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タイ
(公開日:2017.08.23)

【タイ 水の事故予防のための教材開発】子どもたちが作った物語

 

地理的に水源に恵まれ、また、洪水、サイクロン、そして津波などの自然災害の被害を受けやすいタイでは、子どもが水の事故に巻き込まれて死亡するケースが多く発生しています。その人数は、政府の統計によれば毎年1,000人前後(15歳未満の子ども)、届け出のない犠牲者も含めると2,650人にのぼると言われています。

海や川、貯水池など、子どもたちの日常には、水の事故につながりやすい、さまざまな危険な場所が存在しますが、水の事故から身を守るためには何よりも正しい知識が必要です。そのためセーブ・ザ・チルドレンは、2016年9月より、水の事故予防のための参加型教材開発事業をタイ・バンコク市の小学校2校で実施しています。


日常に存在する水の事故につながりやすい場所を分析する子どもたち

この事業で大切にしているのは、「子どもの声が活かされること」です。子どもたちが水の事故に遭う危険な要因は何か、予防のために何が必要なのか、どのような伝え方が効果的なのかなどについて、子どもたちを交えて何度も話し合われます。例えば、水の事故予防のために必要な知識を学ぶためのカードゲームは、子どもたちが試作品で遊んでみて、ゲーム制作チームに改善すべき点をフィードバックしました。

2017年3月、5月に実施された防災キャンプでは、子どもたちはこれまでに学んだことを振り返るために、いくつかのグループに分かれ、水の事故予防のための物語を作成し、発表しあいました。この物語には、「リトル・タン」というモグラのキャラクターが登場し、絵本のようになっています。ここで全てのグループが作った物語を紹介できないのが残念ですが、3つのグループの作品を紹介したいと思います。


日頃から気をつけること、気をつけていても事故に遭ってしまった場合にどうするかについて、
想像力あふれる物語です


1:海に行こう!
ある日の午後、ウサギとカメは、一緒に海に行こうとリトル・タンを誘いました。しかしリトル・タンはあまり体調がよくなかったので行きたくありませんでした。リトル・タンはウサギとカメに、「海に行くのなら、水に入る前にライフジャケット(救命胴衣)を着るのを忘れないでね」と言いました。でもウサギとカメはリトル・タンが言ったことを気にしませんでした。

海に着いた途端、ウサギは何も気にせず、水に飛び込んで泳ぎ始めたのです。そして突然、ウサギは溺れ始めました。カメはそれを見て、「助けて!助けて!助けて!」「ウサギが溺れているよ!」と助けを求めて叫びました。そしてカメはウサギに対し「怖がらないで」「誰かが助けに来るから」と叫びました。カメは空のボトルを見つけて、ウサギに向かって投げました。そのおかげで、ウサギは誰かが助けに来るまでなんとか浮いていることができました。とうとう、誰かがウサギを助けにやってきてくれました。ウサギとカメは、タンが彼らに言ったことを思い出しました。「僕たちは、タンが言ったようにライフジャケット(救命胴衣)を着るべきだったね」。



海についた途端水に飛び込んで溺れるウサギと、落ち着いた様子でウサギを助けるカメ



2:リトル・タンの森の冒険
リトル・タンは森に行くのが好きです。ある日彼は、友だちのアヒルとヒヨコとシカを森に誘いました。荷造りをして、彼らは一緒に森に向かいました。途中、リトル・タンはウサギが沼で溺れかけているのを見つけました。リトル・タンは「助けて!助けて!助けて!ウサギが溺れているよ!」と叫びました。

アヒルは、水に浮きそうな空の大きな缶を見つけました。また、ヒヨコは長い木の枝を見つけて、ウサギに捕まるようにと差し出しました。みんなが協力して、ウサギを引っ張り上げたのです。ウサギは助かりました!!ウサギはみんなにお礼を言いました。



大切なのは、「みんなで協力すること」。
子どもたちのチームワークは、物語の中にも表れます

3:3匹の子ブタとの水遊び
昔、それぞれピー、アイ、ジーという名前の3匹の子ブタがいました。彼らは運河で泳ぐのが大好きでした。ある日、彼らは友だちのモン、ポー、ピックを、一緒に泳ぎに行こうと誘いました。でも、モンとポー、ピックの3匹は行きたくありませんでした。なぜなら、大人と一緒でなければ泳ぐのは安全ではないと思ったからです。でも3匹の子ブタに「自分たちは大丈夫だし、君たちのことも気をつけるよ」と言われ、大人たちに言わずに行くことに決めました。運河では、みんなで一緒に楽しく泳ぎました。やがてみんな疲れてきたので、川岸に上がろうとしました。ピックだけがまだひとりで泳いでいたのですが、そのうちに足がつってしまい溺れ始めました。

友だちたちはそれを見て、助けを求めました。ピーは「助けて!助けて!ピックが溺れている!」と叫び、ポーはピックが掴んで浮くことができるよう空のボトルを投げました。そしてポーがピックにロープを投げて、みんなで協力して彼を川岸に引き上げました。ピックは助かったのです。

 


「周りに助けを求めること」は、救助の第一歩です。
この物語を覚えていれば、とっさの行動をとることができます。

「伝えたいことは何か」を自分たちで考え作った色鮮やかな絵を加えた物語によって、子どもたちは、水の事故予防のための知識を身に着けていきます。今後も、子どもたちの声が活かされた水の事故予防のための事業を実施していきます。

本事業は、皆さまからのご寄付および株式会社ファミリーマートのご支援により実施しています。


※本事業では、子どもだけで水の事故に遭う可能性があるところに行かないこと、水遊びをするときは救命ジャケットを着用することの大切さなどを子どもたちに伝えています。また、溺れている人がいたらまずは周りの大人に救助を求めること、溺れている人が救助を待つ間に水に浮いていられるよう、浮くものなどを投げることなども伝えています。

(海外事業部 タイ担当:福田)


 

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