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アドボカシー
(公開日:2020.10.15)

新型コロナウイルス感染症 経済的支援を受けられていない子どもは約6億人―報告書『子どもの貧困を終わらせるための基盤』を発表

 

セーブ・ザ・チルドレンは10月15日、低・中所得国の約6億人の子どもたちが、新型コロナウイルス感染症に関連した財政支援を受けていないことを明らかにしました。


新型コロナウイルスの感染拡大以来、数百万世帯の親が仕事を失い、子どもたちの保健医療サービスや教育の利用、食料や住まいの確保に影響を与え、貧困の瀬戸際に追い込まれています。数億もの家族が子どもたちのために特別な支援を必要としているにもかかわらず、少なくとも68の低・中所得国では支援が提供されず、5億9,400万人以上の子どもたちに影響が及んでいます。

 パンデミックの発生以前から、低・中所得国の10億人以上の子どもたちが、教育や保健医療、住宅、栄養、衛生、水へのアクセスを奪われ、多元的な貧困の中で生活していました。新型コロナウイルス感染症の発生以来、この人数は1億5,000万人増加し、合わせて約12億人となっています。 

 9月にセーブ・ザ・チルドレンがまとめた新型コロナウイルス感染症の子どもたちへの影響に関する調査では、調査に参加した人のなかで、すでに収入を失った人の約75%が政府からの支援を受けられていないことが明らかになっています。この世界規模の調査では、新型コロナウイルス感染症の危機が不平等を拡大させ、低所得の世帯が経済的に最も厳しい打撃を受けていることも分かりました。

 モザンビーク出身のポーラさん(17歳)は、以下のように述べています。

「状況は良くありません。私の住む地域では、親が仕事を持っていないため、路上で物を売らなければならない子どもたちがいます。人々は食べるものが何もなく、家にいれば餓死するでしょう。政府は家族を支援し、助けるべきです。ここでは、人々は自分たちを養う方法がないから物を売っているのです。」

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックに対応して、ほぼすべての国で、影響を受けている家族を支援するために、現金給付、食料やバウチャー、あるいは財政的義務の免除などの社会的保護の措置を発表しました。しかし、経済が打撃を受けた68の低・中所得国では、子ども手当や家族手当が何も導入されず、家族は、政府が発表する予測不可能な追加的措置に頼らざるを得ないことになります。セーブ・ザ・チルドレンは、新型コロナウイルス感染症は、子どもの貧困と剥奪の削減に向けた過去10年以上の成果を後退させる可能性があると警告しています。

 セーブ・ザ・チルドレンは、本日発表した報告書『子どもの貧困を終わらせるための基盤』の中で、各国は今、これまで以上に、一律給付の児童手当の導入に向けて前進する必要があると強調しています。子どもの貧困問題に対応し、将来の危機の影響を軽減するためには、子どもの養育者への定期的かつ信頼性の高い現金給付などの投資が必要です。

フィリピンのメルリナと子どもたち。夫は建設作業員でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で仕事が出来ず、
収入もなくなりました。

 児童手当への投資は、子どもとその家族を助けるだけでなく、家族が地域の産品やサービスにお金を使うため、地域経済や国の経済にも役立ちます。新型コロナウイルス感染症が発生する以前は、世界の子どもたちの35%が社会的保護による給付金を受けていましたが、アジアでは28%、アフリカでは16%と低い数値でした。この報告書で、私たちは、各国政府に対し、国内総生産(GDP)の1%を子どもたちのための社会的保護制度に投資するよう呼びかけています。

また、報告書では、当初は最年少の子どもを対象として、子どもに焦点を当てた社会的保護と給付の強化または実施のために、各国政府がより多くの財政的な余地を生み出すためにとったさまざまな措置にも焦点をあて取り上げています。

 くわえて、ドナー国や民間の債権者、そしてより広く国際社会に対し、債務救済や可能な場合は債務停止を通じて支援すること、社会的保護のための財政的・技術的支援を維持・拡大すること、そして各国が一律給付の児童手当実施に向けて確実に動きを進められるよう、社会的保護のための世界的な基金を求める国際的な要請に加わることも求めています。

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長のインゲル・アッシンは、次のように述べています。

「すべての親は、子どもに最善のことをしようと考えます。その手段を持っている場合、彼らは子どもの将来に投資するでしょう。親、特に女性が定期的な給付金や現金給付を受ければ、子どもたちに保健医療サービス、教育、栄養価の高い食事を提供することが実証されています。息の詰まるような貧困の悪循環を断ち切り、児童婚や児童労働などの有害な慣行を減らすことができます。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが私たちに何かを教えてくれたとすれば、人々はパンデミックのようなショックに立ち向かうために、健全な財政的基盤を必要としているということです。一国の経済生産高の1%を子どもたちの安定のために投資することで、貧困を20%以上削減することができるのです。その答えは、私たちの目の前にあり、子どもの貧困のない未来のための真の基盤を築くことができます。」

報告書(英語、全文)はこちら

概要(日本語)はこちら





 

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