インド(公開日:2014.06.26)
学校へ行こう〜Ride to School〜 (2014.06.26)
6月12日は児童労働反対世界デー。
この日、インド マハラシュトラ州ムンバイ市のM-East区において、ストリートチルドレンや児童労働に従事する子どもたちに教育の機会を提供するための、移動式図書館の開所式を行いました。
<世界児童労働ファクト>
世界の児童労働者数:1億6,800万人
うちサハラ以南アフリカ:5,903万人
うちアジア・太平洋地域:7,772万人(全体の9.3%)
上記のデータからもわかるように、児童労働が最も多いのは、「最貧国」ではなく「中所得国」なのです。
<ムンバイのスラム街における活動紹介>
■ムンバイ市M-East区とは
ムンバイ市のすべてのゴミがM-East区のゴミ集積所に集められるため、その付近には移民や貧困状態にある家族が、ゴミの収集で生計を立てるために居住しています。

丘のように見えるのは実はゴミ。ムンバイ市のデオナーと呼ばれるゴミ集積所は、インドでも一番古くて大きいのです。そのゴミの量は合計で5,500トンもあります。

ⓒdinodia.com
ここで暮らす子どもたちの多くは、家計を助けるためにゴミ集積所で働くか、親の代わりに家で兄弟の世話をしなければならず、学校に通っていません。 たとえ学校に通い始めたとしても、55%の子どもたちが途中で中退してしまいます

スラム街の様子。とても狭く、衛生環境も悪い。

スラム街に住む子どもたち
■スラム街の厳しい環境に暮らす子どもたちに教育を届ける
移動式図書館は、椅子や黒板や本棚を設置して、内装をできるだけ学校の環境に近づけています。また、2名の教育ファシリテーターとカウンセラーを同乗させて、音声や動画などの教材を使いながら、楽しく参加できる学習の機会を提供します。
この青い移動式図書館は、ムンバイで唯一の青いバス。行政から走行許可を得るのは大変でしたが、スタッフ一同子どもたちのために頑張りました。
この青いバスで、図書と教育をこどもたちのもとへと届けます。
開所式にはたくさんの子どもたち、保護者、地元の人々、そして関係者が出席しました。
感謝の気持ちを述べてくれた子どもたち
たくさんの子どもたちや地元の人たちが参加してくれました。
移動式図書館の前で記念撮影
移動式図書館の中では、インドの有名映画監督であり開所式のゲストAmole Gupteさんと子どもたちが交流。
移動式図書館の中に設置された机は折りたたみ式になっていて、たくさんの子どもたちが入れるように工夫されています。
6月16日からいよいよ移動式図書館の学習セッションが始まります。
子どもたちが学校へ通うための橋渡しになることを目的に、この事業を実施してまいります。
本事業は、みなさまからのご寄付および伊藤忠商事株式会社のご支援により実施しております。
(報告:インド事業担当 森本美紀)