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(公開日:2017.06.01)
最新の報告書「奪われた子ども時代」を発行し、世界では、4人に1人の子どもの子ども時代が奪われている現状を報告

セーブ・ザ・チルドレンは、6月1日の国際子どもの日*1にあわせ、最新の世界子どもレポート「奪われた子ども時代(Stolen Childhoods)」を発行し、世界では子どもの人口の4分の1にあたる7億もの―しかしおそらくは、それ以上もの―子どもたちが、紛争や激しい暴力、早すぎる結婚・妊娠、児童労働、栄養不良、教育を受けられないといった要因で、子ども時代が奪われていることを報告しました。レポートではまた、世界172ヶ国を対象に、上記の要因の指標をもとに作成した、「子ども時代が守られている国ランキング(End of Childhood Index)」を発表しています。



奪われた子ども時代
すべての子どもには、学び、遊び、成長するために守られ、安全な子ども時代を過ごす権利があります。大人からの愛情や思いやり、保護を受けることで、子どもたちは自らの可能性を実現していくことができるのです。しかし、世界ではおよそ4人に1人の子どもが、こうした機会を持てていません。

セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちから「子ども時代を奪う要因」を、”死亡”、”栄養不良”、”教育を受けられないこと”、”児童労働”、”早すぎる結婚”、”早すぎる出産”、”激しい暴力の被害”の7つと設定し、さまざまな統計データをもとに、現状を明らかにしました。

世界では7億人の子どもが、子ども時代を奪われています―
●世界では、毎日1万6,000人の子どもが、予防可能な原因で、5歳の誕生日を迎える前に命を落としています。
●世界では、5歳未満の子どものおよそ4人に1人、1億5,600万人が、栄養不良の結果、身体および精神の発達が阻害された、発育阻害にあります。
●世界では、学齢期の子どもの6人に1人、2億6,300万人が、学校に通えていません。
これは、先進国の子どもの人口2億4,500万人よりも多い人数です。
●世界では、5歳から17歳の子どもの1億6,800万人が、児童労働に従事しています。こ
れは、日本の5歳から17歳の子どもの人口*2の、およそ11.5倍にもなります。
●世界では、7秒に1人、15歳未満の少女が結婚しています。
●世界では、2秒に1人、少女*3が出産しています。
●世界では、紛争により、子どもの80人に1人、2,800万人が、住む家を追われ避難を
強いられています。その中には、戦闘に参加させられている子どももいます。
●世界では、毎日200人の少年・少女が、殺人の被害に遭っています。


子ども時代が守られている国ランキング
レポートの中では、上記の7つの「子ども時代を奪う要因」に基づき、?5歳未満児の死亡率、?発育阻害にある子どもの割合、?学校に通っていない子どもの割合、?児童労働に従事する子どもの割合、?結婚している少女の割合、?少女の出産率、?紛争により家を追われた子どもの割合、?子どもの殺人被害率、の8つの指標をもとに、172ヶ国を対象とした「子ども時代が守られている国ランキング」を発表しました。結果は、172ヶ国中1位はノルウェーとスロべニア、最下位はニジェール、日本はスイスと並び16位でした。子ども時代が守られている国の上位は北欧諸国をはじめとするヨーロッパの国々が、下位はアフリカの国々が占める結果となりました。


結果だけを見れば、経済的に豊かな国々が上位にランクされていますが、国の豊かさに比して、もっと良い結果であるべき国もあれば、例えば112位のルワンダのように、経済的には貧しい国でも、努力が見られる国もありました。


日本の子どもの子ども時代
ランキングで16位の日本でしたが、子ども時代を奪う7つの要因をもとにした8つの指標においては、上位の国々との差はわずかで、日本の子どもたちの子ども時代は守られていると言えます。しかし、このランキングは、世界の中での子どもたちの状況を浮き彫りにするためのものであり、日本の子どもたちの置かれた状況に課題がないわけではありません。

日本の子どもの相対的貧困率*4は16.3%で、子どもの6人に1人が相対的に貧困の状態にあります。また、2015年度中の全国208ヶ所の児童相談所における児童虐待相談対応件数は10万3,260件で、過去最多となっています。これは、日本も批准している国連子どもの権利条約で保障されている、生活水準への権利(第27条)や、虐待・放任からの保護(第19条)が守られていない状況と言えます。

「日本のような先進国では、子ども時代が奪われないまでも、子どもの健やかな成長が阻害される要因となる課題はまだ山積みです。しかし、子どもの権利の保障に対する社会の理解は、まだ不十分です。まずは大人が、子どもの権利を守り、子どもが健やかに成長できる社会を築くことに、コミットしなければなりません。

セーブ・ザ・チルドレンとしては、日本における子ども虐待の予防をめざし、体罰等の全面禁止に向けた法整備を日本政府に提言すると同時に、日本の子どもの貧困問題解決の取り組みとして、国や自治体に対して就学援助制度など公的扶助制度の周知の徹底を求めるなど、社会の仕組みの中で、子どもの権利が守られるよう、働きかけています」 
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン事務局長 千賀邦夫


子どもたちに投資を
セーブ・ザ・チルドレンは、今の、そして未来の子どもたちのために、各国政府に子どもたちへの公的支出を増やすことを求めます。

2030年までに貧困、不平等・格差、気候変動のない持続可能な世界を実現しようと、2015年9月の国連総会で、全会一致で採択されたのが「持続可能な開発目標(SDGs : Sustainable Development Goals)」です。SDGsで掲げられた17の目標が達成されれば、2030年までに、どこに住んでいようとも、すべての子どもが学校に通い、安全に暮らし、健康に生きられる社会になっているはずです。これは、途方もない目標に思えるかもしれませんが、各国政府が、子どもたちが子ども時代を過ごす権利を完全に保障するための投資を行えば、決して不可能ではありません。

意図的に、もしくはただ社会から顧みられずに見捨てられた子どもたちへの、不十分で、不効率で、不衡平な公的投資の結果として、7億人の子どもたちの子ども時代が奪われているのです。


「子どもたちに子ども時代を」――世界で署名活動を開始
セーブ・ザ・チルドレンは今日から世界各国で、日本を含む各国政府に対し、子どもたちへの公的支出を増やし、すべての子どもたちを平等に扱い、子ども時代を守るための法整備を行うことを求める署名を開始します。
集まった署名は、各国政府の代表が集まる9月の国連総会で提出します。
署名はこちらから


子どもたちが知る衝撃の事実―「かつてない衝撃の開封動画」を公開
セーブ・ザ・チルドレンはまた、レポートの発行にあわせ、子どもたちに人気の開封動画(アンボクシング動画)をモチーフに、「かつてない衝撃の開封動画(Biggest Unboxing Surprise EVER!!)」シリーズ3作を公開しました。3人の子どもたちが、それぞれおもちゃの箱をワクワクしながら開けてみると、そこには妊娠検査キットや銃弾ベルト、つるはしと岩石が…。驚き、混乱した表情を見せる子どもたちですが、箱の中にある説明書を読み、そこでさらに衝撃の事実を知ることになります。

レポート全文(「子ども時代が守られている国」全ランキング含む、英語)、署名への参加、動画の視聴は特設ページから
日本からのアクセス(日本語)    http://www.savechildren.or.jp/lp/eoc/
その他各国からのアクセス(英語)http://endofchildhood.org/ 

*1 1925年、ジュネーブの子どもの福祉世界会議にて制定。その他、1954年に国連が、児童の権利に関する宣言と児童の権利に関する条約を採択した11月20日を「世界子どもの日(Universal Children's Day)」と制定している。
*2総務省統計局 人口推計平成27年年齢各歳別人口より。
*319歳未満の少女の出産件数(1,700万)から算出。15歳未満の少女の出産は年100万件。
*4厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査」より。 




【本件に対する報道関係者からのお問い合わせ】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
広報 担当 田代範子 太田しのぶ
TEL: 03-6859-0011 E-mail: press@savechildren.or.jp



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