2025年3月29日 ヤンゴン・バンコク 

セーブ・ザ・チルドレンによると、ミャンマー中部で3月28日に発生した約100年ぶりの大地震[1]は、広範囲にわたり甚大な被害をもたらし、被災地域の子どもたちと家族は緊急人道支援を必要としています。 

28日に発生したマグニチュード7．7の地震の震源地は、ミャンマー第2の都市マンダレー付近で、この地震は2023年にトルコ・シリアで発生した地震に次ぐ大規模なものです。ミャンマー政府は、この地震を受けて、特に被害の大きい6地域で非常事態宣言を発令しました[2]。生存者の捜索が続く中、死者数は時間とともに増加しています[3]。 

隣国のタイでも、非常事態宣言が発令されています。セーブ・ザ・チルドレンは、タイ北部ミャンマー国境地域で、学校の建物の被害状況のアセスメントを実施しています。28日の地震で難民キャンプに暮らす28,000人の子どもたちが大きな影響を受けました。最近の海外援助の削減により、既に脆弱な立場にある子どもたちの状況は、さらに悪化しています。 

セーブ・ザ・チルドレンのアジア地域暫定ディレクターであるジェレミー・ストーナーは次のように述べています。

「今回の地震は、多くの人々の生活を一変させました。私たちの緊急支援を必要とする子どもたちと家族がいます。このような規模の災害の後には、安心・安全に睡眠をとれる場所、食事、水、医療、教育などへのアクセス、そして増加する暴力、搾取、虐待のリスクからの保護が短期および長期的に必要になると考えます。子どもたちは、今後数週間、数か月の間に、心のケアも必要とするでしょう。また、ミャンマーとタイの子どもや地域の人々のニーズに応えるためには、国際社会の即時かつ協調的なとりくみが極めて重要です。」 

タイには約390万人の移住労働者がおり[4]、 その大多数は隣国であるミャンマーの出身です。また、タイの多くの子どもたちは、生まれてから、このような規模の地震を経験したことがありません。 

セーブ・ザ・チルドレン・タイ 事務局長のギヨーム・ラシュは、こう話します。

「私たちは、タイ全土の地域のパートナー団体と協力して、学校、子どもたちと家族、そして私たちが関わっている経済的困難をかかえる世帯や移民コミュニティの被災状況を把握するとともに、学校再開時の安全性の確保のために、学校施設の被害状況を確認しています。」 

「タイ・ミャンマー国境付近に暮らす難民の子どもたちにとっては、すでに限定的であった水・衛生サービスがこの地震によって中断され、もともと脆弱な学校施設が被害を受けたり、余震の影響で安全性を失ったりしています。」 

バンコクには100万人以上の移民が住んでおり、過密かつ劣悪な住宅に住む一部の人々は、住居を失うリスクの増加や社会サービスへのアクセスの困難に直面するでしょう。 

移民コミュニティの子ども12人を含む少なくとも40人が、住居からの退去を余儀なくされ、移動先である一時避難所は過密状態にあり、適切な水・衛生・トイレ、食事、保健・医療サービスが得られていない、という報告もあります。しかしながら、この数は、地震と余震の影響が明らかになるにつれて変化する可能性があります。 

セーブ・ザ・チルドレンは、1995年からミャンマーで活動しており、命を守る保健・医療、食料と栄養、教育および子どもの保護事業を実施しています。 

また、セーブ・ザ・チルドレンは、1979年からタイで活動してきました。セーブ・ザ・チルドレン・タイは、教育、子どもの保護、生計支援および子どもの権利の推進の事業を通じて、差別と不平等の影響をもっとも強く受ける子どもたちを支援するために活動しています。

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脚注 

[1] Bloomberg: https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-03-28/earthquake-shakes-buildings-in-bangkok-ho-chi-minh

[2] https://eng.mizzima.com/2025/03/28/20560

[3] https://www.bbc.com/news/live/c4gex01m7n5t

[4] https://thailand.iom.int/labour-mobility-and-social-inclusion