トップページ > スタッフブログ > インド > デジタル教材を活用した「子ども参加型」の授業を目指してA

インド
(公開日:2015.11.02)

デジタル教材を活用した「子ども参加型」の授業を目指してA

 
インドのデリー、テランガナ州、ビハール州の3つの地域において、企業とのパートナーシップのもとに行う、BOP(Base Of the Economic Pyramid:経済ピラミッドの底辺にいる貧困層の意)向け教育サービス事業の準備調査を実施しています。事業では、プロジェクターおよび音声・映像のマルチメディア教材を活用して、子どもたちが理解しやすく、教員にも扱いやすい教育システムの提供を目指します。

準備調査の具体的な取り組みとして、県の教員養成機関(DIET: District Institute of Education and Training)の協力を得て、1)ICT(情報通信技術)を活用した教授法に関する教員研修の実施、2)小学4・5年生の教室でパイロット授業を実施して、子ども、教員、保護者からのフィードバックを収集し、その情報を基に現場のニーズに沿った「触って学べる教材」と「デジタル教材」の開発を行っています。

前回の報告については、以下のリンク先をご参照ください:
http://www.savechildren.or.jp/scjcms/sc_activity.php?d=1962


1.デジタル教材と触って学べる教材を使った参加型パイロット授業

5月、デリーにて4年生の子どもたちを対象に、水の大切さやその循環の仕組みを学ぶ単元のパイロット授業を実施しました。リモコンを使って簡単にプロジェクターを操作することにより、教員たちが効果的に映像や画像を使用したり、随所にクイズや実験を取り入れたりして、子どもたちとのインタラクティブな授業が実施されていることが確認できました。


プロジェクターを使ったパイロット授業の様子(デリー)


先生の質問に積極的に答える子どもたちの様子(デリー)


子どもたちがグループに分かれて、
ペットボトルを使った水の浄化の実験をする様子(デリー)


子どもたちが作った「水の循環」模型(デリー)


2.テランガナ州のコミュニティでの聞き取り調査

SCJスタッフがテランガナ州を訪問して、パイロット授業の成果をより詳しく確認するため、子ども、教員、親への聞き取り調査を実施しました。以下、各グループから出た意見・感想の一部をご紹介します。


コミュニティでの聞き取りの様子(テランガナ州)

子ども:「動物やアニメキャラクターが出てくるところが面白い」、「教科書を読んでも分からなかったけど、映像のおかげで理解できた」、「授業で習ったことをお母さんにも教えたよ」

教員:「欠席が減った」、「以前は給食の後には家に帰る生徒が多かったが、パイロット授業を午後に行うことで、午後も学校で勉強する生徒が増えた」、「子どもたちとの対話が増え、クラスの雰囲気がよくなった」、「子どもたちの考える力が伸び、より質問するようになった」、「今まではパソコンや携帯電話を持っていなかったが、スマートフォンを買って画像や映像をダウンロードし、授業で活用している」

保護者:「子どもたちが、勉強により積極的になった」、「学校で習ったことを話すようになった」、「保護者会でパイロット授業のことが話題になり、画期的な面白い授業をしていることが分った」、「プロジェクターを使った授業をもっと増やしてほしい」

加えて、校長は「コミュニティでのパイロット授業の評判がさらに広まり、より多くの生徒が入学してくれることを期待している」と話しました。


3.県・州レベルでの会合
テランガナ州では教員、DIET、SCERT(州の教育研究機関:State Council of Educational Research and Training)を招いて、本事業の成果やグッド・プラクティスを共有するための会合を実施しました。会合では、教員たちが自分たちの経験やデジタル教材を発表し、それについて関係者間で議論しました。以下、参加者から出た意見・感想の一部をご紹介します。

  • ●多言語や一つのクラスで異なった年齢の生徒が勉強しているなどの課題がある中で、子どもたち一人一人の学習能力を把握している教員が中心となって教材開発を行っており、真の意味で利用価値の高い教材となっている。
  • 単に授業をこなすのではなく、どうすれば子どもたちに分りやすい授業ができるかを教員たちが試行錯誤する良い機会となっており、それがよりインタラクティブで効果的な授業に繋がっている。
  • ICTを活用した画期的な授業を行うことで、保護者の子どもの教育への関心が高まった。
  • 情報や教材を交換したり、助言し合ったりすることにより、学校や地域の枠を超えた教員同士の交流が活発になった。
  • 教員・DIET・SCERTとの意見交換も活発になり、新たなワーキング・カルチャーが生まれた。
  • 理科・生活科以外の科目でも、このような取り組みを実施してほしい。




会合の様子(テランガナ州)

現在は、11月の事業終了に向け、これまでに収集した調査データの分析を行っています。

インド担当:村田あす香




 

あなたのご支援が子どもたちの未来を支えます

もっと見る

毎月寄付する

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的に年次報告書や会報誌をお送りしています。

今回寄付する

1回から無理なくご支援いただけます。

PAGE TOP