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日本/子ども虐待の予防
(公開日:2020.06.16)

6月5日オンラインセミナー参加者からの質問とその回答一覧

 
2021年6月5日、「子どもとの向き合い方を考えるオンラインセミナー〜子どもをみつめること、寄り添うことってなんだろう〜」にお申込みいただき誠にありがとうございます。当日Q&Aで答えきれなかった回答を含め、秋山さんにいくつかの質問に追加でご回答いただきましたので、ご紹介します。同じテーマの質問についてはまとめさせていただきました。子どもとの関わりでとても参考にもなる内容ですので、ぜひご覧ください。また、こちらの内容は、本セミナーへお申込みいただいた方限定で公開しておりますので、他の方への共有はしないようお願いいたします。

質問と回答一覧
【文脈のすり合わせ・観察と監視について】

Q:違う文脈にいることに早めに気がつくポイントはなんでしょうか。また、違う文脈にいることに気がついた場合は相手の文脈に合わせて話をする方が、話が通りやすいということでしょうか。
A: 「私とこの子は違う文脈にいるな」と感じてほしいポイントは、まずは、言葉が入らないときです。子どもにいくら注意をしても言葉が子ども自身に伝わっていかないな、というときはこちらと向こうの文脈が違っていることがあります。そういったときはこちらの文脈を押しつけず、一度距離を取って観察に切り替えてみると良いかもしれません。例えば子どもが「●●ちゃんなんか死んじゃえばいいのに!」と言ったとき、親の文脈から「なんでそんなこと言うの!友達に死んじゃえ、なんて言ってはいけません」と伝えても、言葉が入っていかないとき。ちょっと距離を取ってみて、「どうして、そういう風に思ったの?」と聞いてみる。そしたら、子どもが「●●ちゃんとケンカしちゃったんだもん」という。「あ、くやしい!」っていうのを「死んじゃえ」という言葉で言ってたんだ。という文脈が見えてくる。なので、言葉が伝わっていかない、火に油を注いでいるときは文脈がずれていると言うことになります。

Q: 自然な観察の仕方を教えてください。
A: 子どもの文脈から物事がどのように見えているのかをじっくり見ることからはじめてください。子どもの価値観ではどのように捉えられているのかを興味を持って観察してみる。判断や押しつけをせずに「どうして、そう感じたの?」「どうして、そう思うの?」と言った問いかけをするとスムーズにいくと思います。

Q: 引きこもりの子どもがいます。学校制度は時間的制約があり、私が生きている間に社会的自立が間に合わないと思うと焦ります。いつまで観察していたらいいのでしょうか?ちなみにひとり親です。
A: それぞれの事例によって具体的な対応は異なりますので、まずは専門機関への相談となります。ただ、「見守りましょう、子どもさんを信じて、時が解決する」などのお題目だけを繰り返す相談機関は解決につながりません。本人と家族の安全を確保しながら直接本人に働きかけをしてくださるところや、親御さんに具体的な対応の仕方を示して、一緒に行動してくれるところに相談することが必要です。一例ですが、ご本人の引きこもりの問題として関わると拒否されますが、今後の家族の経済的な問題として「親にもしものことがあった場合、どのように生活費を捻出していくか」といったテーマで話し合うとご本人が参加してくださることも多くあり、そこを糸口に自立支援につなげた事例は多くあります。ご参考にしてください。

【気質について】


Q:気質の見分け方、かなり迷います。チェックリストなどありますか?
A:チェックリストは今のところないですが、一人の中に、それぞれの気質が入っているという考え方をしていただければと思います。自分の中で、20%は学者タイプとか、30%は女優タイプなど判断されると良いと思います。

Q:銭形警部について、どの気質のタイプか教えてください。
A:銭形警部は、ルパンにかなりこだわりがあるので職人タイプである一方、感情で行動するところもあるので母親タイプも入っていると思います。

Q:性格と対応の話がありましたが、大切なことはタイプ分けではなく、より本人に合わせた関わりを考えるということでしょうか?
A:はい、それぞれの気質のタイプについて「相手がどういったタイプなのかな?」と参考にしていただきたいのは、ラベルを張ったり人を選別するためではありません。相手に対して、文脈を合わせながらどのように関わっていくことができるのかを考える上での参考にしていただきたいと思っています。

Q:気質の'統合失調症など病名がでていたところ、興味深かったです。その気質が極まれば、その病気になりうる、もしくは傾向があると考えてもよいのでしょうか。
A:講演でお見せした、学者・職人・母親・女優タイプ別の気質の表の分け方は、クレッチマーという方の気質による性格タイプをベースにしています。クレッチマーは精神障害のそれぞれの症状の薄まった傾向を元に表を作成しており、それを参考としています。


【気質に合わせた関わりかたについて】

Q:職人気質の小学生男児に、ちょっと何かいうと、全否定としてとらえられることが多いです。子どもの受け止め方が、基本ネガティブな場合、どう注意したらいいか、アドバイスを頂けたらうれしいです。
A: 職人気質の方は、自分ルールが強いのでそれに合わないことは全て否定してしまうことがあります。この場合、親御さんは「でも、しかし、だけど」という逆説的(彼らの言葉を否定的に受ける)な言葉を使わず、「なるほど、そうなんだね」といった順説(受け止め言葉)を使って話をするとスムーズにいくことがあります。例えば「勉強なんてやっても意味がない!」などと子どもが言った場合、「でも、勉強はこれからの生活とっても必要だよ」というと、「でも」に反応してパニックになったり反抗してきたりします。そこで、「なるほど、意味ないよね」と順説で受けたあと「じゃ、どうしようか?」と聞いてあげると「少しだけやる」などと反応してくることがあります。

Q: 小4の娘と私の性格がよく似ているので、昔の自分を見ているようで、ついつい感情的に話してしまうことがあります。自分の中にいっぱいいっぱいになるまで溜め込んでしまうので、もっと楽に考えて欲しいという一心なのですが…もっと穏やかに娘の話を受け止められるようになるにはどうすれば良いか、アドバイスがありましたらお願いします。
A:自分と似た子の困ったところは他よりも強く意識されてしまい、親御さんのイライラのもとになることが多いようです。親も幼いころ我が子と同じことで困っていたのに、今は何とかできているとすればこの子も将来は自分のようになるんだろうなと、少し先の未来を見てみると親が落ち着くことができます。親御さんは、子どもの発達を今という点で見て悩んだりイライラしたりされやすいのですが、発達は過去・現在・未来の線で捉えることが大切になります。

Q: 子どもが物事に対し慎重で、アスレティックなどの遊びであったり、初めて食べるものであったり、なかなか「やってみよう」というスイッチが入らず、何もしないまま時間ばかりが過ぎていくことが多いです。どうしたら、上手く勇気づけをしてあげられるか、教えていただければ幸いです。
A: お子様がのんびり(Beingタイプ)のようでなかなか動かないだけかもしれませんが、親から見ると臆病な感じに見えてしまうこともあるようです。子どもに何か行動を起こさせたい、身につけてもらいたいときには、@して見せて、A言って聞かせて、Bさせてみて、C3つ注意して、D5つ褒めという子育ての極意を使うとうまくいく場合があります。多くの親御さんは@を飛ばしてAの「やりなさい、こうしなさい」の言葉で子どもを動かそうとしますが、まずは親がモデルを示す(本気で、楽しそうに遊んでみる・勉強してみる)と子どもも真似して動き出します。動き出したら上手にできなくてもD褒めをたくさん与えてあげてください。

【発達と自立について】

Q:本人の心理状況や発達段階から「今は理解できない」というタイミングがあるかと思いますが、その時は注意することは不要なのでしょうか。それとも、「いけないことである」ということは本人がわからないにしても伝え続けることが必要なのでしょうか。
A: 発達段階によっては、親の意図していることが理解できないこともあります。例えば乳児がおもちゃを散らかしてしまった時に「なんで散らかすの!」などと言っても意味を理解できません。そのため、大人と同じ会話や親の声かけで子どもの行動を統制しようとしないことが大事です。一方、声かけはその意味が理解できない発達段階であってもたくさんしてあげてください。つまり、言葉で子どもを注意するのではなくその場を言葉で表現することで、子どもの中に言葉がどんどん溜まっていくからです。その場合の言葉がけは「なんで散らかすの!」ではなく「散らかっちゃたね」となります。

Q: この子は発達課題をクリアできていないのかもしれないということにはどのように気づくことができるでしょうか.特に、自律はどういった点から乗り越えているかそうでないかがわかるのでしょうか.
A: 子どもさんの年齢にもよりますが、学童期は「日常的な生活習慣がきちんとついていること」が目安になります。この「きちんと」というのはただできれば良いのではなく、正しくということになります、簡単にわかる方法は、左右どちらでも良いのですが箸をきちんと持てるかと、場にあった挨拶ができるかが、社会性を保護者が適切にしつけてきたかの目安になりやすいです。これは、ひと昔前までは「お里が知れる」という言い方がされていたもので、社会性のしつけがされてきたかどうかの目安と言われていました。

Q:親が率先して動いてしまい、子どもの自立を奪ってしまう様子が見られています。また友達感覚の親子も多くなっています。一方で支援者として親に寄り添うことも求められています。親に対しどのような助言が望ましいかご助言願います。
A:前のご質問に子育ての極意としてお書きしましたが、人を支援するときは「説得や指示」ではなかなか入らないことが多いので、支援する方がまずはモデルを示してお見せすることが重要となります。実際にお子さんに支援者の方が関わりながら、「お父さん、こういう風にすると太郎君も上手にできますね」というような支援法です。これを、マイルドな親教育と呼んでいます。その後で、「お父さんも、やってみてください」としてもらい、必ず大人でも「お父さん、上手ですね」と褒めることも忘れずに。

Q: 体は大人、心は子どもに育ってしまった我が子に対しては、これからどのようにしたら良いでしょうか逆コナン型のお子さんの年齢によって対応が異なりますので、できれば個別にご相談いただければ具体的な対応の仕方をお伝えできます。

A:ここでは、一般的な対応策をお話しします。思春期以降の逆コナン型には、家族で何とかしようとしないことが大前提です。案外、世間一般はここを間違ってしまっていることが多く、何でも間でも「家族が親が『愛情』を注げば」方式の助言が見られます。そのためうまくいかないと、結局は家族が悪いとなってしまいさらに家族が追い込まれてしまいます。本当の「愛情」とは、知識に裏打ちされた適切な関わりのことなのです。子どもさんとの歯車が少しずれて現在逆コナン型になっているなら、その親の関わりをいくら続けても解決はしません。また、親御さんはそれ以外の関わり方を知識として持っていないからでもあります。逆コナン型を正すときは、家族以外の支援者を見つけましょう。これも一昔前は、部活の先生や近所のおじさん・おばさん、職場の親方などがその役割を担っていたのですが、現代では少なくなっていますね。

【未学習・ご学習の違い】

Q:誤学習と未学習の見極めが難しいと感じました。未学習のベースがあり、その上に誤学習されていることが多くあるように感じるからです。見極めのポイントなどありますでしょうか?
A: 未学習の人はどの環境であってもその行動ができません。家でも学校でもその行動ができません。一方、誤学習というのは、小学校の時はできていたのに、思春期になってやらなくなったこととかですね。家では親に対して「死ね」と言うことを覚えて言っていても、学校では先輩に対して「おはようございます!」とちゃんと挨拶で来ていたりします。そういった場合は、環境によってはできているので未学習ではなく誤学習と言えます。誤学習については、少し注意は必要ですが思春期やその時期が終われば自然となくなっていくことが多いです。

【褒め方・叱り方について】

Q:注意の仕方…ことばで1発とありましたが、ことばの選び方も大切だと感じています。どのようなことばで制止するのがいいのでしょうか。
A:適切な「注意」についてですが、命に関わることやけがをする恐れがあることを子どもがしているときは、@ことばで一発(短く)で行動を制することが大切です。そして、子どもが落ち着いた時に、「ケンカはいいけど、刃物は危ないからダメだよ。」などA静かに理由を伝え諭すように伝えます。一方で、命やけがに関わるようなことでなければB言葉で注意していきます。「やめなさい」「今は静かにするよ」と言った伝え方をします。@やBの注意をして、行動が変わったらほめることが大切です。もし、言葉の注意で聞かなければ2回目は少し強めに注意をします。それでも聞かないときは、C反省を促す注意の仕方をします。顎を上げないように子どもの目をじっと見てポーカーフェイスで、深呼吸を2~3回してから、「なぜ、言うことをきけない?そういう子を私は許しません。」と伝えます。それから、また呼吸を取ってから、「分かりましたね」という。信頼関係がある親からそういった伝え方をされると、子どもにとってはこれが一番強い叱り方になります。また、子どもが遊んでいて物を壊してしまったり、遊んで散らかしてしまったときに「元に戻しなさい」「一緒に片付けようね」といったD責任を取らせる促し方もあります。このように、その子どもの行動に対する注意の仕方にけじめをつけることで、子どもの行動にけじめがつきます。行動の重大さが違うのに、同じように注意をしていると、子どもの中で行動が同列になってしまいますので、スキルとして知っておいてほしいと思います。

Q: 褒め方について詳しく教えてください。
A:適切な「ほめ方」としては、@適切なスキンシップとして、肩をトントンする、背中をさする、頭をなでるなどがあります。ただし、他人はしてはいけません。あと、親であってもプライベートゾーンには踏み入らないことが大切です。そして、A質問の形で「ほめる」。「これどうやったの?お父さんに教えて」というように、教えてもらうというスタンスで質問すると子どもは喜んで教えてくれることがあります。さらに、強いほめ方になるとBプロセスをほめることがあります。「頑張ったの知っている」や「努力したんだね」と伝えます。さらに、C噂で(魔法の三角形)ほめることは、その場にいない人を使って「おばあちゃんが聞いたら喜ぶね」「●●ちゃんが喜んでたよ」などがあります。さらに強いほめ方は、D感動を「3s+a」で伝えることです。3sは「さすが」「素晴らしい」「すごいね」の3sです。ただし、いっぺんに「さすが、素晴らしい、すごいね!」とは言わないでください。「+a」というのは、強く伝えるのではなく感動をさりげなく伝えるような言い方をすることです。一番の褒めは、E感謝を伝えるということです。特に「ありがとう」は最高のほめになります。

Q:フィンランドのキッズスキルについても詳しく知れる本やサイトが有れば教えていただければ嬉しいです。
A:以下にいくつかの書籍をご紹介します。
・フィンランド式キッズスキル入門 実践例から学ぶ子育てストレスが軽くなるコツ (著)佐俣 友佳子(2009)
・フィンランド式 キッズスキル―親子で楽しく問題解決! (著)ベン・ファーマン( 2008)
・フィンランド式 叱らない子育て―――自分で考える子どもになる5つのルール (著)ベン・ファーマン(2013)

Q:褒め方や注意の仕方を含め、自分の子育ての仕方で反省点や今日は失敗したと思うことがあるのですが、その後からでも出来る事はありますか。失敗した後でも改善することはできますか。
A:子育てはいつの段階からでもやり直すことが可能です。ただ、年齢段階によっては家族だけではなく社会の支援を受けながら行うことも必要です。大切なことは、「ここ段階の発達課題を積み残したかな?」と気づくこと、そして対応し直すことです。具体的対応については、どうぞ専門機関にご相談ください。

【その他】

Q:おやこのミカタは子育てにおいてとても為になると感じました。パートナーが外国人なので英語版があったらとても役に立つのですが、英語版はありますでしょうか?それか今後英語版を作成する予定はありますでしょうか?
A:英語版は今のところございません。申し訳ありません。作成については今後検討してみたいと思います。ありがとうございます。

Q:本日の参加者数だけでも教えていただく事はできますか?
A: オンラインセミナーの参加者は235名でした。

 

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