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日本/国内災害
(公開日:2020.05.03)

新型コロナウイルス感染症 「子どもだからと言わないで、きちんと話を、きいてほしい」 2020年春・緊急子どもアンケート全体版報告書完成―あらゆる状況にいる子どもたちの意見を、感染症対策に最大限反映してください

 

セーブ・ザ・チルドレンは、2020年3月17日〜31日かけて、「2020年春・緊急子どもアンケート」を実施しました。今回、寄せられた1,422件の有効回答をまとめ、全体版報告書を公表しました。




緊急子どもアンケート全体版報告書は、こちらで全文ダウンロードできます。


緊急事態下において子どもの意見を聴く必要性
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの権利の実現を使命とする団体です。子どもの権利条約第12条には、子どもの意見表明権が規定されています。私たちは、この感染症拡大という未曽有の事態にあっても、子どもたちの思いや意見が尊重されながら対策が進められるべきであると考えていました。


しかし、感染が徐々に広がり、子どもに関わる重要な対策がとられるなかで、あまりにも子どもたちの声が聴かれていないことに危機感を強めました。私たちは、国内で活動する子ども支援団体として、できる限り、子どもたちが感じていることを広く社会に伝えなければならないと考え、緊急子どもアンケートを実施しました。 その結果、15日間で、小学1年生〜18歳くらいまで、41都道府県から1,422件の回答が寄せられました。


子どもたちの声から考える、子どもの権利保障の現状
アンケートから、子どもの経験が制約を強いられている状況が分かったり、学校の重要性や子どもが育ち、学ぶ機会に差が生じることを懸念する声などもありました。


また、「困っていない」「要望はない」など、現在の状況にあまり不都合を感じていない子どもたちがいる一方、子どもの権利の観点から見過ごせない回答として、時間を持て余して過ごさざるを得ない、育つ時間・機会を奪われている子どもたちの存在がうかがえました。


家族関係のストレスで家庭が必ずしも安全で、安心を感じられる場ではない様子、保護者の仕事の減少や、収入の見通しが立たないなかで、子どもたちに食の欠落や、経済的な困窮の影響が及んでいることを示す声も寄せられました。




※FAX・郵送・写真で送られた子どもたちの直筆回答のうち、判読が可能なもの・個人が特定されないものの一部を掲載しています。


より困難な状況におかれている子どもたちの現状
一方、集計を進めるにつれ、より困難な状況に置かれやすい子どもたちの声を十分に聴けていないという課題意識を持ちました。そのため、全体版報告書には、そうした子どもたちの様子や必要とする施策などについて、現場で子どもたちに寄り添う支援者に寄稿をお願いしました。


今回は、海外にルーツを持つ子どもたち、経済的困難や不登校にある子どもたち、医療的ケアや障害、社会的養護につながる子どもたちの状況、チャイルドラインに寄せられる子どもたちの声について情報提供いただきました。


それぞれの支援者の皆さんからは、もともとの困難が深刻化することへの懸念、対策が進められるなかで見えづらく・聴こえづらくなる状況に対する危機感が伝わってきました。寄稿によって、さまざまな環境に置かれた子どもたちの状況を、重層的に伝えられたのではないかと思っています。


あらゆる状況にいる子どもたちの意見を、感染症対策に
子どもたちの声や支援者の寄稿を通じて最も感じたことは、感染症対策において子どもたちが当事者であると認識されていないという事実です。子どもたちからは、自分たちが大人の判断に従うべき存在、我慢して当然の存在に追いやられていることに対する叫びのような憤りも聴かれました。


国連子どもの権利委員会は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する声明」(2020年4月8日)を発表しています。声明ではこのような感染症対応下においても、子どもの最善の利益の原則をふまえること、子どもの意見表明権を確保することを指摘していますが、この緊急子どもアンケートでは、国連子どもの権利委員会が声明で各国に要請した措置に関連する内容を、子どもたち自身が言及しました。子どもたちは今、自分たちの環境がどのように制限され、制約されているのかを最もよく把握しています。


一方、アンケートから時間の経過した今、さらに深刻化している状況や新たな困難が子どもたちに生じている可能性があります。そのような状況のなか、子どもたちに何も聞かずに感染症対策を進めたのなら、子どもにとって最善の利益を反映した感染症対策を取ることはできないでしょう。ある子どもはこのような声を寄せてくれました。

「大人の都合で子供の負担が際立って大きい。大人はずるい。子供だからと言わないで、きちんと話を、きいてほしい。都合にあわせて大人扱い、子ども扱いするのはやめてほしい。(高1・大阪府)」


私たち大人は、今こそあらゆる状況にいる子どもたちに思いをはせ、子どもたちの声に真摯に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。


セーブ・ザ・チルドレンは、今回のアンケート結果と子どもの権利保障の観点から、7つの提言をまとめました。今後の感染症対策において子どもたちの権利が最大限保障されるよう、政策決定者に対応を求めていきます。





最後に、このアンケートに協力してくれたみなさん。協力してくれて、本当にありがとうございました。みなさんから教えてもらったことをまとめて、セーブ・ザ・チルドレンは政府や国会議員、社会に対して、子どもたちのための対策をしてくれるように伝えていきます。少しでもみなさんにとってよいことが行われるよう、私たちもがんばります。


また、親・養育者のみなさん、学童保育の関係者のみなさんなど、子どもたちの回答をサポートしてくださった大人のみなさんにも心より感謝申し上げます。


 

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