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ベトナム
(公開日:2020.10.16)

【ベトナム栄養事業】世界食料デー 山岳地域の子どもたちの健康的な食と栄養を確保するために(1)

 
毎年10月16日は、世界の飢餓問題や食料課題について考え解決を目指す「世界食料デー」です。そして、持続可能な開発目標(SDGs)の目標2は飢餓をなくすことを目指した「飢餓をゼロに」。世界から飢餓をなくし、食料の安定確保と栄養状態を改善するために、世界各地で、特に5歳未満の子どもや妊産婦への栄養支援のニーズが高まっています。

加えて、国連世界食糧計画(WFP)の発表によると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、世界で深刻な食料不足に直面する人々の数は、2019年の1 億 3,500万人から 2020年末までに2 億6,500 万人と2倍に増加すると予想されています。1


世界的な飢餓ゼロに向けた取り組みを進める世界食料デーに合わせ、セーブ・ザ・チルドレンが2017年からベトナムで行う栄養事業について報告します。

私たちが、ベトナム北部の山岳地域(イェンバイ省及びソンラ省内の4郡)で、子どもの健康的な食と栄養を確保するための包括的な栄養事業を開始してから今年で3年目になります。

ベトナムは、都市部と農村部で貧富の格差が激しく、5歳未満の子どもの発育阻害率(年齢に応じた身長に満たない)の全国平均が約25%であるのに対し、山岳地帯では約54%、2人に1人が栄養不良の状態にあります。

この要因として、各世帯が農業や栄養に関する学習の機会が限られているため、適切な作物の栽培、家畜の飼育ができず栄養価の高い食料が農村部では手に入りづらいということがあります。食料の不足は、発育阻害や慢性的な栄養不良などを招き、子どもの健康的な発育を妨げ、学習面や生活面で生涯にわたり影響を及ぼします。


私たちは、食料確保の支援(農業支援)と母子保健サービスの改善(保健支援)の両面からの支援を通じて、母親と5歳未満の子どもの栄養不良の改善を目指しています。

農業支援と保健支援を一緒に行う理由は、農業支援を通じて食料の確保と食事内容の多様化をはかり、そして、保健支援を通じた保健医療施設での母親への産前健診および産後の保健指導、村の保健スタッフの定期的な巡回指導などで母乳育児の重要性や離乳食を通じた適切な栄養摂取などに関する知識を持ってもらうことで、多角的に栄養状態を改善しようという農業と保健支援の相乗効果を狙いました。

今回の記事では、特に、農業分野での支援と地元の政府機関への働きかけについて紹介します。次回の記事では、保健分野での取組みを紹介します。

農業支援では、家庭菜園づくりや有機たい肥づくり、鶏の飼育法改善などを支援しています。家庭菜園では少なくとも4種類の野菜を栽培することやたい肥作りの指導と活用を通して、多様な野菜を栽培することを可能にします。鶏の飼育法改善では、食事で卵を摂取することによるタンパク質の確保を目指し、薬の投与によるヒヨコの病気予防やエサの配合方法などの指導を行っています。


事業で作成したリーフレット例

安定的な野菜の収穫と、定期的に卵を食べられるようになることで、日々の食事内容と栄養源が多様化します。そして、バランスの取れた食事がとれるようになることは、各世帯での栄養改善につながります。

家庭菜園づくりの技術指導を受けた、少数民族の女性ホアン・チ・タオさんは「野菜を育てる家庭菜園と有機たい肥作りに参加したおかげで、以前よりも多くの野菜を育てられるようになりました。収穫した野菜は子どもたちや家族の食事になっています。」と話します。

また、農業支援では、現地の少数民族が日常的に食べている伝統的な食材の研究を行い、現地の人々が毎日の食事に取り入れやすく、栄養価の高いメニューづくりを指導できるように活動を行っていきます。

これまでに約1,600世帯の農家が、習得した技術を活用して、収穫されたコメや野菜などの作物を日々の食事に取り入れています。

この事業では、事業が終わるときに2歳未満の乳幼児が1回の食事で4種類以上の品目を食べられるようにすることを目指しています。また、事業終了後も家庭菜園づくりの技術指導などが地域で継続されるよう、事業対象地の地方行政(省レベル)が策定する農業分野の5ヶ年戦略に予算が盛り込まれることを目指し、現地の地方政府と定期的な会合を開催しています。


セーブ・ザ・チルドレンは、脆弱な状況に置かれた最貧困層のための食料確保と栄養改善に取り組むとともに、2021年に日本政府が主催する「東京栄養サミット」に向けて、各国政府やその他のステークホルダーに対し、栄養不良を終わらせるための継続的な取組みとコミットメントを呼びかけます。

ベトナムでの栄養事業は、皆様からのご寄付と、世界銀行の日本社会開発基金(Japan Social Development Fund)からの助成、日本の民間企業からのご支援により実施しています。

(海外事業部 梛野 耕介、アドボカシー室 大沼 照美)

1WFP, COVID-19 will double number of people facing food crises unless swift action is taken (21 April 2020), Link

 

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