南スーダンでは、現在、人口の約6割に当たる700万人近くが深刻な食料不足に直面しています[i]。また、「総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification：IPC)」の発表では、2018年9月の南スーダンの和平促進に関する新合意への調印以降、深刻な食料不足に直面する人たちが100万人近く増加しています。

干ばつの深刻化により食料不足に陥っているエチオピアやケニア、ソマリアと異なり、南スーダンにおける食料不足は、国内で続く紛争が直接関係しています。紛争によって、農作業や日常生活を送ることができなくなり、また避難を強いられる人も増えています[ii]。


昨年9月の新合意調印は、数百万人の子どもたちとその家族に希望をもたらした一方、最新の報告では、そうした期待とは真逆の状況にあることが明らかになっています。和平プロセスの促進には、南スーダン政府および国際社会からのさらなる協力が必要だということは、最近の食料危機の状況や、未だに続く暴力行為からも明らかです。

国連は、南スーダンにおける人権状況の改善を認めていますが、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)は、少なくとも99人の少女と女性がレイプやその他の形態の性暴力を受けたと報告しています[iii]。

南スーダン南部出身のマリーさん(29歳)は、5人の子どもがいます。末娘ソフィアさん(2歳)は、先日、重度急性栄養不良と診断され、セーブ・ザ・チルドレンの支援により、飢餓寸前の状態から回復し始めています。

母のマリーさんは次の通り話します。「子どもたちに食べさせるものが全く無くなった時とても悲しかったです。私と夫は、おかゆ用の小麦粉を買うお金がないときもあります。家族は、時々空腹のまま眠ることもあります。お腹が空いたと泣く子どもたちを見るのはつらいです。朝のおかゆを食べてから、夜までなにも口にできない日もあります。そんなときは、茂みに生える苦みのある野菜を採ってきて、夕食とするのです」