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シリア危機
(公開日:2013.10.21)

シリア難民支援〜難民の青少年は普段は何をしているの?〜(2013.10.21)

 

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は2013年2月1日に終了した越冬支援に引き続き、レバノン東部のシリア国境に近いベカー県にて青少年の保護・生計支援事業を実施しています。


「一日することが何もない」

「友達のテント(家)で集まって、お茶を飲みながら話したりするくらいよ」


これは「普段は何をしているの?」という質問に対する、シリア難民の少年・少女の回答です。これまでシリアで中学校や高校に通っていた彼らは、何かをしたくても何ができるかわからない、勉強したくてもできない、もどかしい環境で生活しています。


 
テントで生活する女の子たちへ聴き取り(右二人はSCJ職員)


これから何をしたい?と聞くと、「子どもたちに何かを教えたい」「裁縫がしたい」と自分の得意分野を活かしたい、誰かのために役に立ちたいという声が聞かれました。


レバノンの公教育では、英語やフランス語で授業が行われる科目もあるため、アラビア語で教育を受けたシリア難民の青少年がレバノンの公立学校で学ぶには難しさが伴います。また、学齢期を過ぎた青少年が家族のために収入を得たくても、難民が増えて労働市場が逼迫しているレバノンでは、仕事を見つけることも難しい状況です。そのため、何もすることがない日々を過ごしている青少年が多くいます。


事業地では、子どもや大人を対象とした支援はありますが、14歳〜24歳の青少年層はこのような支援対象から外れがちで、支援の不足が国際社会から指摘されていました。セーブ・ザ・チルドレンがシリア難民の青少年層を対象に2012年11月に実施した調査では、住み慣れた故郷を追われたことによる孤立感、不安定感、自信の欠如が青少年には観察され、新しい環境への適応の難しさがストレスになっていることが分かりました。


セーブ・ザ・チルドレンは、こうした青少年のために、英語・フランス語による教育を補完するための教育プログラムを提供するとともに、青少年が心に抱える問題を解決し、新しい環境によりスムーズに適応できるよう、新たに設立した青少年センター(ベカー県内の3か所)にて、ライフ・スキル研修や、描画・演劇・ダンスなどのクラブ活動を実施し、青少年による地域でのボランティア活動や心のサポート活動などを支援しています。また、青少年らが家計に貢献できるよう、生計支援も行っています。これらの活動を通して、疎外感、幻滅感、挫折感などの感情を青少年が持ち続けることを防ぎ、非日常である難民生活を送る青少年らが少しでも日常生活を取り戻し、社会生活を送ることができるよう支援していきます。

 


青少年センター設置先を探すところから、私たちの活動は開始しました


217万人。この数は、シリアからレバノン・ヨルダン・トルコ・イラクなどの隣国に逃れた難民の数です(出所:UNHCR。難民登録済み、もしくは登録待ちのシリア難民の数。2013年10月16日現在)。うち、レバノンへの難民数は79万人。この数はUNHCRの難民登録を求めていない世帯は含まれていなく、レバノンに滞在する実際の難民の数は100万人を超えたと言われています。(レバノンの人口(約400万人)の約5分の1が難民ということになります。)難民の流入で需要が増えたことによる家賃や物価の高騰や、労働力増加による賃金の低下に対する不満がレバノン人に募り始めていることから、難民への支援により両者の間にさらなる摩擦を生まないことが大切です。そのため、セーブ・ザ・チルドレンの活動には、レバノン人の青少年にも参加してもらい、難民と地元の青少年の交流を通じて相互理解もはかっています。


次回より、主にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとして支援している青少年センターの活動について、ご報告します。


これからも温かいご支援を、よろしくお願いいたします。


(報告者:海外事業部 宮脇麻奈)


青少年センターの活動は、皆様からのご支援とジャパン・プラットフォームの助成により実施しています。


 

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