【紛争6年目のシリア】
毒性ストレスに晒される子どもたちのメンタルヘルスが危機的状況に―

2011年3月にシリアで内戦が勃発してから6年。490万人(うち子ども230万人)が難民となって国外に避難する一方で、子ども580万人を含む1,350万人が国内で支援を必要としています。セーブ・ザ・チルドレンは、国内に留まる子どもたちのメンタルヘルスに関する調査を実施。報告書「見えない傷(Invisible Wounds):6年に及ぶ紛争がシリアの子どもたちのメンタルヘルスに与える影響」を発表しました。その結果、砲撃や空爆などの恐怖や不安にさらされた多くの子どもたちに、ストレス反応のうち最も危険なものとされる「毒性ストレス」(toxic stress)の兆候がみられたことが明らかになりました。

毎月寄付する

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的にアニュアルレポートや会報誌をお送りしています。

今回寄付する

1回から無理なくご支援いただけます。

この調査で明らかになったことー

●大人の84%と、子どものほぼ全員が、日常的な爆撃や砲撃が、最大のストレス要因だと答えました。
●子どもの50%が、学校にいて安全だと感じることは全く、もしくはほとんどないと答え、40%が、たとえ家のすぐ近くであっても、外で遊ぶのを安全だと感じないと答えました。
●子どもの49%が、常に嘆きや深い悲しみを感じていると答え、78%が往々にして感じると答えました。
●大人の89%が、紛争が長期化するにつれ、子どもたちはより恐怖感を感じるようになり、神経質になっていると答えました。
●大人の80%が、子どもたちや青少年は以前よりも攻撃的になったと答え、71%が、子どもたちは頻繁に夜尿や尿失禁をするようになったと答えました。これらは、子どもの毒性ストレスやPTSD(心的外傷後ストレス障害)症状として一般的な特徴です。
●大人の48%が、紛争が始まって以降、言語障害や言葉を発せなくなった子どもを見たことがあると答えました。
●大人の59%が、武装勢力に徴用された子どもや青少年のことを知っていると答えました

セーブ・ザ・チルドレンは、シリア国内の10県で、メンタルヘルスおよび心理社会的支援と、教育支援を行っています。メンタルヘルスおよび心理社会的支援は、機関間常設委員会(IASC)のガイドラインに基づき、芸術を通じた癒しと教育プログラムや子どものレジリエンスプログラムなどを含みます。セーブ・ザ・チルドレンはまた、7つの基礎医療施設と1つの産科医院への支援提供、ワクチン接種キャンペーンの実施、家庭用品や衛生用品、防寒用品の配布なども実施しています。シリア国内ではこれまでに、150万人以上の子どもを含む240万人以上の人々に支援を届けました。

報告書の詳細はこちら

シリアと周辺国での支援


2011年3月に始まったシリア危機。この紛争の影響でシリア国内や周辺国で避難生活を送る子どもたちに対し、セーブ・ザ・チルドレンは、教育や衛生など様々な面で支援を行っています。2016年12月までに、シリア国内、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトで3,825,572人(内、子ども2,439,133人)に支援を届けました*1。

<教育>
授業料を払うことのできない家族に対する学費の支援、通学バッグや制服、学校教材などの提供を行いました。さらに、難民となり学校に通えない若者に対して代替教育を、5歳未満の子どもに対して就学前教育の支援を実施しました。

<保護>
紛争により影響を受けた子どもたちが少しでも日常を取り戻せるよう、安心して遊んだり学んだりすることができる「こどもひろば」を、シリア国内、ヨルダン、イラク、レバノン、エジプトで運営し、何千人もの難民の子どもたちが参加しています。また、シリア北東部の国内避難民キャンプ6ヶ所では子ども1768人を対象として子どもの保護活動を実施するなど、シリア国内や周辺国において、支援を必要とする子どもたちを特定し、適切な支援につなげるための、様々な子ども保護の活動を展開しています。

<保健・栄養>
保健医療サービスや栄養のある食事の不足により、子どもたちをはじめ脆弱な立場の人は栄養不良に陥りやすかったり、病気になる危険性が高くなります。エジプトでは、ギザ県にある基礎医療クリニックと病院に勤務する医師と看護師を対象に、能力強化のためのトレーニングを実施しています。また、エジプトではA型肝炎、シリアではポリオのワクチン接種を行っています。

<シェルター、生活必需品>
冬の間、これらの地域は氷点下の寒さに襲われますが、避難してきた人々にとっては、冬服や毛布、シェルターなどの備えは十分でありません。イラクでは、大規模に毛布や衣類の提供を実施したほか、レバノンでは、防水シートや木材、金づち、ドライバーなどの修繕キットを提供しました。

<食料・生計>
シリア難民に対する食糧安全保障の確保は喫緊の課題となっています。ヨルダンのザータリ難民キャンプや受け入れコミュニティで、地元の店で食料と交換できる電子バウチャーを提供しています。
また、レバノンでは労働引換現金給付(Cash-for-work)プログラムを実施し、難民の家族が専門スキルを生かしてコミュニティに貢献できる機会を提供しています。シリア北東部の3村では、動物看護士用の診察キットを提供しました。

<水・衛生>
子どもたちを病気から守るためには、きれいな水と衛生的な環境が不可欠です。シリア、イラク、レバノン、エジプトで、衛生キットや新生児用品を配布するとともに、シリア、イラク、レバノンで衛生に関する啓発活動を実施しました。また、冬季は、支援先の地域一帯で、毛布やシェルターを提供するとともに、レバノンでは排水設備のキットや浄化槽、トイレなどを提供しました。

支援のニーズは依然として高い状況にあります。セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、シリア難民への支援を実施してまいります。

*1 支援者数は実数です。実数とは、のべ人数から、複数回にわたる活動や、事業間の重複を取り除いた数となります。

毎月寄付する

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的にアニュアルレポートや会報誌をお送りしています。

今回寄付する

1回から無理なくご支援いただけます。