ABOUT US

「おやこのミカタ」は
あなたの味方です

「おやこのミカタ」とは?

ミカタ=見方=味方

「おやこのミカタ」のコンセプトは、「子どもの見方(視点)に気付くこと」。

大人が一人の人間であると同様に、子どもも一人の人間。異なる人間同士なのですから、異なる望みや願いがあります。伝えたいことが伝わらない、子どもが何を考えているかわからない、あるいは、お互いにぶつかり合ってしまうこともあるでしょう。身近な存在の子どもであれば、なおさらです。そんなとき、相手の視点を知ることによって、新しい「親子コミュニケーション」が始まるかもしれません。

コミュニケーションは、相手への「伝え方」ではなく「伝わり方」を考える行為です。「おやこのミカタ」では、さまざまなコンテンツを通して子どもの見方を知ることができます。子どもがどんな状態で、どんな気持ちや考えを持っているのかを踏まえることで、あなたの伝えたいことが、子どもにどう伝わっているのかを考えるヒントになるかもしれません。

子どもの見方を理解して子どもとつきあうことは、子どもを一人の人間として尊重する、「子どもの権利」を大切にすることにもつながります。

一方通行の「しつけ」から、思いが伝わりあう親子の「つきあい方」へ。「おやこのミカタ」で、親子のコミュニケーションを考えてみませんか。

子どもの「見方(みかた)」を知ることで、子どもの「味方(みかた)」になれるように。

そして、私たちが「おやこの味方(みかた)」になれたら・・・。

そんな思いがたくさん詰まった「おやこのミカタ」です。

動画「おやこのミカタ」の
ミカタ

動画「おやこのミカタ」を見てどんなことを思いましたか。

「そうそう、うちも!」、「うちはちょっと違うかなぁ」、「昔はそんなこともあったな」など、いろいろな思いが浮かんだかもしれません。私たちは、この動画をつくるとき、2歳半の子どもの認知・発達段階をもとにしながら、日常の中で起こりうる場面をストーリーとしてつなぎ合わせていきました。

動画を通して、自分や誰かの視点(ミカタ)を振り返るきっかけになればと思っています。

このページでは、動画に入りきらなかったママの葛藤とボクの気持ち、また、子どもとの関わり方のヒントを紹介します。

ママの葛藤とボクの気持ち

ミカタのヒント

異なる気持ちを持っているということ
同じ状況でも、子どもと大人の気持ちは異なります。違いがあることを前提に、それぞれの子どもの状況や気持ちを理解してみましょう。
言葉になっていないメッセージに気付くこと
まだ言葉で気持ちを適切に伝えられない時期は、子どもの態度や「やだ!」という表現の中に、いろいろな気持ちが隠されていることに思いを巡らせましょう。言葉や態度など、さまざまな方法で子どもが発しているメッセージを受け取れるように心がけましょう。
必要なサポートを見つけること
特に幼児期は、別の行動に移るために気持ちを切り替えるのに時間が必要なことがあります。子どもが次の行動に移れるように少し待ったり、気分を変える手伝いをするなど、いろいろなサポートを工夫してみましょう。

「ママのミカタ」編

たくさんの思いから、
ボクを怒鳴ってしまったママの気持ち

私の息子(ボク)は、2歳を過ぎた頃から「イヤだ」ということが増えてきた。
昨日も、「ニンジン、やだ!」と食べようとしないから、栄養バランスだって気になるし、かわいそうだけど無理に食べさせてしまった。

今夜は、ボクが好きなカレーにしよう。喜んでたくさん食べてくれると良いな。
よし、ボクがお昼寝をしているうちに家事を済ませて、起きたら一緒にスーパーにカレールーを買いに行こう。

おっと、ボクが起きてきちゃった!
買い物に行く前に洗濯物を取り込んで、たたんで、アイロンをかけて家事を一段落させたいのに・・・。

ボクが一人で遊んでいる間にやれば良いか。・・・そうだ!絵を描いていてもらおう。
「ねぇ、お絵描きする?」と言葉をかける。「するー!」とぱっと明るい表情のボク。

ボクは、すぐにクレヨンのお絵描きに夢中になっていく。良かった、楽しそう!
今のうちに家事を片づけちゃおう!

お絵描きと積み木を行ったり来たりして遊んでいるボクを
時々見に行きながら、家事を進める私。

しまった、気付いたらもう5時!ボクに「さぁ、お買い物行くわよー!」と声をかける。
「えっ!やだ」。むむ…また始まったか。これは、出かけるのに手がかかるかも。

「やだ、じゃないわよ!ほら、お絵描きはおしまい」と出かける準備をしたい私。

「やだやだやだー!」とボクは頑なに動かない。
「もう、ママを困らせないで!早く準備して!」今、買い物に行かないと夕飯の準備が遅くなっちゃうじゃない!

「なんで言うこときかないの!じゃあ、一人でお家で待ってなさい!」もちろん置いていくつもりはないけど、言ってしまった。

途端に、ボクの顔がびっくりした顔になり、怒りの顔になり、泣き顔に。
「うわああああああああん」と大声で泣き出してしまった。
しまった!イライラすると怒りが抑えられなくて、つい、怒鳴っちゃった。

泣き声を聞いているだけで、イライラする。
これ以上、怒りをぶつけないようにしないとと思って、いったんボクから離れて、マフラーとジャケットを取りにいく。

散歩に行くときは、自分で進んで着るのに、今日は自分で着ようとしない。
もうっ、手がかかる!と思いながら、なんとか着させる。

自分の準備もしないといけないので、先に靴を履くように伝える。
「ほら、泣いてないで、靴を履こう」

自分の支度をして玄関に行くと、ボクは靴を履くのに時間がかかっている。
あぁ、もう5時半近くになってきちゃった!もうっ。

「ほら、靴を貸して」と私。ボクはまだ泣きべそをかいている。
「はい、できた。行くよ」と投げつけるように言ってしまった。

「ボク(2歳半)のミカタ」編

たくさんの思いから泣いてしまった、
ボクの気持ち

ボクはクレヨンが大好きだ。クレヨンで絵を描きながら、こんな色はどうだろう?
あの色をここに付けたら、どんな絵になるだろう?とワクワクする。

今日のお昼寝のあと、「お絵描きする?」とママが聞く。
ボクはうれしくなって、すぐに「するー!」と言って描き始めた。

いろんなクレヨンでぐるぐるーっと描き足していく。
でも、すぐ飽きてきちゃったから、積み木で、遊ぼうっと。うまく積み上げられるかな。

「ママー!」と呼ぶとママがすぐ見に来てくれる。
ボクが積み木を倒すと、ママは変な顔して「あれー」っていう。それが楽しくて何度も遊ぶ。

今度はまた、クレヨンで遊ぼう。紙にグルグルたくさん描くんだ。あ、紙がくしゃくしゃになっちゃった。
もっとくしゃくしゃにしたらどうかな?くしゃくしゃの紙にまた描いてみる。
楽しくなってきた。

「さぁ、お買い物行くわよー!」とママ。

え!!なんで急に!!行きたくない。
「やだ」。だってボクはこの絵を、今、描いてるんだよ。まだまだ途中なんだ。もう少しで出来上がるんだ。

「やだ、じゃないわよ!ほら、お絵描きはおしまい」
「やだ!」 今ボクはこれがやりたいの!クレヨンの絵を完成させたいの!

「もう、ママを困らせないで!早く準備して!」と、ママが怖い顔になってきた。
違うよ、ママ。困らせたいんじゃないんだ!もっと絵を描きたいの。
「やだやだやだー!」

「なんで言うこときかないの!一人でお家で待ってなさい!」とママは声を荒げる。

え、うそ。ボクを置いてどこかに行ってしまうの?
どうして?寂しくて不安になるよ。ママ、ボクのこと嫌いになったの?やだ、やだ。ママ、ボクのこと嫌いにはならないで。

「ううううわあああああああああん」 ボクはこころが痛くて泣き出した。
悲しいよ。つらいよ。どうしたら良いかわからない。

「もう、泣かないでよー。ほら準備して」
ボクだって泣きたくないんだ。でも、涙が止まらないんだ。

ママはボクからクレヨンを取り上げた。クレヨンはしまわれちゃったよ。
ボクは悲しくて、泣き続ける。ママは少しイライラした表情で、ジャケットとマフラーを持ってきてボクに着させる。

泣き続けるボク。まだ絵を描きたかっただけなんだ。
「ほら、泣いてないで、靴を履こう」
悲しみがこころに広がっている。ママはボクが嫌いになっちゃったのかな。

「もたもたしてないで、ちゃんとできるでしょう」
早く靴を履かないと、ママに怒られちゃう。でも、本当はお出かけしたくないし、うまく履けない。
やっと靴を履けるようになってきたけど、まだ時間がかかるんだよ。

えっと、うんと…。
「ほら、靴を貸して」とママ。「はいできた。行くよ」


作成協力/認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事 髙祖常子