インド(公開日:2013.06.28)
インド・ウッタラカンド州で洪水支援を開始しました。(2013.06.28)
現地の様子〜
インド北部ウッタラカンド州では、季節風の影響で降り続いた豪雨により、6月16日に大規模な洪水と土砂崩れが発生しました。推定15万人(うち子ども6万5千人)が被害を受け、政府の情報によると、現時点での死者は1,000人1 を超えたと報告されています。未だ取り残されている人々がいることから、死者はこれからも増えるだろうと言われています。セーブ・ザ・チルドレン・インド(以下SCI)は水害による被害を受けた子どもたちとその家族に緊急支援を開始しました。
現地の様子〜
被害の様子
ヤムナー川(ガンジス川の支流)に架かっていた橋が洪水により流されました。橋は20村の生命線になっていたため、食料や医療品の物資供給が現在滞っている状態です。もともとヤムナー川には3本の橋がありましたが、1本は昨年の洪水で流され、そして残り2本も今回の 洪水で流されてしまいました。20村には約10,000人が取り残されており、備蓄していた食料も底をつき始め、喫緊の支援を必要としています。
被災者からの声
SCIは同州のウッタラカシュ県のカラディ村において聞き取り調査を行いました。
洪水により家をなくしてしまった子ども18名、大人16名が、公立学校に一時避難所に避難していますが、避難所の衛生状態は悪く、物資支援や医療支援を必要としています。
カウシャラヤ・デビさん (42歳、3児の母親)
「橋や道路が流されてしまい、学校も避難所となっているので、子どもたちは2〜3ヶ月は学校に通えない状況が続くのではと家族で心配しています。もし、橋や道路が整備されたとしても、家を流されて全てを失くしてしまったので、生活費も教育費もこれからどうして工面したらいいのか分かりません。 政府から避難所に届けられた支援はお米20キロほどです」
写真右がカウシャラヤ・デビさん
SCIは6月20日にウッタラカンド州都のデラドゥンに入り、食料・毛布・防水シート・衛生キットの支援物資を50世帯に配布しました。また、もっとも被害が大きかったRudraprayag, Uttarkashi, ChamoliとTehri Garhwal県にて支援を展開する予定です。
支援物資を運ぶトラック
これからの支援内容
1) 支援物資の配布
洪水で泥水の混ざった水しかないため、水やフィルターの配布、毛布、衛生キット、食料の配布、乳幼児への栄養食、学用品の配布
2) 日雇い労働を通じた瓦礫処理 :被災者自身を雇用することで生計手段の確保
3) 仮設住宅 の設置
4) こどもひろば の設置
学校が洪水により被害を受けた、または避難所として利用されているので、子どもたちは2〜3ヶ月ほど学校に行けない状態が続くと予想されます。そこでこどもひろばを設置し、遊びや学習の機会を提供します。水害により生活が変わってしまった子どもたちへ居場所を提供し、心のケアを行います。
物資配布所にて話をする緊急支援スタッフと子どもたち
(文: インド事業担当 森本美紀)
【出典】
1)Hundustan Times