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(公開日:2014.05.06)
「お母さんにやさしい国ランキング2014」発表、1位はフィンランド、最下位はソマリア〜日本のお母さんは32位〜(2014.05.06)

セーブ・ザ・チルドレン「母の日レポート2014」


子ども支援専門の国際組織であるセーブ・ザ・チルドレンは、母親を通して子どもについて考えるきっかけを作るため、毎年母の日にあわせて「母親指標〜お母さんにやさしい国ランキング〜 (Mother’s Index)」*1を含む「母の日レポート(State of the World’s Mothers)」を発表しています。15回目となる今年は、178カ国を対象に母親と子どもの状況を分析すると共に、紛争や自然災害などによる人道危機下で生存が脅かされる母子の保護に関する詳細な調査報告を行いました。
*1 1)妊産婦死亡の生涯リスク、2)5歳未満児の死亡率、3)公教育の在籍年数、4)国民1人あたりの所得、5)女性議員の割合、 の5つの指標を基に、保健・栄養、教育、経済、政治への女性参加を総合的に勘案して算出



一昨年に続き、今年も順位を1つ下げて32位となった日本は、先進7カ国(G7)の中でも最下位です。 保健・栄養、教育、経済の分野ではトップの国々と同じ水準であるにも関わらず、女性の政治への参加の指標となる女性議員の割合が昨年の11.3%よりも更に少ない10.8%となり、ランキングトップのフィンランドの42.5%から大きな開きがあるだけでなく、最下位ソマリアの13.8%よりも低い数字となっています。

■ランキングから見えてくる人道危機下での母子の生存
生活環境の厳しい地域では、母親への投資が効果をもたらす


©Save the Children 2012. Photo byPhil Moore

178カ国を対象に実施した今年の調査では、フィンランドがお母さんに最もやさしい国、ソマリアが最もやさしくない国という結果になりました。ランキング上位を占めるのは、全ての指標において他国より高い水準に達している北欧をはじめとする欧州各国である一方、西および中央アフリカ諸国が下位10カ国中9カ国を占めています。下位10カ国中6カ国は現在進行形で深刻な人道危機の事態に直面しており、これらの国々で母子が置かれている状況は悲惨を極めています。

さらに各指標を詳しく見ていくと、それぞれの国で母子が置かれている現状が浮き彫りになってきます。例えば、中央アフリカのチャドでは15人に1人の女性が妊産婦死亡の生涯リスクを負っているのに対し、スウェーデンでは1万 4千人に1人の割合です。また、シエラレオネでは5歳未満で亡くなる子どもが5人に1人であるのに対し、アイスランドでは435人に1人です。

しかし一方で、今回の母親指標の結果からは、世界で最も生活環境の厳しい地域であっても、母親と子どもに対する支援を向上させることで、妊産婦や5歳未満児の死亡を大きく減らすことが可能であることもわかってきました。

長年にわたる紛争の影響で、3年前には母親指標の最下位だったアフガニスタンは、助産師の育成、子どもへのワクチン投与、女子への教育に力を入れた結果、女性や子どもの健康を向上させ、 妊産婦の死亡を2000年の数字から1/3まで減らすことに成功し、今年は178カ国中146位にまで順位をあげました。エチオピアも、アフガニスタン同様に2000年から妊産婦の死亡を1/3まで減らし、アフリカ大陸で最も成果をあげた国となりました。アフガニスタン、エチオピアの健闘は、他の紛争・ 脆弱国と一線を画しています。

「紛争・脆弱国と母子の死亡率の高さには明確な相関があるように見えます。確かに、紛争・脆弱国では多くの母子が防げるはずの原因で亡くなっていて、その死亡率は国際的に許容できる水準を遥かに超えています。しかし、アフガニスタンやエチオピアのような国々が母子の死亡を減少させる ことに成功した例をあげれば、人道危機下でも、母子を保護することが可能なことがわかります。世界的に見て、それが紛争であれ自然災害であれ、人道危機の影響で犠牲になるのはたいていいつも男性よりも女性と子どもなのです。紛争地域では、戦場で亡くなる兵士の数以上の母子が犠牲になっています。国際社会は、紛争・脆弱国の人びとに対して、緊急かつ迅速にヘルスケアを提供しなければなりません。子どもたちは、どの国に生まれようとも生きる権利があります。激しい紛争下にある国であっても、正しい戦略と投資があれば、子どもたちの命を救うことができるのです。」セー ブ・ザ・チルドレン・インターナショナル*2 事務局長ジャスミン・ウィットブレッド
*2 セーブ・ザ・チルドレンのグローバルネットワークを統括する組織

総合的には、脆弱なインフラや紛争に加えて自然災害の被害を受けた国々の母親たちが、最も苛酷な状況にさらされています。コンゴ民主共和国、ニジェール、マリ、ギニアビサウなどの国々は、 2000年の第1回母親指標の発表以来、ランキングの下位に留まり続けていますが、ギニアビサウ 以外の国は全て、紛争と自然災害の両方を経験しています。

コンゴ民主共和国では、武装した兵士よりも女性や子どもの方が、より命の危険にさらされているという統計が出ています。シリアや中央アフリカ共和国のような国では、内戦から逃れるために百万単位の女性や子どもが国境付近や国外へ避難し、きわめて不安定な生活を余儀なくされています。またシリアでは、周辺国へ避難した難民の児童婚や強制婚を含む、少女や女性に対する暴行の増加が報告されています。

一方、2012年にアメリカ東海岸を襲ったハリケーン・サンディや、2013年にフィリピン中部を横断して甚大な被害を出した台風ハイエンなどの大きな自然災害では、基幹インフラが破壊され、公共サー ビスが停止した際の母親たちへの支援の重要性が強調されました。この2つの自然災害のケースでは、最初の緊急段階が過ぎた後、各公共施設が復旧し、支援物資の配給も迅速に行われたため、 自然災害に対しては備えと防災の取り組みが被害の軽減につながることがわかりました。

最後に、西側諸国においても、特定の指標において課題を持つ国がありました。例えば、ランキング31位のアメリカでは、15歳未満の女子が妊娠に関連した原因によって死亡する割合が2000年の3700人中1人から今年は2400人中1人となり、リスクがおよそ倍に高まりました。これは、イランやルーマニアと同水準です。

世界がお母さんにとってよりやさしい場所になるための、セーブ・ザ・チルドレンからの提言は次の通りです;
  • 早期対応、社会的保護、防災、地球上の全ての人が基礎的保健医療サービスを受けられるユニバーサル・ヘルス ・カバレッジの実現など、最も弱い立場に置かれた人びとに対する制度を強化すること。
  • 全ての人が質の高いヘルスケアを受けられるようにすること。
  • 女性や少女のための投資をもっと増やし、女性たちの安全を確保すること。
  • 緊急介入を実施する際には、母親や新生児の特殊なニーズを念頭に置き、長期的な視野を持った事前計画を立てること。
  • 上記の提言が確実に実現されるための充分な予算と調整と調査が保障されること。

▽母の日レポート2014 フルレポート(英語PDFファイル)
▽母の日レポート2014 概要(日本語PDFファイル)
▽プレスリリースPDFファイル

本件に対する報道関係者の方のお問い合わせ
広報 担当 田代範子 TEL: 03-6859-0011

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