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ネパール
(公開日:2026.09.28)

ネパール土石流から1ヶ月、人身取引や児童婚への懸念が高まる。女子たちを守るための支援強化が急務

 
ネパール・カトマンズ、9月26日―壊滅的な被害を与えた土石流災害から1ヶ月が経過しました。セーブ・ザ・チルドレンは、人身取引や暴力、搾取、児童婚への懸念が高まる中、被災地全域で女子たちを守るための取り組みを強化する必要があると訴えています。

少なくとも1,400人が亡くなり、約5,700人が今も行方不明となっている今回の災害。発災から1ヶ月が経った今も、多くの家族は住まいや生計をどう立て直すのか見通しが立たず、不安な日々を送っています。こうした先行きの見えない状況が、女子たちを危険にさらす要因となっています[1]。


こどもひろばで絵を描く子ども

現在も約1,000人が一時避難所で生活しています。こうした施設では、共有スペースに見知らぬ人が出入りするため、女子たちからプライバシーや安全面への不安の声が上がっています。
また、一部の女子たちは町の郊外に設置されたテントで暮らしていますが、夜間の照明が十分ではなく、安全面で大きな不安を抱えています。
さらに、避難した家族の中には、これまで暮らしてきた地域から遠く離れた場所の賃貸住居へ移り住んでいるケースも多くあります。

セーブ・ザ・チルドレンは、自治体やパートナー団体と協力しながら、避難所での子どもの安心・安全を守る保護活動を強化しています。
具体的には、見守りや巡回体制の強化、ジェンダーに基づく暴力や児童婚に関する啓発活動の実施、子どもとその家族への精神保健・心理社会的支援の拡充、そして個別のケースに応じた継続支援などを進めています。

また、警察と協力して検問所での見守り活動も行っています。子どもや青少年、女性が人身取引や搾取の被害にあう兆候がないかを確認し、危険にさらされている可能性のある人々を社会保障サービスや専門的な支援につなげています。

避難によって地域のつながりが弱まり、子どもたちを守る機能が低下していることに加え、学校教育や生計手段、収入を失ったことが重なり、女子たちを取り巻く危険をさらに大きくしています。
ネパールではもともと児童婚が大きな課題となっています。2021年の国勢調査によると、女子の3分の1以上が18歳未満で結婚しています[2]。

児童婚を経験した女子は、学校を中退する可能性が高くなります。また、早期妊娠につながりやすく、自分自身に関する意思決定の機会も制限されがちです。さらに、生涯を通じてさまざまなジェンダーを理由とする暴力を受けるおそれがあります。

人身取引もネパールにおける深刻な課題の一つです。
ネパール国家人権委員会によると、2024年から2025年にかけて1万1,500人を超える女性と女子の行方不明届が警察に提出されました。そのうち、約4人に1人は現在も所在が確認できていません。

また、人身取引の被害を受けた人への聞き取り調査では、41%が性的搾取を目的として人身取引されていたことが分かっています。さらに、被害者の37%は女子でした[3]。

セーブ・ザ・チルドレン・ネパール事務所代表のタラ・チェトリは、被災した子どもたちの現状について次のように話します。
「あの激しい濁流と土砂が地域を襲ってから1ヶ月が経ちました。今も何千人もの子どもたちが、その影響を抱えながら暮らしています。洪水の水は引きましたが、恐怖と先行きへの不安は残ったままです。

女子たちは、避難先で安全だと感じられないと私たちに話しています。また、多くの子どもたちが親や大切な人を失った悲しみを抱えています。学校へ戻れないままの子どもたちもいます。学校に通えない日が続くことは、子どもたちを守るうえで大きな問題です。

思春期の女子たちは、教育を受ける機会を最初に失いやすい一方で、その機会を取り戻すのは最後になりがちです。復旧と復興の取り組みにおいては、女子たちの権利、安全、そして将来につながる機会を守ることを中心に据えなければなりません。

こうしたリスクは、災害だけによって生まれるものではありません。もともと存在していた男女間の不平等や、資源や意思決定の機会の不平等さ、そして危機的な状況の中で女子や女性に過度な負担を課しがちな社会規範によって、こうしたリスクはさらに深刻になります」

家族の世話を担う責任が増えた女子たちは、無償のケア労働や家事を優先するよう求められることが少なくありません。
その結果、教育よりも家族の世話を優先せざるを得なくなり、学校を長期間離れることで再び学校へ戻ることが難しくなります。

こうした状況に加え、避難生活や収入の減少が重なることで、児童婚や搾取、その他のジェンダーを理由とする暴力のリスクが高まります。

スクマヤさん(18歳)*は、セーブ・ザ・チルドレンのボランティアとして避難生活を送る人々への支援活動に参加しています。


スクマヤさんは、精神保健・心理社会的支援カウンセラーとともに、子どもたちが遊びを通して安心できる活動を実施しています。スクマヤさん自身も被災者の一人です。
洪水が村を襲った際、母親と姉妹を亡くしました。

スクマヤさんは次のように話します。
「学校が再開すれば、また勉強することができますし、友だちにも会えます。学校に戻ることができれば、私たちは再び前に進むことができると思います」

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https://x.gd/D1cHY

*プライバシー保護のため名前は変更されています

【脚注など】 
[1] National Disaster Risk Reduction and Management Authority, 22 September https://ndrrma.gov.np/np/situation-report/442
[2] National Population and Housing Census 2021 https://censusresults.nsonepal.gov.np/population#marital_sts
[3] Trafficking in Persons report, National Human Rights Commission, April 2026 https://www.nhrcnepal.org/uploads/publication/TRAFFICKING_IN_PERSONS_IN_NEPAL(NATIONAL_REPORT_2026)1.pdf










 

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