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企業連携
(公開日:2021.02.19)

【セミナー開催報告】「コロナ禍の世界の子どもたちの保健課題解決を共に考える」 第2回「セーブ・ザ・チルドレンのプロジェクト事例紹介」

 

セーブ・ザ・チルドレンは、202124日、保健・衛生分野をテーマにしたオンラインセミナーシリーズ「コロナ禍の世界の子どもたちの保健課題解決を共に考える」の第2回目を開催しました。このセミナーは、世界の子どもたちの保健課題の解決に向けた企業とNGOとの連携の重要性について、医療・ヘルスケア分野の企業とともに考える場として企画したものです。


水衛生設備や居住空間などが未整備で、もともと基礎インフラに大きな課題がある国・地域においては、医療体制の整備やコミュニティヘルスケアの強化、衛生設備への投資が不足しています。政府や産業界が整備をするにはさまざまな課題があり、
NGOなど草の根レベルでの支援がその一部を担っている状況です。

医療・ヘルスケア分野の企業は、「人類の健康への貢献」を「パーパス」として日頃から本業を通じて活動していますが、こうした「課題がある国・地域・層」へは、情報や体制の不足などにより、なかなかアクセスしづらいという現状があります。

本セミナーでは、現地で草の根支援を行っているNGOと連携することにより、こうした国・地域の課題をともに解決することが可能であるというアプローチをセーブ・ザ・チルドレンより提案しました。具体的には、「セーブ・ザ・チルドレンのプロジェクト事例紹介」として、
セーブ・ザ・チルドレンが実施している具体的なプロジェクトをアジアと、アフリカより1例ずつ紹介しました。



コロナ禍で世界の子どもたちが直面する保健リスク

まず、
海外事業部グローバル戦略ディレクターの塩畑真里子より、コロナ禍で世界の子どもたちが直面する保健リスクについて、活動地域の中でも特にアフリカにおける新型コロナウイルスの感染状況とセーブ・ザ・チルドレンの対応について話しました。

●アフリカでは昨年11月頃までは感染者数は抑えられていたものの、202012月以降急増し、アフリカ55ヶ国のうち39
国で第2波が発生、20211月末で350万人となっている。特にアフリカ大陸南部が深刻で、マラウイ、ザンビア、ジンバブエ、モザンビークで感染者が増えている。

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子どもにとって最も深刻な影響は学校が閉鎖されていること。長いところでは南米などで閉鎖期間が5.5月に及ぶところもある。学校に行かない状況が長く続くと、女子や障害のある子ども、貧困層の子どもなどが再開後も学校に戻れず教育の機会が奪われることが危ぶまれる。

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各国で早期に実施された封鎖(ロックダウン)の影響で、経済活動が停止し、生計が成り立たなくなった貧困層が増えている。政府の緊縮財政による保健、教育サービスへのマイナス影響が懸念される。

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セーブ・ザ・チルドレンの事業もコロナ禍の影響を受けているが、世界44ヶ国で約50万人のコミニュニティ・ヘルスワーカーと地元行政と協力しながら事業を継続している。感染症、衛生、ワクチンに関する正しい情報を今後も伝達していく。



■アジアの事例:ロヒンギャ難民キャンプにおける子どもの保健事業

続いて、海外事業部の緊急・人道支援マネージャー福原真澄が、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプで展開している、プライマリーヘルスケアサービス事業について以下の点について話しました。

ロヒンギャ難民の
64%は普段、国連やNGOが運営する保健施設を利用しているが、経済的にも困窮する中、医療へのアクセスが十分でない状態。子どもたちの急性栄養不良率は11%で、これは世界平均7%、日本の2%と比べても高い数字となっている。また、長引く避難生活により17%の子どもたちが精神的負担の大きい状況に置かれている。

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本事業は、以下の3つのアプローチでロヒンギャ難民の健康状態の改善をめざすもの。のべ34,266人(うち半数が子ども)に支援を届けている。

1)
基本的な医療の提供:事業で育成した地域保健ボランティアによる家庭訪問を通じ、予防接種が必要な子ども、助産師の診察が必要な妊産婦、新型コロナウイルス感染の疑いがある人などへ切れ目のない支援を実施。ヘルスポスト(キャンプ内診療所)ではバングラデシュ保健家族福祉省と連携し医療サービスを提供。

2)
栄養支援:診療所内や家庭訪問にて母子の栄養状態のスクリーニング、栄養価の高い食料の提供や医療サービスに繋ぐ活動を実施。母乳育児の指導などの栄養教育、母親グループによる情報交換・助け合いの活動も実施。

3)
心理社会的支援:難民自身が実施できるリラックス方法の情報提供、心理的応急処置セッションの開催、精神保健ボランティアによる家庭訪問を実施。

今後の課題:新型コロナウイルス影響下で、感染予防対策を行いつつ、診療所の通常活動をどのように行っていくか、診察が必要な人が診療所の受診を控える傾向をいかに改善するか、など。


アフアフリカの事例:ケニア子どもたちの肺炎等病気予防事業

次に、海外事業部グローバル戦略ディレクターの塩畑真里子が
ケニアの首都ナイロビにおける地域のヘルスケアワーカー育成・能力強化による子どもの肺炎を予防・治療する事業について、以下の点を紹介しました。

ケニアでは人口の約
6割は農村に住んでいるが、近年、都市化の問題が深刻化。都市人口のうち56%が「インフォーマル居住区」で生活し、上下水道、電気などの基礎インフラも未整備で、教育・保健などの行政サービスもほとんど届かない状態。首都ナイロビには約100のインフォーマル居住区が存在している。

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ケニアの乳幼児の死亡原因の1位は肺炎で、治療法が確立されているにもかかわらず、劣悪な住環境と水衛生により、全国で毎年1万人の乳幼児が犠牲となっている。ナイロビの乳幼児死亡率は1,000人あたり55人(全国平均43)、インフォーマル居住区では80と農村部より高い状態。

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セーブ・ザ・チルドレンがナイロビのインフォーマル居住区において実施する事業は、以下のアプローチで実施し、5歳以下の子ども30,000人に支援を届けている。

1)
ヘルスケアワーカーの育成:インフォーマル居住区においてヘルスケアワーカーを育成。子どもの基礎的疾患を的確に把握し、該当する対応や治療に「繋ぐ」ための能力強化を実施。母乳育児や出産を施設で行うことの重要性を住民に啓発するなどの役割も担う。

2)
ケース・マネジメント:個々のケースにつき、早期の診断から、回復するまでの一連の流れの中で対応する「ケース・マネジメント」という手法を活用。ヘルスワーカーがクリニックなど施設での対応と定期的な自宅訪問を組み合わせながら、正しい診断と処方を行っていくことが子どもの命を左右する重要な対応となる。

3) 肺炎ケース・マネジメントの研修モジュール開発とガイドライン策定:支援をより効率的に・効果的に行うため、ケニア小児科協会の関連機関であるケニア小児科研究コンソーシアムと協力して実施。これをもとに300人のヘルスワーカーの能力強化を実施。

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今後の課題:新型コロナウイルス感染症の影響で、活動に遅延や変更が生じている。能力強化の研修は対面で実施できなくなったため、病院内にテレビを置き、遠隔で実施するなど工夫をしている。



参加企業の声

今回もランチタイムの
1時間という短い時間での開催でしたが、医薬品、医療機器メーカー、ヘルスケア分野に関連する企業などから35人が参加し、以下のような感想が寄せられました。

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アフリカの感染爆発と保健医療の状況、タイムリーなミャンマーの話題、NGOと企業の関わりなど、考えさせられる内容だった

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知らなかった世界の現状を知ることができ、また企業の支援状況を知ることができ、とても参考になった

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アジアやアフリカ地域で実際に行っているプロジェクトの詳細を聞くことができた。特に地域課題に沿った内容を伺えたのは興味深かった

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コロナ禍における支援の難しさを感じた。

セーブ・ザ・チルドレンは、サステナブルな社会の実現を企業の皆さまとともに考える場として、
今後もオンラインセミナーを開催していきます。

(報告:パートナーリレーションズ部 法人連携チーム 山田有理恵)

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セーブ・ザ・チルドレンは、毎年600以上の企業・団体の皆さまとさまざまな形で連携し、子どもたちを取り巻く課題解決のために、緊急・人道支援や教育、子どもの保護、保健・栄養などの分野で、日本を含む世界約120ヶ国で活動しています。これからも、企業の皆さまとも協力・連携しながら、子どもたちを取り巻く社会課題の解決に取り組んでいきます。

【企業・団体の皆さまからのお問い合わせ先】

社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 法人連携チーム
japan.corporatepartner@savethechildren.org

または下記までお電話でお問い合わせください。

TEL
03-6859-0010(東京)/06-6232-7000(大阪
https://www.savechildren.or.jp/partnership/


 

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