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日本/東日本大震災/教育
(公開日:2013.06.12)

ともに、大きな実りを願って (2013.5.16)

 

「キリンSCJ『絆』奨学金」 は、被災地の将来の発展を支える子どもたちの学びの機会を大切にしたいと願うキリングループと、世界中で子どもの権利が実現される社会を目指すセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)が、岩手・宮城・福島県内の県立農業高校及び県立高校の農業関係科目を履修している高校生を対象に、協働で実施しているものです。2011年10月31日より奨学金給付を開始しました。


5月16日、私たちは宮城県名取市にある宮城県農業高校の「全校田植え」に参加しました。宮城県農業高校はキリンSCJ『絆』奨学金対象校のひとつ。伝統と実績のある日本最古の農業高校で、地域の人々からは親しみを込めて「宮農(みやのう)」という愛称で呼ばれています。東日本大震災では大きな被害を受け、現在は仮校舎で学校を運営しています。しかし困難な環境ながらも、生徒達は授業や実習活動に懸命に取り組み、若い力で地域を盛り上げていこうとしています。毎年行われているこの田植え行事は、古来より行われてきた米作りを昔ながらの手作業で体験することを通して、自然への畏敬の念と食への感謝を表し、達成感と喜びをともに味わうことを目的に、同校の全生徒約700名と教職員約100名が参加する伝統のある学校行事です。


今回、私たちSCJの職員もキリン株式会社の皆さまとともにも、奨学金受給生達と交流を深め、また農業高校の活動に対する理解をするために、田植えに参加させていただきました。


前日までの悪天候とは打って変わり、当日はまさしく田植え日和という晴天の中、この5月の恒例行事は始まりました。最初に白石喜久夫校長先生から、「速さではなく、正確さを競ってクラスごとに田植えをして下さい。本気で植えて、達成感と感動を覚えましょう。」「非常に弱く、頼りのない苗ですが、秋には立派な籾を付けます。稲のように私たちも支え合って生きて行きましょう。」とお話がありました。その後、生徒たちは仮校舎から歩いて15分程の水田まで移動し、各クラスが担当する水田へと入っていきました。



この広大な水田に苗を植えていきます。












先生の合図と同時に生徒たちの田植えが始まりました。みんな真剣そのもの。


畔の両端に生徒がロープを持ち、植える列を決めて田植えを開始します。植える位置はしっかりと決まっていて、株間(株と株の間隔)は15cm、条間(列と列の間隔)は30cmです。一列植え終わると、後ろに下がりまた等間隔で植えていく。これの繰り返しです。一カ所に植える苗は少なくても多くても病気の原因になるそうで、5本ほどにまとめた苗を等間隔で一カ所一カ所丁寧に植えていきました。












私たちも参加させてもらいました。なかなかの重労働です。


全校田植え終了後に、奨学金受給生である3年生の佐藤迅さんと佐々木竜さんに、学校生活や将来の夢についてインタビューをさせてもらいました。二人ともしっかりとした意志を持ち、質問にもはきはきと答える姿が印象的でした。


左から佐藤迅さん と 佐々木竜さん


佐藤さん
「震災後、進学費を稼ごうとアルバイトをしようと思っていましたが、この奨学金のお陰で今は授業に集中できています。資格取得も頑張っています。大学ではスポーツ科に入りたいです。辛いことを楽しさに変えて、楽しみを見つけながら頑張っていきたいです。

佐々木さん
「志望校に推薦入学できるように、寮の学習時間を活用して勉強を頑張っています。これからは、何もないところから支援してくれた周囲の人たちに感謝し、大学に行って、家族・地域に貢献できるように農業の勉強をしたいです。」



整然と植えられた苗。収穫の秋が楽しみです。


今回植えた苗の品種は、宮城県奨励米の「ひとめぼれ」。水田も無化学肥料を使用している水田です校長先生のお話にあったように、秋には黄金色の立派な籾を付けることでしょう。無事に収穫できることを祈っています。豊穣の秋が今から楽しみですね。

東日本大震災は、地元の農業に大きな打撃を与えただけではなく、将来農業を志す高校生たちの教育環境にも大きな困難をもたらしました。こうした状況を受け、「キリンSCJ『絆』奨学金」は、キリングループの「復興支援 キリン絆プロジェクト」活動の一環としてSCJと協働で設立されました。将来、農業を志す生徒の皆さんが学業に明るい未来を見出せること、東北地方に受け継がれてきた豊かな農業を未来につなげていくことに期待が込められています。今後も継続して「キリンSCJ『絆』奨学金」は、農業を志す生徒さんのサポートを行ってまいります。


(報告:仙台事務所 早坂貴文)


 

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