マダガスカル(公開日:2026.09.29)
【マダガスカル 前編・生計向上支援】栄養事業2年次が完了
2024年から開始したマナンジャリー郡、ヌシヴァリカ郡における栄養事業の2年次が完了しました。その成果を前編・後編に分けてご報告します。
マダガスカル南東部に位置するマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡は毎年12〜4月のサイクロンの影響により、主産業である農業が被害を受けています。そのため安定的に食料を確保することが難しく、子どもの栄養不良が深刻な課題となっています。
また、人口の大半の人々が住む村は、保健センターがある町から遠く、交通手段も限られているため、受診には高いハードルがあります。このため、日頃から家族が子どもの栄養に注意を払い、栄養不良の予防に努める必要があることに加え、もしも栄養不良となった場合に適切に対処できるよう、村の人々と保健センターの連携が必要です。
これらの課題の解決に向けて、セーブ・ザ・チルドレンでは、食料を確保するための「生計向上支援」と地域全体で子どもの栄養を守るための「栄養改善支援」を行ってきました。今回は「生計向上支援」の成果についてお伝えします。
生計向上支援
事業対象地のマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡の8つの村では、多くの農家がこれまで代々受け継がれてきた農法を続けており、最新の農業技術を体系だって学ぶ機会が限られていたため、より効果的に農業を実践できるように、農家リーダー240人を育成しました。研修では、農作物の生産方法(農場の整備や害虫管理、堆肥化、栽培方法)、農作物の保存・処理方法、そして販売方法(市場分析、価格設定、マーケティング)などを指導しました。また、より幅広い作物を育てられるように、地域環境に適した野菜(白インゲン豆、ズッキーニ、トマト)と家畜(鶏、豚)の育成方法についても取り上げました。農家リーダーは周辺の農家に指導を行い、地域全体で農業技術が向上しました。これにより、指導を受けた農家のうち84%で生産量が向上しました。
また、村では金融サービスの利用機会が限られていることから、これらの農家を対象に貯蓄貸付組合の立ち上げを支援しました。農家は組合を通じて貯蓄したり、融資を受けられたりするようになり、必要な農機具の購入や、家族の医療費、子どもの教育費を賄うことができるようになりました。
村では野菜などの種子を販売しているコミューン(県の下にあるマダガスカル行政単位)まで遠いため、農家が作物の種子を購入することが困難です。農家リーダー240人のうち27人を種子生産者として育成し、種子を地域で生産・供給できる仕組みも作りました。また、サイクロンから種子を守るための倉庫も建設しました。これにより、地域で種子が手に入りやすくなり、事業対象地である8つの村以外の農家からも注目を集めています。
さらに、畑をサイクロンから守るため、畑の周囲に樹木を植栽する農林業(アグロフォレストリー)にも取り組みました。8つの村で総勢1,968人が参加し、30ヘクタールにわたり合計2万6,000本の植樹が実施されました。
アグロフォレストリーは、気候変動の影響を受けて自然災害の被害が大きいマダガスカルで重要な役割を担っています。この活動に関連し、地域の子どもが気候変動について学び、発信するワークショップも開催しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、農地を持っていない青少年215人を対象に、農業以外の生計手段の獲得支援を行いました。青少年たちは、これまでに定職についたことがなく、将来についても考えたことがありませんでした。そのため、3ヶ月間かけて、将来について考えるためのワークショップを実施しました。
その後、起業する意思のある青少年191人に対して、家畜飼育、裁縫、製パン、小売店、農業、ITなどの技術研修を実施しました。最終的に条件を満たした事業計画書を作成・提出した159人に事業資金の提供を行い、起業を支援しました。
このように、生計向上支援をすることで、地域の人々がより安定的に食料を確保する基盤を整えることができました。後編では、栄養改善支援についてお伝えします。
本事業は、「日本NGO連携無償資金協力」からのご支援と個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。
海外事業部マダガスカル駐在員
【SCサポートへのご寄付をお願いします】
「子どもを誰ひとり取り残さない。」そのためには、中長期にわたり子どもたちを支え続ける仲間が必要です。
https://x.gd/J6rnL
*プライバシー保護のため名前は変更されています。
マダガスカル南東部に位置するマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡は毎年12〜4月のサイクロンの影響により、主産業である農業が被害を受けています。そのため安定的に食料を確保することが難しく、子どもの栄養不良が深刻な課題となっています。
また、人口の大半の人々が住む村は、保健センターがある町から遠く、交通手段も限られているため、受診には高いハードルがあります。このため、日頃から家族が子どもの栄養に注意を払い、栄養不良の予防に努める必要があることに加え、もしも栄養不良となった場合に適切に対処できるよう、村の人々と保健センターの連携が必要です。
これらの課題の解決に向けて、セーブ・ザ・チルドレンでは、食料を確保するための「生計向上支援」と地域全体で子どもの栄養を守るための「栄養改善支援」を行ってきました。今回は「生計向上支援」の成果についてお伝えします。
生計向上支援
事業対象地のマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡の8つの村では、多くの農家がこれまで代々受け継がれてきた農法を続けており、最新の農業技術を体系だって学ぶ機会が限られていたため、より効果的に農業を実践できるように、農家リーダー240人を育成しました。研修では、農作物の生産方法(農場の整備や害虫管理、堆肥化、栽培方法)、農作物の保存・処理方法、そして販売方法(市場分析、価格設定、マーケティング)などを指導しました。また、より幅広い作物を育てられるように、地域環境に適した野菜(白インゲン豆、ズッキーニ、トマト)と家畜(鶏、豚)の育成方法についても取り上げました。農家リーダーは周辺の農家に指導を行い、地域全体で農業技術が向上しました。これにより、指導を受けた農家のうち84%で生産量が向上しました。
また、村では金融サービスの利用機会が限られていることから、これらの農家を対象に貯蓄貸付組合の立ち上げを支援しました。農家は組合を通じて貯蓄したり、融資を受けられたりするようになり、必要な農機具の購入や、家族の医療費、子どもの教育費を賄うことができるようになりました。
村では野菜などの種子を販売しているコミューン(県の下にあるマダガスカル行政単位)まで遠いため、農家が作物の種子を購入することが困難です。農家リーダー240人のうち27人を種子生産者として育成し、種子を地域で生産・供給できる仕組みも作りました。また、サイクロンから種子を守るための倉庫も建設しました。これにより、地域で種子が手に入りやすくなり、事業対象地である8つの村以外の農家からも注目を集めています。
さらに、畑をサイクロンから守るため、畑の周囲に樹木を植栽する農林業(アグロフォレストリー)にも取り組みました。8つの村で総勢1,968人が参加し、30ヘクタールにわたり合計2万6,000本の植樹が実施されました。
アグロフォレストリーは、気候変動の影響を受けて自然災害の被害が大きいマダガスカルで重要な役割を担っています。この活動に関連し、地域の子どもが気候変動について学び、発信するワークショップも開催しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、農地を持っていない青少年215人を対象に、農業以外の生計手段の獲得支援を行いました。青少年たちは、これまでに定職についたことがなく、将来についても考えたことがありませんでした。そのため、3ヶ月間かけて、将来について考えるためのワークショップを実施しました。
その後、起業する意思のある青少年191人に対して、家畜飼育、裁縫、製パン、小売店、農業、ITなどの技術研修を実施しました。最終的に条件を満たした事業計画書を作成・提出した159人に事業資金の提供を行い、起業を支援しました。
このように、生計向上支援をすることで、地域の人々がより安定的に食料を確保する基盤を整えることができました。後編では、栄養改善支援についてお伝えします。
本事業は、「日本NGO連携無償資金協力」からのご支援と個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。
海外事業部マダガスカル駐在員
【SCサポートへのご寄付をお願いします】
「子どもを誰ひとり取り残さない。」そのためには、中長期にわたり子どもたちを支え続ける仲間が必要です。
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*プライバシー保護のため名前は変更されています。




