかない、怒鳴らない、 
 ポジティブな子育てって何?


 子どもに必要な説明をし、尊重して、ともに取り組む。

しつけとは「教える」こと。「ポジティブな子育て」は、子どもが安心・安全な環境で、どんな暴力からも守られ、学び手として、ともに歩むことを大切にしながら、子どもの言動を導き「教える」ためのアプローチです。

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たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育てに関わるプログラムの例:
「ポジティブ・ディシプリン」(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)
※詳細は下記⑥をご覧ください。

②子どもをたたいたり、怒鳴ったりしたら
 どうなるのでしょう?


疲れたりイライラしたとき、または子どもに教えるために必要と信じているときに、私たち大人は子どもをたたいたり、子どもを傷つけるような言い方をしてしまうことがあります。

このような接し方は、子どもが
■身体的に傷つきます
■自信をなくします
■びくびくして落ち込みます
■攻撃的になります
■怒りや敵意を覚え、私たちとの関係を悪くします

子どもの体やこころを傷つけるような罰は、私たちが子どもに学んでほしいことを伝えません。

③私たち一人ひとりができること:
 子どもを教え導くためには
 どうすればよいでしょうか?


1. 長期的な目標を心に留める

人を尊重し、暴力を使わない大人になってほしい、といった長期的な目標を常に心に留めておくことが重要です。そうすることで、たたいたり、怒鳴ったりといった衝動的な対応を避けることができます。

2. 子どもの心理的・身体的な安心・安全を保障する

子どもは、安心・安全な環境で、社会性を身につけます。失敗をしたときに、たたかれたり、責められたりする経験は必要ありません。

3. 子どもを尊重し、明確な伝え方をする

私たちが子どもを尊重した接し方をすれば、子どもも、私たちを尊重し、言葉に耳を傾けるようになります。

4. 子どもの視点を理解する

子どもと話すとき、子どもの話を聴き、子どもの視点を理解しようとしてください。子どもの視点を通すことで、私たちはよりよい方法で、教え導くことができるようになります。

5. 課題を解決する

上手に教えるためには、状況を見極め、前もって準備を整え、落ち着いた対応を心がける必要があります。

④子どもは、どのように考え、
 感じるのでしょう?


■0~6ヶ月
この時期の子どもは、泣くことがコミュニケーションの方法です。子どもは、信頼のおける、自分のために耳を傾けて対応をしてくれる人がいることを、確信する必要があります。

■6~12ヶ月
この時期の子どもは、自分の視界から消えても、人や物が存在し続けていることを、まだ理解していません。信頼している人がもう戻らないのではないかと恐れ、子どもは泣くのです。子どもが、信頼できる人は自分のそばにいてくれることを学ぶことが必要です。

■1~2歳
よちよち歩きの子どもは、周囲の物を探索したり、触ってみたり、口に入れてみたり、落としてみたりしながら、学びを進めます。安全な環境が整うと、子どもは探求を続け、さまざまなスキルをどんどん身につけます。

■2~3歳
想像力が育まれると、子どもが怖がることがあります。子どもの感じていることを尊重し、子どもの中に安心感を根付かせることがとても大切です。

 ■3~5歳
幼児期になると、遊んだり、たくさんの質問をしたりしながら、学びが進むようになります。遊びに対する子どものニーズを尊重し、安全な環境が確保されることが求められます。子どもの質問に真摯(しんし)に向き合い、丁寧に答えていくことが必要です。

■5~9歳
就学すると、子どもは、周囲からの新たな期待を背負い、新しい友人関係を築き始めます。難しい場面をどのようにすれば乗り越えられるのか、たたいたり、怒鳴ったりなど、暴力を用いない方法でどのように対立を解決できるのかを示していくことが必要です。

■10~13歳
10代前半になると、友人と多くの時間を過ごすようになり、同時に自身の信念や価値観を模索していきます。子どもの高まる自立心を尊重しながら、子どもの安全を守ることが大切です。

■14~18歳
この時期は、自分がいったいどんな人間なのかということを問い始めます。これまでにない多様なアイデンティティを試すことで、本来の自分の姿を見つけていくのです。子どもの自立へのニーズを尊重しつつ、子どもを信頼する姿勢が極めて大切です。

⑤日々、子どもと向き合うときのヒント:
「ポジティブな子育て」をするために、

 私が始められること


長期的な目標について考える。

自信がある人、それともおびえた人か…
幸せを感じている人、それとも怒りを覚えている人か…
暴力をふるわない人、それとも攻撃的な人になってほしいのか?
今の自分の対応は、果たして長期的な目標につながっている?

イライラしたときにでも、子どもの心理的・身体的な安心・安全を守れる方法を検討する。

子どもを大切に思っていること、失敗をしたとしても、子どもの安全が脅かされることはない、ということをどう伝える?

どのように子どもを尊重し、明確な伝え方をするかを考える。

子どもが学び、成功体験を重ねるためには、どのように情報を与える?

子どもの視点で考える。

発達段階によって、子どもの考え方は異なります。だから、その時々の言動の背景にある理由も変化します。その変化に合わせて、どのように教える?

長期的な目標を立て、どのように子どもの安心・安全を守り、情報を与えるかを考え、子どもの考え方・感じ方を理解することで、私たちは日々の状況に応じた、子どもに本当に学んでほしいことを、教えるための準備ができます。

⑥セーブ・ザ・チルドレンが提案する
 「ポジティブな子育て」のプログラム
 ~ポジティブ・ディシプリン~


公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、2009年から日本国内で「ポジティブ・ディシプリン」を普及しています。プログラムでは、手をあげたり、怒鳴ったりではなく、でも、したい放題にさせるわけでもなく、 日々の課題に子どもと同じ目線で向き合い 自信とちからを伸ばしていく子育ての考え方を提案しています。 

■ポジティブ・ディシプリンについて、詳しくはこちらをご覧ください。    

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 ~ポジティブ・ディシプリンのプログラムを受講した養育者の声~
「子どもと自分の生活を見直す良い機会となった」
「心が折れることもありますが、『大人になったとき』を考え、前向きに子育てしていきたい」
「発達段階、気質、自身を知ることが大切だと思った」