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マダガスカル
(公開日:2025.08.12)

【国際青少年デー】第3弾:マダガスカルにおける青少年の貧困・栄養改善支援を通したエンパワメント

 
毎年8月12日   は、国連に制定された記念日「国際青少年デー(International Youth Day)」です。世界中で青少年を取り巻く困難に目を向けると同時に、青少年が持つポテンシャルを祝う日です。
セーブ・ザ・チルドレンでは、青少年が持つ力を強化し、能力を最大限発揮できるような支援を世界各国で行っています。そこで、8月12日の「国際青少年デー(International Youth Day)」にあわせて、セーブ・ザ・チルドレンが3ヶ国で行っている事例を紹介します。第三弾はマダガスカルでの事業をご紹介します。

「国際青少年デー」に関する第1弾、第2弾のブログ記事は下記をご参照ください。
【国際青少年デー】第1弾:トルコにおける青少年の就労・起業支援を通したエンパワメント
【国際青少年デー】第2弾:バングラデシュにおける青少年の就労・起業支援を通したエンパワメント

 
 
青少年の性と生殖に関する健康と権利の促進に向けた意見交換の様子 


公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下セーブ・ザ・チルドレン)は、マダガスカル南東部マナンジャリー郡およびヌシヴァリカ郡で、2022年よりサイクロン被災地での緊急支援、慢性的な食料危機への対応、農家の生計向上支援と栄養改善支援などを展開してきました。詳細は以下のブログ をご参照ください。

【マダガスカル】 サイクロン支援事業完了報告 
【マダガスカル】食料危機支援事業完了報告
【マダガスカル 生計向上支援編】事業開始から1年、 子どもの栄養不良の予防につながる生計手段の確立 
【マダガスカル 栄養改善支援編】事業開始から1年、地域の力で取り組む子どもの栄養支援 

そして、2024年7月から新たに青少年向けの支援を開始しました。これまでの活動を土台に、青少年たちが自らの力で生計を立て、自身の健康と将来を守れるよう、包括的な支援を行っています。


マダガスカルにおける青少年の状況
マダガスカルは世界でもっとも貧困率の高い国の一つで、人口の約8割が1日1.9ドル未満で暮らしています1 。特に南東部では毎年のようにサイクロンの被害が発生し、生計や作物の収穫に大きな影響を与えています。青少年の約半数は安定した収入手段を持たず2 、教育や職業訓練の機会も乏しいため、将来に希望を見出すことが難しい状況です。
さらに、性や妊娠・出産に関する正確な情報も十分に届いておらず、女子の29%が19歳までに妊娠を経験しています3 。多くの青少年が栄養や育児の知識を持たないまま親となることで、家庭の貧困や子どもの健康リスクが深刻化しています。


支援の内容
こうした状況を受け、セーブ・ザ・チルドレンでは、以下のような取り組みを行っています。
まず、青少年が地域社会で役割を持ち、自信を育めるよう、青少年委員会を立ち上げました。358人の青少年が清掃活動や農業活動などに主体的に関わり、リーダーシップや協働力、問題解決力といったスキルを育んでいます。
 

青少年委員会による地域清掃 


また、青少年向けの村貯蓄貸付組合(Village Savings and  Loan Association:VSLA)を設立し、357人(男性150人、女性207人)が参加。医療費や学費、小規模ビジネスの資金などに活用しています。金融サービスが届いていなかった青少年たちが、貯蓄や融資の仕組みを学び、経済的な自立に向けた一歩を踏み出しています。


  
VSLA月次会合の様子


経済支援と並行して、性と生殖に関する健康と権利(Sexual Reproductive Health and Rights:SRHR)や栄養に関する支援も行っています。

青少年たちは、住民参加型調査を通じて地域の課題を明らかにし、自ら啓発キャンペーンを企画・実施しました。ポスターや人形劇、ラジオなどを通じて、「家族計画を通じて自分の体と未来を自分で決めることの大切さ」や、「正しい知識を持つことで、望まない妊娠や性感染症を防げる」といったメッセージを、延べ3,400人以上に届けました。

啓発キャンペーンで作成したビデオの中で、フリーマンさんと ソアンジャラさんは、「私たちが声をあげることが大切です。正しい知識に加えて、必要な情報や予防のための手段にきちんとアクセスできることで、自分の体と未来を守ることができます。行政や保健センターにも、私たちの声を届けていきたい。」と話してくれました。

キャンペーン動画(英語字幕)はこちらからフリーマンさんソアンジャラさん視聴可能です。


行動変容を促す中で明らかになったのは、青少年が日常的な衛生用品に十分アクセスできていないという課題でした。そこで下着、石鹸、歯ブラシ・歯磨き粉、バケツ、ソーラーライトを、女子にはそれらに加えて洗って繰り返し使える布ナプキンを含む衛生キットを配布しました。キットを受け取った青少年たちからは、「毎日下着を交換できるようになった」「夜間もソーラーライトで勉強ができるようになった」といった声が寄せられています。また、妊娠中の若い母親には、乳児用衣類やタオル、石鹸などを含む出産キットを提供し、出産や育児への不安を軽減する支援を行いました。
 

衛生キット(女子用)に含まれている物品の使用方法を聞く青少年


活動に参加した青少年の変化
現在妊娠5ヶ月のナターシャさん(23歳)は、初めて妊娠した時は検診を受けず、自宅出産を経験しましたが、今は保健センターに通って、栄養や出産準備の知識を学んでいます。「出産キットに含まれる物品はとても役立つので、安心して赤ちゃんを迎えられそうです。」と話してくれました。

夫のフィルマンさん(24歳)は青少年委員会とVSLAに参加しています。家族の栄養や衛生に関する学びを積極的に家庭に持ち帰り、検診にも一緒に通っています。これまではパスタだけを販売していましたが、VSLAの貸付金を活用して飲料も取り扱うようになり、現金収入の向上にもつながっています。

ナターシャさんやフィルマンさんのように、青少年たちは経済的自立と健康や栄養に関する知識を得て、家庭や地域で前向きな変化を生んでいます。
 

出産キットを受け取ったナターシャさん(23歳)とフィルマンさん(24歳)


ナターシャさんとフィルマンさんの家の壁に飾られている花びらのステッカー。研修で学んだ内容を実践できたら、その証として、スタッフがステッカーを渡し、花びらが完成されていきます。



本事業は、株式会社ファーストリテイリング(ユニクロのPEACE FOR ALLプロジェクト) からのご寄付により実施しています。


国際青少年デーに合わせて、トルコ、バングラデシュ、マダガスカルと3ヶ国の事業を紹介してきました。

セーブ・ザ・チルドレンは、すべての青少年が尊厳と権利を守られ、自らの力で未来を切り開ける社会の実現に向けて、これからも共に歩み続けます。  

(海外事業部 飛松真理奈)

1 World Bank. Madagascar Poverty & Equity Brief(2021)
2 セーブ・ザ・チルドレンによる調査
3 Madagascar Demographic andHealth Survey 2021


 

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