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アドボカシー
(公開日:2018.11.28)

「学校保護宣言」に関するセミナーを議員会館にて実施

 
セーブ・ザ・チルドレンは2018年11月22日、衆議院第一議員会館にて、セミナー「グリニッジ大学Steven Haines(スティーブン・ヘインズ)教授に学ぶ、学校はどうしたら軍事利用から守れるか−日本政府の役割とは−」をヒューマン・ライツ・ウォッチとの共催により実施しました。紛争下では、学校が攻撃の対象になることや、軍事拠点や基地、または訓練場として使われたりすることがあります。そのような状況に対し、学校を攻撃や軍事利用から守るための国際的な指針が、「学校保護宣言*」です。

今回のセミナーでは、「学校保護宣言」の土台となる「武装紛争下で学校や大学を軍事目的使用から守るためのガイドライン**」策定の中心的役割を担ったグリニッジ大学のヘインズ教授から、本宣言およびガイドラインの意義について学びました。 当日は、国会議員、外務省・防衛省 、「学校保護宣言」キャンペーンをともに進めてきた高校生、NGO関係者、大学生などが参加し、ヘインズ教授と学校保護宣言の意義についての説明、また、日本政府がこの宣言を支持することについての活発な意見交換が行われました。


ガイドラインについて説明するヘインズ教授とヒューマン・ライツ・ウォッチ東京ディレクター土井香苗氏

セミナーは、以下のようなプログラム内容で行われました。
(1)ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京ディレクター土井香苗氏による、「学校保護宣言」の概要とこれまでのNGOの活動についての説明
(2)ヘインズ教授から、ガイドライン策定の背景や内容、各国政府が「学校保護宣言」を支持する意義の説明
(3)高校生によるキャンペーンの報告と日本政府に対する提言
(4)外務省人権人道課、防衛省防衛政策課の各担当者から日本政府の方針に関するコメント

ヘインズ教授からは、まず、リベリアなどの内戦の状況を踏まえ、学校は敷地や設備が整っているため、他の建物より軍事拠点等に使用されやすい状況の説明がありました。そして、学校の軍事利用は、いまも世界中で続いているため、「学校保護宣言」および武力紛争下で教育機関を守るための行動を具体的に規定したガイドラインが各国で普及される重要性について改めて強調されました。

「学校保護宣言」は、それ自体に法的拘束力がなく、法的責任や権利を伴わないものの、国際人道法および国際人権法が定めるよりも一歩踏み込んだ行動を促すことにより、国際法順守の促進に寄与します。また、ヘインズ教授によると、ガイドラインの策定時には、「教育を攻撃から守る世界連合 (Global Coalition to Protect Education from Attack:GCPEA)」をはじめとした複数の団体や専門家などが関わり、あらゆる武力紛争の当事者に対し、理解しやすく適用しやすい、実践的な内容を目指したとのことでした。


かえつ有明高校の生徒による活動報告

「学校保護宣言」キャンペーンを率いるかえつ有明高校の代表者からは、高校生による署名活動の報告が行われ、オンラインの署名には1万2,000人以上が、そして手書きの「こいのぼり署名」には、2,463人が賛同を示したことが報告されました。この活動は現在も続いており、東京都や長崎県、沖縄県にある4つの高校を中心に約50校の高校生が参加する活動に拡大しているとのことです。

外務省、防衛省の担当者からは、「学校保護宣言」の理念や目的については同意しているものの、ガイドラインの細かい点についてまだ懸念があり、日本政府としてこの宣言の支持に慎重である姿勢が示されました。民間施設である学校を、防衛活動のために意図的に利用したり、ガイドラインに違反するような行為をしたりすることはないものの、政府として約束したことには説明責任が伴うため、有事における想定も含め、慎重に議論を重ねているとのことです。


活発な意見交換を行う小熊議員、本多議員と、外務省・防衛省の担当者

セミナーに出席した、谷合正明参議院議員、小熊慎司衆議院議員、本多平直衆議院議員の各議員からは、自身の紛争地帯への訪問経験なども踏まえ、教育施設や教育に従事する人々、そしてなにより子どもたちにとって安心・安全な学習環境を確立するため、今後も日本政府の支持に向けた活動を応援していくというメッセージが述べられました。

現在、「学校保護宣言」には、世界82ヶ国が支持を示しています。しかし、アジア地域で支持を表明している国は少なく、同地域に対し大きな影響力を持つ日本政府がこの宣言を支持することに、国際社会からも大きな期待が寄せられているとのヘインズ教授からの言葉でセミナーは終了しました。

セーブ・ザ・チルドレンは、引き続きヒューマン・ライツ・ウォッチや、その他の賛同団体、高校生とともに、日本政府や関係者との対話を深め、支持に向けたアドボカシー活動をさらに進めていきます。

*学校保護宣言
**武装紛争下で学校や大学を軍事目的使用から守るためのガイドライン

 

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