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EVERY ONE
(公開日:2012.02.14)

新報告書「飢餓のない人生を〜子どもの栄養不良への取り組み〜」を発表(2012.2.15)

 
〜食料価格の高騰により、2つに1つの家庭が食費を削減〜

子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは2月15日、新報告書「飢餓のない人生を〜子どもの栄養不良への取り組み〜」を発表しました。

* 報告書本文 (英文)
* 報告書概要 (和文)

最近、セーブ・ザ・チルドレンは世界の栄養不良の子どもの半数以上が住むインド、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、バングラデシュの5カ国の家族を対象に子どもの栄養に関する調査を実施しました。調査結果によると、食料価格の高騰の影響で、調査対象の約半数の家族が食費を減らすことを余儀なくされ、子どもたちがお腹を空かしているということが分かりました。また、調査対象の6つに1つの家族では、子どもたちが家族の食費を稼ぐために学校に行かずに働いていることも判明しました。

セーブ・ザ・チルドレンは報告書の中で、「食料価格の高騰と栄養不良は、乳幼児死亡率の削減に向けた進捗を遅らせる要因となっている」と述べています。

食料価格の高騰以前から、最貧困層の家庭の子どもたちの多くは安くて栄養価の低い白米、とうもろこし、キャッサバのような主食のみを食べて命をつないできました。栄養不良の問題に、国際社会が連携して取り組まないことには、今後15年間で約5億人の子どもが身体的にも精神的にも発育阻害の状態となり、長い生涯にわたり栄養不良の影響を被ることになる、とセーブ・ザ・チルドレンは警告しています。

栄養不良は乳幼児の死亡数の3分の1の間接的要因であるにもかかわらず、これまで他の乳幼児死亡の主要原因であるHIV/エイズやマラリアなどのように、世界的な注目と資金の投入を受けることはありませんでした。例えば、2000年以来、マラリアによる乳幼児死亡率は3分の1の削減が見られたのに対し、アフリカにおける子どもの栄養不良率はわずか0.3%しか削減されていません。

しかし、栄養不良が人間および経済にもたらす影響は甚大で、栄養不良の子どもはそうでない子どもに比べてIQの数値が15ポイントも低く、またセーブ・ザ・チルドレンの試算によると、2010年に子どもの栄養不良が世界経済にかけたコストは1210億ドルにも及びます。

セーブ・ザ・チルドレンは報告書で、世界の首脳が以下の対応策をとることを提言しています。

・栄養不良の危機が世界的に注目されるよう、国際的および国内的な発育阻害削減の目標を設ける。
・母乳育児や食料への栄養強化といった効果が証明された直接対応策への資金拠出を増やす。
・脆弱層の家庭に確実に届く、効果的な社会保護政策に資金投入を行う。また小規模農家を支援し、農業政策の目標に栄養改善が位置付けられるようにする。
・G8・G20の機会を活用し、飢餓と栄養不良への具体的取り組みに向けた政治的リーダーシップとコミットメントを示す。

子どもたちの命を守るために、これまでに多くの進展が遂げられています。5歳の誕生日を迎える前に亡くなる子どもの数は1990年に1200万人だったのに対し、2011年は760万にまで減少しました。2011年に世界の首脳は2015年までに2.5億人の子どもたちにワクチン接種を実施し、400万人の子どもたちの命を救うと約束し、予防接種の拡充における重要な進展を遂げました。また、40か国が350万人におよぶヘルスワーカー不足の問題に取り組むことを表明するなど、モメンタムは向上しています。

予防接種とヘルスワーカーの両分野での取り組みは今後も継続されるべきであり、セーブ・ザ・チルドレンは引き続きグローバル・キャンペーン「EVERY ONE」を通じてこの分野に注力して取り組みます。同時に、子どもの命を守る鍵となる栄養改善においても加速した取り組みが求められており、セーブ・ザ・チルドレンは2012年、栄養不良を無くすための取り組みを強化します。

「EVERY ONEキャンペーン 2012年の取り組み」はこちら

毎日毎時、栄養不良のために300人もの子どもが亡くなっています。国際社会は飢餓と栄養不良に集中的に取り組むことで、この惨事を終わらせ、何百万人もの子どもたちを救うことができるのです。




バングラデシュのダッカにあるアド・ディン病院で栄養治療を受ける
ロハンちゃん(2歳)。セーブ・ザ・チルドレンはこの病院で
女性や子どもを対象に栄養支援を実施している。
(c) Darren Fletcher/Save the Children

(報告:コミュニケーションズ部 北村)



 

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