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アフガニスタン
(公開日:2020.12.03)

【アフガニスタン 保健・栄養支援】アフガニスタン事務所スタッフとオンライン会議を実施

 
セーブ・ザ・チルドレンは、2020年3月末からアフガニスタン南部のカンダハル州で緊急の保健・栄養支援事業を実施しています。アフガニスタンは各地で武力衝突が発生し、治安状態が不安定なため外務省は首都カブールを含むアフガニスタン全土を最も高い危険度4(退避勧告)とし邦人の渡航は推奨されていません。

そのためアフガニスタンでの事業実施状況の確認は、メールやオンライン会議で行っています。今回はそのオンライン会議の模様をお伝えします。


オンライン会議の様子(11月17日)

この事業では、医師や看護師、助産師といった医療従事者などで構成される緊急保健・栄養モバイルチームを設置し、移動式診療所という形で、保健・栄養サービスが行き届いていない地域で診療を実施しています。詳しくは、【アフガニスタン 保健・栄養支援】緊急下で必要な保健・栄養サービスが、女性に届きやすくするための取り組みで紹介していますので、ぜひご一読ください。

この事業は1年間の事業で、今年3月末に事業を開始してから11月で、半年以上が過ぎました。今回のオンライン会議は、事業が折り返し地点を過ぎたタイミングで、事業の進捗を振り返り、目的の達成度合い、事業運営上の課題、今後の活動内容について話し合うことを目的に実施しました。

また、保健医療という専門的な分野の事業内容であることからセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン医療アドバイザーの医師 杉下智彦氏(東京女子医科大学、国際環境・熱帯医学講座教授/講座主任)も会議に参加しました。


上腕周囲の太さを測定し、子どもの栄養状態を検査する
(パンジャイ郡、2020年9月24日撮影)

アフガニスタンでも新型コロナウイルス感染症が拡大している影響で、大人数での集会が許可されておらず一部の活動に遅れが出てはいるものの、基礎的な保健・栄養サービスを届けるという活動の性質上、ロックダウン中でも事業地への移動は許されています。そのため活動はおおむね予定通り実施されていることが確認されました。

また、進捗確認の中で、子どもと母親の栄養状態の検査や子どもの栄養ケアに関するカウンセリング(母乳育児など)など、事前に想定していた以上の患者数を受け入れている活動もありことが分かりました。

より多くの人に、この事業を通して必要なサービスを届けられていることは喜ばしいことですが、その背景には、多くの人が気軽にサービスを利用できない状況にあることや、昨今の治安の悪化を受けてカンダハル州に避難してくる国内避難民が増加していることがあります。

そして、残念なことに、重度急性栄養不良と診断される子どもの人数も現時点ですでに年間見込み数を上回っており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済的な影響や治安の悪化による食料価格の高騰などが要因と考えられます。

事業では、これまで重度急性栄養不良の子どもたちを重点的に支援し、中度の急性栄養不良の子どもや低栄養の母親は、別のプログラムを紹介してきましたが、ユニセフや世界食糧計画(WFP)からの協力も得て、移動式診療所の場でより包括的な治療が可能になったという報告もありました。


新型コロナウイルス感染症感染予防策の一環として、緊急保健栄養モバイルチームが行っている体温チェックの様子
(パンジャイ郡、2020年10月28日)

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン医療アドバイザーの杉下医師からは、アフガニスタンで新型コロナウイルス感染症の感染が再び急拡大している状況を受けて、事業にどのような影響があるかの確認がありました。

アフガニスタン事務所スタッフからは、感染拡大防止のための手順を定め、移動式診療所に患者が入室する前に専任のスタッフによる体温などのチェックが行われることや、入室前に手洗いが徹底されていること、移動式診療所で働くスタッフは防護服を身に着けていることが共有されました。

また感染症を恐れて患者が診療所に来なくなることはなく、むしろ多くの人たちに利用され評判がよい一方、診療所に来る人たちのマスク着用や、ソーシャルディスタンスの確保といった感染拡大予防行動の徹底には課題が残ることも報告されました。そして、来年3月に事業が終了することを受けて、杉下医師からは、特に栄養支援の事業の終了の仕方について、政府と連携してより持続的な方法で栄養改善を進めるようにとのアドバイスがありました。

今後の活動内容としては、新型コロナウイルス感染症の影響で実施できていなかった集会の小規模での再開や、村の人たちで結成される保健委員会の設置をどのように進めるかなどについて話し合いました。しかしながら、アフガニスタン政府とタリバンの和平協議開始後、カンダハル州をはじめ全国的に治安状況は悪化しており、11月からは村に入ることが難しく、ほとんどの活動を停止せざるを得ない状況にあり実施するまでには、まだ時間がかかりそうです。

早急な治安回復を願いつつ、村での活動再開を待つ間、緊急保健・栄養モバイルチームのスタッフはより良いサービスを届けるための研修を受けています。事業を行うスタッフの安全が確保され、子どもや女性を含む地域に暮らす人たちが、必要な保健・栄養サービスを利用できるよう、今後もご支援をよろしくお願いいたします。

この事業は、皆様からのご寄付とジャパン・プラットフォームのご支援により実施しています。

(海外事業部アフガニスタン事業担当 瀬戸口千佳)


 

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