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−「子どもたちの栄養を守る地域づくり」3年目の活動開始

ウガンダ
(公開日:2025.10.20)

【ウガンダ・モロト県】井戸の水を畑に使えるの?
−「子どもたちの栄養を守る地域づくり」3年目の活動開始

 
ウガンダ北東部のカラモジャ地域、特にモロト県は、干ばつや貧困、社会インフラの未整備といった複合的な課題を抱えており、多くの家庭が十分な食料を確保できていません。これらは、子どもたちの栄養状態にも深刻な影響を及ぼしており、約40%の子どもが慢性的な栄養不良の状態にあります。

こうした状況を改善するため、セーブ・ザ・チルドレンは、5歳未満の子どもの栄養改善を目指し、地域の人々が自分たちの力で、子どもたちの健やかな成長を支えられるようになるよう、生計向上支援と子どもの栄養改善に力を入れています。2023年3月に事業を開始し、現在は最終年となる3年目(2025年8月〜2026年7月)の活動を実施しています。

2023年3月からの1年目では、モロト県タパッチ準郡にて事業を実施しました(1年目の活動の様子はこちら)。2024年8月からの2年目には3つの準郡(タパッチ、ルプトゥック、カティケキレ)に活動を広げ、約1万8,200人に支援を届けることができました。事業参加者の中には、「井戸の水は食物を育てるには適さない」と考えていたため、野菜栽培は雨季にのみ行っていた人たちもいました。そのうちの一人であるジョセフさんは、この事業で支援した小農家グループの活動に参加し、農業研修を通して、気候に適した野菜栽培の手法など、干ばつの頻発地域でも安定した収穫が見込まれる農法を学んでいます。習得した農法を使って、今では家庭菜園も始めたとうれしそうに話してくれます。


井戸の水を使って、雨季でなくとも畑作業ができるようになったと嬉しそうです。

事業3年目は、事業最終年として、これまでの成果をしっかり地域に根づかせ、活動の持続性を高めることが大きなテーマです。


3年次事業の署名式の様子。在ウガンダ日本国大使(右)と事業を統括する駐在員(左)



活動紹介:子どもの栄養改善に向けた3つの柱
[1] 生計向上:食べものをつくる力、暮らしを支える力を育てる
地域の農家の方々が、気候の変化にも対応できる農法を学び、野菜や家畜を育てて家庭の食料確保や収入を安定させることを目指しています。また、家庭菜園や養蜂、灌漑施設の整備などを通じて、栄養が豊富な食材を自分たちで育てられる環境を整えています。さらに、貯蓄貸付組合を立ち上げ、貯蓄や資金の活用にも取り組んでいます。その結果、2025年7月時点で、本事業で設立した33グループの合計貯蓄額は約36万7,000円、貸付額は約21万9,000円に達しました。ウガンダの平均年収は28万円程度と言われており、タンス預金すら経験のなかったような村の人たちにとって、これは大きな金額です。これらは、緊急時の生活費や子どもの教育費、肥料や種子など農業資材の購入に活用されます。
最終年は、小農家グループの運営力や市場とのつながりも強化し、活動が事業終了後も続いていくように準備を進めています。


研修で学んだ農法を取り入れ、青々と茂ったモデル農園。収穫のしがいもあります。


[2]栄養改善:母親と子どもに必要な情報と支援を届ける
地域の保健施設に対し、母子栄養に関する研修や身体測定機器・教材の提供を行い、栄養相談窓口を整備しています。保健スタッフや地域保健ボランティアを対象に、乳幼児の栄養状態の評価や栄養指導に関する研修を実施し、現場での対応力の強化につなげています。また、地域では、家庭訪問や調理実演などを通じて、地域の母親たちへの栄養啓発も進めています。
こうした活動を通して、母親や地域の人たちが、子どもたちの健康を支える存在として自信を持てるようになることを大切にしています。


栄養スクリーニング(栄養状態の評価)の様子。
自分の番を少しドキドキしながら待ちます。


家庭訪問の様子。子どもの栄養について一緒に考えます。


[3] 分野連携:地域全体で子どもを支える仕組みづくり

保健・農業・教育など、さまざまな分野が連携し、栄養改善に向けた仕組みづくりに取り組んでいます。地域レベルの栄養調整委員会の開催や、県レベルでの計画策定に関する研修、政策への働きかけ(アドボカシー)などを通じて、地域が主体となって持続的に栄養改善に取り組める環境づくりを進めています。
特に最終年では、地域の計画づくりや予算確保につながるような働きかけを行い、制度としての定着を目指しています。


「世界栄養の日」のカラモジャ地域のイベントで多分野連携の重要性について話す
駐在員。


県行政府、国会議員、保健省、農業省、国連機関など、力を合わせて子どもの健やかな成長を支えます。

3年目の取り組み ー「続いていく」ための力を、地域の中に
これまでの3年間の活動を通して、地域の中に人材・知識・仕組みの土台が少しずつできてきました。最終年では、それぞれの取り組みが地域の中で自立的に回るよう、さらに、多様な立場の人たちが、連携しながら、自分たちの手で子どもたちの健康をこれからも守っていけるよう、実践と仕組みの両面から持続性を高めていきます。


お母さんたち、子どもの話から始まり、おしゃべりに花が咲くのは、万国共通!


本事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」によるご支援と、個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施しています。今後も、皆さまからの温かいご支援を力に、一人でも多くの子どもが健やかに育ち、地域の人々が自らの手でその成長を支えていけるよう取り組んでまいります。

(海外事業部 ウガンダ駐在員 野本友愛)

 

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