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モンゴル
(公開日:2015.08.26)

【モンゴルにおける防災活動推進プロジェクト】訓練のための訓練!

 
皆様、こんにちは。モンゴル事務所の岡本です。ウランバートルでは8月に入ってから雨が頻繁に降るようになり、個人的には少しやっかいだなと思っていたら、モンゴルの方は意外にも雨を喜んでいる人がとても多く、空気が浄化される、草花(家畜の食料)が育つというのが主な理由だそうです。しかし、ウランバートルの道路では少し雨が降っただけであちこちに大きな水溜りができては、車が通るたびに大きな水しぶきがあがっており、もしこれが豪雨だったらと考えると、自然災害に対応できる環境が整っていないと思わされるところが多々あります。

さて、今回のブログでは2014年10月からモンゴルで実施している「緊急災害時における子どもの保護体制強化事業」の紹介と進捗状況をご報告します。事業としては2011年から始まっており、本事業がフェーズ3(第3期目)になります。


2014年12月4日にモンゴル国家緊急管理局で行われた、本事業(フェーズ3)に関する署名式(写真右から:ナラントゥヤ国家子ども局長、ドラムドルジ国家緊急管理局長[当時]、セーブ・ザ・チルドレン・モンゴル事務所長の豊田光明)

事業が始まった主な背景として、モンゴルでは、地震や洪水といった突発的な災害への対策が不十分で、子どもやコミュニティを巻き込んだ防災教育・防災活動が普及していないという点が挙げられます。

皆さんも聞いて驚くかもしれませんが、モンゴルでは毎年国内各地で小規模な地震が頻発しています。例えば、1997年から2009年までに、首都ウランバートル市近郊だけでも、2,420あまりもの地震が発生しており(モンゴル国家緊急管理局の統計)、その傾向は近年益々頻繁になっているとのことです。更に、国内外の研究機関が行った調査では、首都ウランバートル市近郊に活発な活断層が見つかり、マグニチュード 7 クラスの大地震が発生する可能性が高いことが指摘されています。

そのような状況の中、モンゴルでは「地震」と言われてもあまりピンと来ない、また学校で防災教育・避難訓練を受けたことがなく、地震が起こっても何をしていいかわからない、といった人々が多いことから、本事業を計画・実施する運びとなりました。本事業では国家緊急管理局や国家子ども局といった主要政府関係機関と協力しながら、幼稚園や学校および児童養護施設といった教育や福祉の現場において、緊急対応・防災計画を整える支援を2011年より行ってきました。

フェーズ3となる本事業では、(1)政府・行政職員や教職員への研修(指導者研修、一般研修)の実施、(2)公立学校および公立幼稚園での緊急対応・防災計画の策定 と実践に対する支援、そして(3)子どもが参加した地域レベルでの啓発活動の3つの活動を支援しています。

今回ご紹介するのは、(1)の研修についてです。今年の1月〜6月にかけて、モンゴル全土(21県と首都圏)から計100人以上の政府行政および教育関係者が参加し、以下の5つの場所で地域研修が実施されました。まさに、防災訓練のための訓練です。


   1. ウランバートル市(首都圏9区を網羅)
   2. ヘンテイ県(東部地域6県を網羅)
   3. ウムヌゴビ県(南部地域5県を網羅)
   4. ウブルハンガイ県(中部地域5県を網羅)
   5. バヤン・ウルギー県(西部地域5県を網羅)

同研修は、セーブ・ザ・チルドレンが、日本を含め世界各国で対応してきた自然災害などの経験をもとに開発された教材などをベースに、モンゴルの事情に合わせて内容を改良し行われました。政府や教育関係者の自然災害に対する理解や知識を深め、災害が起こる前、起こったとき、そして起こった後において、いかにして子どもたちの生命と安全を守り、コミュニティの一員として災害に備えることができるかということを目的にした研修でした。

研修内容は、講義、議論、そして実演を交えて行われ、緊急時の子ども保護と子ども参加の必要性・重要性や、災害の原因などの広い分野に亘るテーマから、ジェンダーに基づいた暴力の予防、障害のある子どもたちへの支援、そして子どもに対する心理ケアの提供といった、焦点を絞ったテーマについても話し合われました。


ウランバートル市の地域研修(1月実施、参加者23人)


中部地区研修にて研修証明書を持った参加者(5月実施、参加者計17人)


研修後に地元テレビ局からインタビューを受け、防災の大切さについて語る参加者


今回の研修の成果をはかるために、セーブ・ザ・チルドレンは、参加者に対して事前・事後アンケート調査を実施しました。その結果、研修の主な成果として、参加者が自然災害や緊急時の子ども保護に対する理解と知識の向上が見受けられました。また、政府や教育関係者と学校・幼稚園現場における連携強化の重要性の認識、そして今後の防災対策の実践における意欲の向上などが挙げられます。

具体的なコメントとして共有されたのは、「今までは、我々(政府や教育関係)と学校間での防災における連携はほぼ無かったが、今回の研修を通して、災害に組織的に対応して連携する大切さに気づいた」や、「何が避難を妨げるかについても学び、非常口回りの環境を整える必要があることなどを再認識した。今後の防災訓練を実践していくための計画を練りたい」といった意見でした。

本事業の今後の活動内容としては、研修で学んだことを基に、参加者がそれぞれのコミュニティで学校や幼稚園、その他子どもと直接的に関わる公共機関や商業施設を巻き込んだ緊急対応、防災計画を練り、自分たちの地域に根ざした防災活動計画の実践を支援することです。

日本の子どもたちが学校内で当たり前のように行っている避難訓練なども、モンゴルにとってはまだまだ定着しておらず、災害が多い日本から学ぶ事例はたくさんありそうです。引き続きブログではモンゴルの活動をご紹介していく予定です。

本ブログ記事で紹介した事業は、皆さまからのご支援を受けて実施しています。

(報告:モンゴル事務所 岡本 啓史)


参考文献
1)UNDP (2010) “Mongolia Earthquake Risk: Modified Mercalli (MM) Scale” 
http://www.preventionweb.net/files/15692_mngearthquakeriskv1100816.pdf

2)OCHA (2014) “Asia-Pacific Earthquake Risk:  Modified Mercalli (MM) Scale” 
http://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/map_613.pdf

3)JICA (2011) 「ウランバートル市地震防災能力向上プロジェクト」
http://www.jica.go.jp/oda/project/1100247/index.html

4)JICA (2012) 「高まる大地震のリスクに備える」
http://www.jica.go.jp/topics/news/2011/20120222_02.html


 

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