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マダガスカル
(公開日:2026.03.31)

【マダガスカル】栄養改善事業3年目が開始

 
2024年3月に開始した、マダガスカル南東部のマナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡における栄養改善事業は、2026年3月31日から3年目の活動を開始します。

この事業の開始にあたり、2026年3月16日、契約書の署名式が在マダガスカル日本国大使館において執り行われました。


3年次署名式の様子
(左から、当会地域マネージャー、駐マダガスカル特命全権大使戸島仁嗣氏、当会マダガスカル国代表、当会マダガスカル駐在員、当会オペレーションマネージャー)

マナンジャリー郡とヌシヴァリカ郡では、毎年12月から2月にかけてサイクロンが発生し、農業が甚大な被害を受けています。また、農業技術や子どもの栄養に関する知識不足、金融サービスの未整備などの複数の要因が重なり、子どもの栄養不良が深刻な課題となっています。

【これまでの活動】
この事業では、子どもの栄養状態を改善するために、地域の農家への研修、村貯蓄貸付組合の活動支援、青少年への生計向上支援、災害に強い村づくり、子どもの栄養不良の予防・早期発見・支援体制整備を進めてきました。

[1] 生計向上支援
480人の農家を農家リーダーとして選出し、作物の適切な栽培方法、生産量の向上、種子や収穫後の処理方法などの研修を実施しました。研修後は継続的なフォローアップを行い、農家リーダーが研修で学んだことを実践したり、他の農家に学んだことを伝えることができるようになりました。
また貯蓄貸付組合を立ち上げ、農家が貯蓄や資金運用をできるよう支援しました。組合から少額を借りることにより、多くの農家が必要な農機具の購入や、家族の医療費、子どもの教育費を賄うことができるようになりました。
さらに、毎年のサイクロンによる生計手段への影響を最小限に抑えるために必要な活動を、村の人々が中心となって計画・実施するための支援を行いました。1・2年次は樹木を植栽し、その間で農作物を栽培したり家畜を飼育したりする農林業(アグロフォレストリー)にも取り組みました。この活動から発展し、村の人々が自ら道を整備する計画を立てて実施する村もあり、地域主体の課題解決方法が定着しました。
加えて、生計手段を持たない青少年を対象に、多様な生計活動を身に着けるためのプログラムを実施しました。プログラム終了後には、生計活動を行うための将来の計画を策定し各々の計画に沿った事業を開始しています。


 
研修を受けた農家リーダー(マナンジャリー郡、2025年9月)


[2] 栄養改善支援
対象地域の各村で母親リーダー320人と父親リーダー160人を選出し、子どもの栄養に関する研修を実施しました。母親リーダーは地域で啓発活動を行い、他の母親に対して知識や技術を伝える役割を担いました。父親リーダーの活動は、父親がよりよく育児に参加するための気づきを促す機会となり、地域全体で母親と父親が協力し合う体制が築かれつつあります。これらの活動により、適切な母乳育児が推進されたり、多様な食材を使って栄養のある食事を食べられるようになったり、と子どもの栄養摂取習慣が改善しました。
さらに、指導を受ければ誰でも簡易的に栄養状態を判定できる上腕周囲径テープを活用することで、母親リーダーが主体となって地域全体で子どもの栄養状態をモニタリングできるようにもなりました。また、地域保健センターに体重計や身長計などの機材を提供し、地域保健ボランティア60人に対して、栄養不良時の対応方法や小児疾患の管理に関する研修を行ったことで、地域で栄養不良と特定された子どもに適切に対応できるようになりました。
これらの活動の成果を郡の地域栄養調整会議で共有し、事業の重要性を発信したほか、事業終了後にも活動が根付くよう、行政機関に対して政策提言や働きかけを行いました。

 

調理デモンストレーションの様子(マナンジャリー郡、2025年10月)


母親リーダーのミアリさん* は、2人の子どもの母親で、新生児を育てている時期に、研修を受け、以下のように話しています。
「以前は、知識がなかったため、授乳をしっかり行っていませんでした。年配の方の助言で、初乳を捨てることさえありました。初乳は子どもにとって病気につながると信じられていました。1人目の子どもには、正しく授乳できず、子どもは病気がちで体重も減ってしまいました。この事業に参加して、効果的な授乳の方法、授乳回数、完全母乳育児の重要性、また初乳が子どもにとって初めての予防接種であることを知りました。
授乳することで、乳がんのリスクを減らす可能性があることや、産後の子宮の回復を助けること、子どもの免疫を高めることも知りました。」

これまでの活動の詳細は下記をご覧ください。
【マダガスカル 生計向上支援編】事業開始から1年、 子どもの栄養不良の予防につながる生計手段の確立
【マダガスカル 栄養改善支援編】事業開始から1年、地域の力で取り組む子どもの栄養支援

【3年次の活動】
これまでに支援した20の村に加えて、3年目には8村にも活動を拡大し、計28村において、上記の活動が事業終了後も地域に根付くように支援していくとともに、行政の仕組みとして残るように、政策提言にも力を入れる予定です。


本事業は、「日本NGO連携無償資金協力」からのご支援と個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。


海外事業部マダガスカル駐在員


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