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中東
(公開日:2020.08.28)

レバノン大規模爆発から2週間 復興に向けて 被災家族への緊急支援の必要性

 
2020年8月4日にレバノンの首都ベイルートで起きた大規模爆発から2週間が経過しました。セーブ・ザ・チルドレンは、被害を受けた多くの脆弱な家庭が喫緊の支援を必要としていると警鐘を鳴らします。


こどもひろばの様子

多くの家庭は依然として激しい損傷を受けた住居に暮らし、基本的な保健医療サービスの利用も限られている状況です。

セーブ・ザ・チルドレンは、最も支援を必要としている人たちのために、ベイルートでの支援を拡大しました。損傷が激しい住居に住む734世帯にシェルターキットを提供しました。また、子どもたちが安心して遊んだり友人と交流したりすることができるように「こどもひろば」を開設したほか、245人の大人と子どもたちに対して心理的応急処置(こころのケア)の提供と、最も脆弱な人々に4,800食のあたたかい食事と食料ボックスを提供しました。

多くの青年ボランティアや、地域に根差したNPO/NGOが、被害を受けたコミュニティの支援に精一杯取り組んでいるものの、爆発による被害規模は大きく、そして支援ニーズの高さも甚大です。セーブ・ザ・チルドレンは、人々が安心して住むことのできる場所が提供され、医療とこころのケアが利用できるように、さらなる支援が早急に必要であると訴えます。

最も被害を受けた10地域に居住する470世帯を対象に実施した調査結果から、住民が直面する凄惨な現実が浮かび上がってきました。本調査は、爆発1週間後に実施されたものであり、ベイルート港から半径4キロメートル以内に居住する住民を対象としています。調査結果からは以下のようなことが明らかになりました。

  • ・4家族に1家族(24%)が、医療にアクセスできず、その多くが日常的な治療や薬を諦めざるを得ない。
  • ・17%の住居の天井が破壊されているほか、11%の家屋では梁が壊れ、26%はバルコニーに損傷がある。
  • ・18人の子どもたちが、一時的に両親と離ればなれになっている、あるいは大人に付き添われていない状況になっている。
  • ・32%の家族が、精神保健・心理社会的支援(こころのケア)の必要性を訴えている。


調査結果からは、今回発生した爆発と、レバノンにおける過去1年間の経済危機による影響が重なり合いこのような悲惨な状態になったことが分かりました。爆発による被害を受けた世帯の4分の1が、収入を得る人がいなかった、あるいはいない世帯であり、貯金があった世帯は6%のみでした。

ソニアさん(8歳)は、誕生日ケーキのろうそくを吹き消し、ケーキを近所に届けに行った時に、爆発が起こりました。「泣き続けました。怖かったです。お父さんのことが心配でした。(家の中で)壁が壊れてしまいました・・・そして、これが台所で、これが居間ですが、どちらも壊れてしまいました。」


ソニアさん(8歳)


ソニアさんの誕生日祝いの様子が残されているビデオ

ソニアさんのお母さんは次のように話します。

「ソニアは下の階に行って、父が大丈夫かを確認したがり、激しく泣きじゃくりました。もう乗り越えたと思いますが、こうした体験は、子どもたちの心理的状態を変えうるものだと思います。娘は、爆発について話したがらず、『(記憶が)お母さんの心から出ていきますように』と言っています。私が知るすべての子どもたちは、彼らと向き合い、気持ちやこの状態を変えてくれるような人を必要としていると思います。」


こどもひろばで遊ぶソニアさんの様子


人々が緊急または、日常的な治療を受けられない原因は、病院の満床と、高額な私立病院での医療です。なかでも、妊婦や、子ども、障害のある人たちは、特に脆弱な立場に置かれています。セーブ・ザ・チルドレンがインタビューした人たちの半数以上(55%)は、家族のなかに慢性疾患のある人や重篤な病状の人が平均2人いると回答しています。


ベイルート在住のジュリエットさん(84歳)は、次のように話します。

「私は、こんな状況を見たことがありません。自国のこのような被害を見るのは、ひどい経験です。亡くなった若い世代や、家が破壊されてしまった人たちにとっても、恐ろしいことだったに違いありません。

私の9歳の孫は、母親や父親が外に行くのを許そうとしません。母親は仕事に行かなくてはならないのですが、行かせたくないので、『もしお母さんが死んでしまったら、どうするの。誰が私たちを育ててくれるの』と話します。9歳の男の子が、そう話すのです。恐ろしいことです。私は、一体何が起きたのか、未だによく分かっていません。」

セーブ・ザ・チルドレンは、直近のレバノンにおける新型コロナウイルス感染症感染者の急増は、最も脆弱な立場に置かれた人たちをはじめ、再び支援ニーズが高まる事態を招きかねないと懸念しています。

セーブ・ザ・チルドレン レバノン事務所代表 ジャド・サクールは次の通り話します。
「今回の爆発は、裕福な人も貧しい人も、皆が被害を受けています。現場は片付いてきましたが、ベイルート在住の人々が直面する壊滅的な影響は始まったばかりです。

多くは、家を修復する経済的余裕はなく、今は、食料や住居の修繕、子どもたちの治療に必要な薬を購入するなど、わずかな所持金を何に費やすべきか優先順位をつけて過ごしていると話します。

セーブ・ザ・チルドレンや、他の支援団体、そしてボランティアの人たちは、彼らがこのような厳しい選択をする必要がないように、支援を展開しています。これは国家的災害であり、長い復興に向けた道のりの最初の一歩を踏み出すべく、団結した努力が必要になるのです―その道のりは、いま始まったばかりです。」

 

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