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提言・声明
(公開日:2022.01.19)

【ミャンマー】暴力と不処罰がない年となるように−2022年を迎えて

 
(セーブ・ザ・チルドレン 国際人道支援ディレクター ガブリエラ・ワイマンから新年のメッセージです)

昨年12月に起こったミャンマー軍による攻撃で、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフ2人を含む35人が犠牲になり、私たちは深い悲しみに打ちひしがれています。死亡した人たちの中には、4人の子どもが含まれており、一般人への攻撃を到底容認することはできません。

犠牲となった男性スタッフ2人は、それぞれ乳児を持つ32歳と28歳の父でもあり、昨年12月24日に、ミャンマー東部カヤー州での支援活動を終え、事務所へ戻る途中に攻撃を受け、死亡しました。軍の兵士は、人々を強制的に車から降ろし、4人の子どもたちを含む多くの人を拘束し、殺害して遺体を焼きました。

全世界のセーブ・ザ・チルドレンのスタッフは、12月25日にこの事実を知り、まるで家族を失ったかのような気持ちになり、共に涙しました。私たちは、世界120ヶ国で子ども支援をするひとつの「家族」といっても過言ではないからです。

私は、緊急・人道支援に携わって20年以上経ちます。この間、何百人もの仲間に出会ってきました。私たちは、非常に厳しい条件のもと、互いに密な連携をとりながら、絆を育んできました。私が一緒に働いてきた人たちのほとんどは、仕事に専念し、想像を絶する苦しみに巻き込まれた人たちの生活を改善したいという情熱を分かち合ってきました。惨状を目の当たりにし、凄惨な話を聞いてきましたが、人々のレジリエンス(回復力)にはいつも驚かされます。

支援関係者が直面するリスクは、ミャンマーのような国々に暮らす人たちが日々直面する危機とは比べものになりませんが、世界に57万人いると推定される支援関係者に対する攻撃をまとめたデータベース「Aid Worker Security Database(AWSD)」によると、2020年の死傷者数は484人と過去最高で、117人が死亡、242人が負傷、125人が誘拐されました。2013年以降、毎年100人以上の人道支援関係者が殺害されており、2020年には、犯罪的行為により支援関係者が攻撃された件数は、紛争関連で暴力を受けた支援関係者数を初めて上回りました。

このデータベースによると、人道支援関係者は、銃撃や暴力を受けたり、砲撃や爆発物、空爆にあっています。私は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された同僚をたくさん知っています。私たちのような組織は、スタッフにカウンセリングを行う一方で、リスクアセスメントや特別な装備、トレーニング、セキュリティプロトコルを用いて、スタッフの安全を担保するためにさまざまな対処をしています。
人道主義の重要性や必要性などはあらゆる文化や宗教で認められているにもかかわらず、なぜこうした事態に陥るのか、疑問を持たざるを得ません。支援関係者の保護は、国際人道法に関するジュネーブ条約、国際刑事裁判所のローマ規程国連安全保障理事会決議、国内刑事法などの具体的な規定にも明記されています。

人道法違反に対する訴追や制裁がほとんど行われず、不処罰が広がっていることを容認すれば、加害者への処罰がない状態になります。これは支援関係者にとっても危険ですが、それ以上に、紛争に巻き込まれ、国際社会が同様に保護する義務を負っている一般の人たちにとっても危険です。
罪のない一般市民や子どもたち、支援関係者に対する攻撃に対して、今こそ力を合わせ、立ち上がり、模範を示すべき時です。

また、国連安全保障理事会が直ちに招集され、ミャンマーで起こっていることに対する責任追及のために必要な措置と、加盟国は武器禁輸措置を講じるべきです。そして、東南アジア諸国連合(ASEAN)も、ミャンマーにおける暴力の即時停止と、ASEAN特使による外交的解決の促進を明記した、5項目の合意事項を見直し、行動するために招集されなければなりません。

セーブ・ザ・チルドレンのミャンマー事務所で支援活動に従事していたかけがえのないスタッフ2人や、過去10年間に殺害された1,170人以上の支援関係者のために、そして私たちが守るべき数百万人の人たちのために、私たちは今すぐ行動を起こさなければなりません。2022年は、拡大する暴力と不処罰が覆される年にしていく必要があるのです。

 

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