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モンゴル
(公開日:2019.03.20)

モンゴルにおける「インクルーシブ教育推進事業」のご紹介

 
モンゴル事務所では、多様なニーズを持つ子どもを受け入れる教育環境の整備を目指し、2018年3月から「誰一人取り残さないインクルーシブ教育推進事業」を実施しています。

モンゴルでは、2017年時点で、小学校に通う子どもの割合は、98%に達しているものの、貧困を含めた経済的困窮、障害、病気、家庭内暴力、児童労働、言語の壁といった課題を抱えると、学校に通うことがより難しくなると言われています。教育格差が将来にわたる経済格差につながることのないよう、すべての子どもが自身の置かれた環境にかかわらず、平等に教育機会を得るための支援が必要になっています。また、単に子どもに通学を促すのみでなく、質の高い教育を継続的に受けられる環境を整備することも重要です。

しかしながら、モンゴルでは、経済的困難や障害といった多様なニーズを持つ子どもをすべて受け入れるための学校設備や教師の受け入れ体制において、まだ対応が不十分で改善の余地が大きいことが明らかになっています。また、複雑な課題を抱える子どもたちの受け皿とされる、モンゴル政府運営の「生涯学習センター」にも同様の問題があり、解決されるべき子どもや家庭の課題などへの対応もままならない状況が続いています。

足が不自由な子どもには、階段を上っての通学は困難を伴う。(2018年9月撮影)



写真2: ウブルハンガイ県の生涯学習センターの教室の様子。1人の教師が、
経済的困窮や障害などさまざまな課題を持つ子どもを複式学級で受け持つ。(2018年9月撮影)


このような状況を改善していくため、私たちは、首都のウランバートル市、中央に位置するウブルハンガイ県と、国の西端に位置するホブド県において、合計8の公立小学校と生涯学習センター8学級を対象に、2018年3月から活動を行っています。活動の実施にあたり、モンゴルの教育省や地方行政の職員から、大学・教員養成機関、学校や生涯学習センターの教職員まで、幅広い事業関係者と連携しています。


地図:事業対象地の位置

ウランバートル市内の事業対象地は、ゲル地区と呼ばれる地域にあります。ゲル地区は、ウランバートル市の周縁部にあり、都市部での職を求めて地方から移住してきた人々が多数居住する地域です。急速に人口が増えたため、水道や電気などのインフラも未整備で、学校はあっても、生徒数が多く、通常、二部制や三部制で授業が行われています。地方の対象地であるウブルハンガイ県とホブド県は、就学している子どもの人数、および生涯学習センターの生徒数が他県に比べ比較的多く、高い貧困率が課題となっています。


写真3:ウランバートルのゲル地区の様子 (2018年9月撮影)


この事業では、公立小学校、生涯学習センター、地域社会・保護者、政策決定者を主な対象として、以下のような活動を実施します。

1. 公立小学校の教師が、個別支援を必要とする子どもを適切に指導できるようになるため、体制強化、教師への指導法研修の実施、生涯学習センターとの交流活動の促進、設備の整備に取り組みます。
2. 生涯学習センターに通う子どもたちが公立小学校へ復学・編入するための教員研修の実施、公立小学校との交流活動の促進や設備の整備に取り組み、さらに学校、生涯学習センターいずれにも通っていない子どもの就学を促進するための家庭訪問を実施します。
3. 保護者や地域住民を対象に、インクルーシブ教育についての認知向上を目指す啓発活動を行います。
4. 事業成果が効果的に持続することを目指し、教育省を始めとする政策決定者に対し政策提言を行うため、政策決定者を含む事業関係者から成る委員会を形成します。


昨年、ウランバートルへ赴任をしてからこれまで、さまざまな事業関係者と関わってきましたが、どの方もインクルーシブ教育の推進に対して、とても意欲的であるように感じます。ある地方の教育省職員は「インクルーシブ教育を長期的に続けていきたいという思いで、私たちもこの事業に参加しています」と、はつらつとした表情で話していました。現場で一緒に活動を行う人から私たちもパワーを受け取りながら、日々の事業に取り組んでいきます。

本事業の進捗は、今後もブログでお伝えしていきます。本事業は皆さまからのご寄付と、日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。
(報告:モンゴル駐在員 大場 ありさ)





 

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