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インド
(公開日:2022.10.17)

【インド ビハール州】教育支援:学校での安心・安全な教育継続のための体制構築

 
インド北部のビハール州には約1億400万人が居住しており、そのうち約半数の4,700万人が子どもです¹。ビハール州は、洪水や干ばつ²などの自然災害が頻発している地域で2021年にも大規模な洪水が発生し、約270万人が影響を受けました³。また地震が多発している地域でもあり、包括的な災害対策が必要とされています。


洪水の影響を受けたビハール州の市街地

ビハール州の公立学校の約95%は都市部から離れたところにあり、災害の影響を受けやすくなっています。

災害の影響を受けた地域では、学校が一時的な避難場所として使用されることもあり、その場合、子どもたちの教育は中断され、学校が再開した後も通学を継続することができず退学してしまう生徒もいます⁴。

また、ビハール州では、新型コロナウイルス感染症が拡大したときにも閉校となり、その影響により2021年2月時点で約100万人の子どもが退学しました⁵。そうした状況に置かれた子どもは、児童婚や児童労働、暴力、搾取などのリスクに晒されやすくなります。

2021年6月1日より、セーブ・ザ・チルドレンは、ビハール州の公立学校30校を対象に、学校における安心・安全な教育継続のための体制構築支援事業を実施しています。

この支援は、2024年3月末までおよそ3年間にわたり実施し、今回は、2022年3月末までに行った1年目の活動について報告します。

自分の身を守るために地震や洪水などの災害時に取るべき行動や避難場所などについて災害前に知っておくことは非常に重要です。

そこで生徒を中心とした議論を通して災害時の安全確保に関してまとめた安全ハンドブックを作成し、教員や生徒へ内容を周知するワークショップを事業対象30校にて定期的に行いました。

この安全ハンドブックには、災害以外にも子どもたちが日々直面し得るリスクについて記載されており、子どもたちが自分たちの身を守るために取るべき行動について、包括的に理解を深めていくことが期待されます。


作成されたハンドブック

また、子どもたちが地震や火事、交通事故、暴力や虐待など身の回りにおけるさまざまなリスクについて認識し、行動できるよう各校へポスターなどの視覚教材を配布しました。

さらに、視覚障害がある生徒に情報が伝わるよう、各学校での会議やワークショップの時には、視覚教材の内容について共有も行われました。


配布された視覚教材


配布された視覚教材について話し合う生徒

また、教員339人に対して子どもの権利や子どもをあらゆる暴力から守るための活動(子どもの保護)、子どもが抱えるリスクの特定や対応に関する研修も行いました。

これらの研修を通し、各教員は体罰や虐待、搾取、児童労働、いじめ、暴力、交通事故など子どもたちに悪影響を及ぼし得るさまざまなリスクを発見し、対応することが期待されます。

養育者へは暴力に頼らないしつけやジェンダー規範、暴力の予防についての研修を実施し、1,500人が参加しました。

参加した養育者は、子どもたちが暴力に晒されないためのコミュニケーション手法や感情のコントロール方法などについて学びました。


養育者への研修の様子

加えて、学校が包括的に学校の安全対策を推進する役割を担えるよう生徒や教員、養育者、地域の行政職員から構成される学校運営委員会の活動支援を行いました。

これら学校運営委員会が中心となり、学校の内外において子どもの安全を脅かす潜在的なリスクを洗い出し、それらに対する対応方法の特定を行うリスクプロファイルを行ったほか、学校災害対応計画を作成しました。


学校周辺におけるリスクについて話し合いを行う学校運営委員会メンバー


リスクについて発表する子どもと学校運営委員会のメンバー

また、学校運営委員会の活動を支える組織として、学校安全委員会を設立し、責任と役割範囲についての研修を行い、250人が参加しました。

この学校安全委員会は学校の安全管理対策プロセスが適切に進められているかどうかを監督する役割を担っています。そして、学校の安全管理対策をより効率的に進めるため、生徒と教員によって構成された「啓発と情報」、「捜索と救助」、「ファーストエイド」、「防火」4分野におけるタスクフォースを形成しました。

それぞれのタスクフォースが災害発生前や発生時、発生後における対策を実施する役割を担っています。

事業期間中、新型コロナウイルス感染症の影響により数ヶ月にわたり2回休校となり活動に影響が生じましたが、教員や養育者と連携することで学校再開後の活動を順調に進めることができました。

2年次以降も引き続きこのような活動を通して、子どもたちが暴力などから守られ、安心・安全な環境で学習を継続することができるよう支援していきます。

本事業は皆様からのご寄付と、ソニー株式会社からのご支援により実施しています。

(海外事業部 小山光晶)

¹UNICEF “https://www.unicef.org/india/where-we-work/bihar
²Save the Children “India: Children and families struggle through yet another extreme heatwave
³Flood List “https://floodlist.com/asia/india-floods-bihar-august-2021-update
⁴Save the Children “WINGS 2022 - The World of India’s Girls: Spotlight on Adolescent Girls amid COVID-19” p.23-4
⁵The New Indian Express, 10 lakh school children dropped out from schools in Bihar due to Covid-19 lockdown: Data- The New Indian Express


 

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