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日本/子どもの貧困問題解決
(公開日:2021.03.05)

冬の緊急追加支援「ひとり親家庭応援ボックス」申し込み結果からー約3割の世帯で収入が5割減のままー

 
セーブ・ザ・チルドレンは、新型コロナウイルス感染症緊急子ども支援として、2020年12月中旬、子どもたちが年末年始の長期休暇期間を安心して過ごせるよう、ひとり親家庭応援ボックス冬の緊急追加支援を実施し、食料品を1,181世帯へ届けました。これは、2020年5月6月の計2回実施した「ひとり親家庭応援ボックス」を利用したひとり親世帯に対し、第3波の感染拡大が広がるなか行いました。この緊急追加支援にあたっても、これまで同様、ひとり親世帯の現状を把握し今後の支援にいかすために、申し込み時に生活状況に関するアンケート調査を行いました(回答件数1,181件)。


申込結果はこちら


その結果、収入がゼロになったと回答した世帯は2020年5月には全体の21%、6月には19%であったのに対し、今回は11%と5月と比べて約半分程度にまで減少したものの、いまだ全体の約1割の世帯で収入がゼロのままであることが明らかになりました。




さらに、2020年5月には収入が5割以上減少したと回答した世帯は全体の58%、6月では47%でしたが、今回の調査では28%と当初の約半分程度にまで減少し回復の傾向を見せてはいるものの、いまだ全体の約3割の世帯で収入が5割以上減少したままであり、大変厳しい生活状況にあることがわかりました。また、収入が新型コロナウイルス感染症の感染拡大以前の水準に戻ったと回答した世帯は約1割にとどまりました。



今回の応援ボックスの申し込み理由を尋ねた質問では、「年末年始に向けて出費がかさむ」と答えた世帯が全体の8割以上を占め、なかには「子どもにクリスマスプレゼントを買ってあげられずかわいそうな思いをさせている」、「余裕がないためクリスマス、年末年始を祝えない」との回答もあり、年末年始を笑顔で迎えられない世帯がいる状況が浮かび上がりました。また「十分な量の食料を買うお金がない」と答えた世帯も半数以上にのぼりました。




そのほかにも、「生活が苦しく子どもに満足に食べさせてあげられない」、「子どもの教育にお金をまわすため子どもにお腹いっぱい食べさせてあげられない」、「冷蔵庫の中が何もないことが子供を不安にさせていたんだと申し訳ない気持ちでいっぱい」といった切実な声も聞かれました。


ひとり親家庭が求める支援、子育ての悩み、子どものストレス
「新型コロナウイルスに関連した影響があるなかで、あなたがいま悩んでいることや心配なこと、困っていること、政府や自治体、社会に求めたいことやること、伝えたいこと」について尋ねた質問では、長引くコロナ禍での失業や収入減による経済的不安から、児童扶養手当の所得制限の条件緩和や増額、また2020年5月に行われた政府のひとり親世帯臨時特別給付金の再給付など*、主に現金給付についての支援要請が多く上がりました。また、ひとり親家庭での子どもの精神的ストレス、不登校など、子どものこころのケアについて懸念する声も多く聞かれました。


「子どもが外を怖がるようになった」、「不登校になった」、「休み時間も外に出られるクラスが決まっており、また鬼ごっこ禁止等の縛りもあり、子供の体力が余っていてストレスとなっています」など、長期にわたる自粛生活による子どものストレスに加え、「子供と長くいる時間が増え、子供も大人もストレスを感じています。収入も減ったことで、満足させてあげられていないことが苦しいです」、「収入がかなり減ってしまいました。もっと働きたも、子供がいるひとり親にはなかなか難しいです。子供の精神状態も不安定になってしまい、更に働くのも厳しくなりました」といったように、収入が不安定になり、子どもにたくさん我慢させているのではないかと不安に思ったり、子どもに十分なケアができないと悩む声が多く寄せられました。


ひとり親世帯にのしかかる教育費
今回の調査では教育費についても多くの懸念の声が寄せられました。「春から小学1年生なのにランドセルを買えていない」、「学校に必要なものを買えていない」など、就学準備に多くの費用がかかるといった悩みが聞かれました。憲法では「義務教育は、これを無償とする」と定められていますが、実際の進学にあたっては親の金銭的負担が多く求められます。特に入学時にはランドセル代、学用品代、制服代など、数万円から数十万円単位で費用がかかり、困窮状態にあるひとり親家庭では負担が大きくのしかかります。


また、「収入が十分でないのにコロナになり収入が減り、やっと以前の収入に戻ったのですが、塾に通わせる十分な収入がなく、十分な教育が出来ないのが辛い」、「収入が減ったことで、教育費の支出を減らないといけない状況で、子どもの教育に格差が生まれ将来に影響するのではないかと心配」など、受験費用や塾代、学費の捻出が難しく、子どもに進学をあきらめてもらうほかないといった声が寄せられました。


コロナ禍でオンライン授業の導入が進んだ一方、「オンライン授業になった場合、ネット回線を引いていない家庭は負担が増える」、「オンライン化が進みパソコン等が必要だが、購入資金がない」といったように、インターネット環境を整えるための費用の負担に加え、それについていけない子どもの学習の遅れを心配する声も聞かれています。


長期化する新型コロナウイルス感染症の影響を受け、経済的に苦しい状況が続くなか、国も2020年5月にひとり親世帯臨時特別給付金*の給付を行い、同年12月からは厳しい状況が続くひとり親世帯への支援継続のため再給付を実施しています。今回の特別給付金によって助かった、という声が多くあがった一方、今年1月に出された緊急事態宣言が3月まで延長されたことから、厳しい状況は今後も続くものと思われます。


セーブ・ザ・チルドレンは、これまでの活動や今回の申込結果を踏まえ、深刻な経済状況に置かれたひとり親家庭の子どもが安心して子ども時代を過ごし、親の収入にかかわらず等しく平等な教育の機会を受けられるよう広く社会に呼びかけていくとともに、引き続きひとり親家庭への支援制度の改善や社会保障の拡充がされるよう、関係団体などと連携して国や自治体、関係省庁へ働きかけを続けていきます。


*2020年11月時点、特別給付金再給付の実施前
*第1子5万円、第2子以降3万円。さらに厳しい経済状況の家庭は追加で5万円



(報告:東京事務所 北見美代)



 

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