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イエメン
(公開日:2026.09.08)

【イエメン】新年度の開始を前に、調査対象の子どもの約3分の2が不就学

 
イエメン・アデン、2026年8月27日 ー 新年度が始まる中、セーブ・ザ・チルドレンは、イエメン南部4つの地区で実施した調査により、10年以上にわたる紛争と避難生活の影響で、調査対象となった子どもの約3分の2が学校に通っていなかったと発表しました。  
アデン県、ラヒジュ県、タイズ県内の4地区において2,214世帯を対象に実施した調査では、子どもの約3人に1人(32%)がこれまで一度も学校に通ったことがなく、さらに約4人に1人が中退しており、復学のための緊急支援を必要としていることが判明しました。

調査対象世帯の約4分の1は国内避難民の世帯でした。その一人がワリードさん(17歳) * です。ワリードさんは長年にわたる紛争、度重なる砲撃、不安定な治安状況を受け、2017年に家族とともにホデイダ県からラヒジュ県の避難民キャンプへ逃れました。 
 


ワリードさん


ワリードさんは次のように語ります。
「毎日のようにミサイルや爆発の音が聞こえていました。ロケット弾が爆発するのを目撃し、地面が揺れるのを感じました」 
8歳で故郷と学校を離れることを余儀なくされたワリードさんは、基本的な設備も整っていない仮設の学習テントで教育を継続しようとしました。しかし、その後、高齢の父親とともに家計を支えるため、学校を中退せざるを得なくなりました。 
「家族の厳しい経済状況のため、父を手伝わなければなりませんでした。父は運搬労働者として重い荷物を運んでいますが、高齢になり、私の助けが必要になることがよくあります」
セーブ・ザ・チルドレンの支援により、ワリードさんは学校に復学し、第9学年を修了しました。しかし、現在暮らしているキャンプでは教育施設が限られており、今年度は教育を続けることができない見込みです。 
 


授業中のワリードさんの様子


セーブ・ザ・チルドレンが約1万4,000人(うち約5,000人は子ども)を対象に実施した調査では、食料や燃料価格の高騰に加え、世界的な援助の削減が子どもたちの生活全般に深刻な影響を与え、全国規模の教育危機がさらに悪化していることが示されています。国連の「イエメン人道対応計画(Humanitarian Response Plan for Yemen:HRP)」によれば、国内では660万人の子どもが学校に通っておらず、これは子どもの総人口のおよそ3分の1に相当します。
調査では、中退に至ったケースの約5分の1が児童労働に起因していました。厳しい生活状況のため、子どもたちを学校ではなく労働に送り出さざるを得ない状況に置かれているのです。回答世帯の92%は「次の食事をどこで確保できるかわからない」と答え、95%は日雇い労働に依存して生計を立てていると報告しました。
また、84%の世帯は制服や教材などの教育関連費用を負担できないと回答しました。 
UNICEFによると、イエメンでは5歳から14歳の子どもの12.5%が児童労働に従事しており、地方部ではその割合が15.4%にまで上昇します。従事している仕事の多くは、金属スクラップの回収、建設作業、薪集めなど、危険を伴う労働です。 
10年以上続く紛争、経済危機、気候変動の影響により、イエメンでは現在2,230万人以上、すなわち人口の約3分の2が人道支援を必要としており、そのうち1,220万人が子どもです。こうした絶望的な状況が、子どもたちを労働へと追いこんでいます。 
さらに、世界的な援助削減に伴う資金不足も深刻です。国連の前年度のイエメン人道対応計画は必要資金のわずか25%しか確保できず、多くの支援が終了を余儀なくされました。また、ホルムズ海峡における混乱や商業輸送コストの上昇により、食料と燃料価格が高騰し、各世帯の生活は一層厳しくなっています。
加えて、2,375校を超える学校が損壊、破壊、軍事利用、あるいは国内避難民の避難場所として使用されており、継続的な学習が妨げられています。 
本来、学習のための安全な場所であるはずの学校や通学路でも、攻撃によって子どもたちが犠牲になっています。教育を攻撃から守るグローバル連合(GCPEA)の最近の報告によれば、2024年から2025年の間に、イエメンでは教育関連施設への攻撃によって生徒や教員283人が犠牲になり、世界でも特に深刻な状況となっています。 


セーブ・ザ・チルドレン・イエメン事務所代表のリシャナ・ハニファは次のように述べています。
「イエメンの子どもたちは、『失われた世代』となるリスクに直面しています。深刻化する危機によって、子どもたちは教室から追い出され、危険な労働環境へと押しやられています。学校に通わない期間が長くなるほど復学の可能性は低下し、それは10年以上にわたる紛争後のイエメンの復興能力にも直接影響します」
「紛争下では日々の生存が優先されるあまり、教育の重要性が見過ごされがちです。しかし教育は、あれば望ましいというものではなく、世界中すべての子どもに保障されるべき基本的人権です。子どもたちが学校へ通えるよう、家族の生存を支えるための十分かつ継続的な人道支援資金が必要です。また行政は、子どもたちが安全で包摂的な教育を受けられる環境や体制を再建しなければなりません」


セーブ・ザ・チルドレンは1963年からイエメンで活動しており、教育、子どもの安心・安全のための活動、保健・栄養、食料安全保障と生計支援、水・衛生(WASH)、緊急支援などの分野で事業を実施しています。

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*プライバシー保護のため名前は変更されています

 

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