マリアン・バーナーさん
イケアの商品の一つ、インドの女性による手刺繍のタペストリーの前で。
イケアのソーシャル・イニシアティブ 〜世界で一番大切なのは子ども〜
イケアの理念は「より快適な日々をより多くの人に提供すること」で、「世界で一番大切なのは、子どもたち」だと考えていますので、子ども向けの商品については、子どもの発達段階や安全性を重視して企画しています。イケアのビジネスと、企業として取り組む社会的なプロジェクト“ソーシャル・イニシアティブ”をつなぐのも「子ども」です。ソーシャル・イニシアティブは、子どもたちの権利を守り、子どもたちが人生のより良いスタートを切れるよう支援することを目的としています。
2005年にソーシャル・イニシアティブを開始するにあたり、子どもに関わる3つの分野:「子どもの健康」、「子どもの教育と保護」、そして「女性のエンパワーメント」に包括的に取り組むことを決めました。現在、1億人の子どもたちがプロジェクトの恩恵を受けています。
スタッフのコミットメントと熱意が成功のカギ、ソフトトイ・キャンペーン
ソーシャル・イニシアティブの活動の資金源の一つが、店舗でお客様の参加によって実施される「ソフトトイ・キャンペーン」です。世界で約300あるイケアの全店舗で期間中のソフトトイ売り上げ1個に対し1ユーロが寄付され、アフリカ、アジア、東ヨーロッパの多くの子どもたちの教育改善のためのプログラムに活用されています。2003年から始まったキャンペーンは、これまでに合計2,380万ユーロ(約26億1,800万円)がセーブ・ザ・チルドレンとユニセフに寄付され、年々寄付額は拡大しています。今年は1,000万ユーロ(約11億円)を目標に掲げています。
このキャンペーンが成功している理由の一つは、従業員がキャンペーンに対して大きなモチベーションとコミットメントを感じ、熱意をもって参加していることです。また、お客様にとっても、ソフトトイを購入することにより子どもたちの支援に参加できる機会と捉えられていることは、好調な売り上げ結果に反映されていると思います。
イケアの店頭でキャンペーンのPRをするSCJスタッフ
ソフトトイ・キャンペーンはまた、セーブ・ザ・チルドレンやユニセフが教育の重要性や、プログラムがもたらしている成果を従業員やお客様に伝える場でもあります。イケアが単にパートナーにお金を寄付するだけでなく、その使い方についても密接に関わることによって、背景のストーリーや子どもたちの生活にどのような変化をもたらしているかが見えやすくなり、従業員やお客様が賛同しやすいのだと思います。
セーブ・ザ・チルドレンとの長期的パートナーシップ
イケアとセーブ・ザ・チルドレンのパートナーシップは、多くの商品の生産現場である南アジアの児童労働の問題にイケアが直面していた1990年代、児童労働に関する行動規範の策定にセーブ・ザ・チルドレン・スウェーデンが深く関わったことから始まりました。以来、イケアはセーブ・ザ・チルドレンおよびユニセフをパートナーとして主に南アジアにおける児童労働の根本的な問題に取り組んできました。専門的な知識と能力を備え、世界規模レベルで子どもの権利向上に取り組み、かつ地域に密着して活動できる団体として、互いへの信頼感や透明性に基づいた長期的なパートナーシップを築いています。
イケアのCSRの発想は、スウェーデンの国民性?
スウェーデンをはじめとしたスカンジナビアの国々の企業は、一般的に環境への意識が高いとされますが、イケアのCSRは設立以来醸成され、共有されてきた独自の価値観に基づく「イケア・マインド」だと言えます。生産現場での児童労働などの問題解決のために専門性を持つパートナーと共にじっくりと真正面から取り組み、プロセスを重視する姿勢は、イケア特有の風土であると考えます。
日本のみなさん、もっと知ってください!
セーブ・ザ・チルドレンが子どもを個々の人格として尊重し、プロジェクトの計画から実行に至るまで子ども自身が参加し、変化を自ら作り出せるような機会を提供する姿勢や方法は大変ユニークで素晴らしいものです。それはいっしょに活動する私たちにとっても、大きな誇りと信頼をもたらしています。ぜひ日本のみなさんにも、そのことをもっと知ってほしいと思います。
2010年10月28日