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アドボカシー
(公開日:2025.06.19)

【予防接種への投資は子どもの未来への投資】Gaviワクチンアライアンスの増資に向けて

 
2025625日、ベルギーのブリュッセルにて、予防接種に関するグローバル・サミットが開催されます。テーマは、「予防接種がもたらす健康と繁栄」。このサミットは、Gaviワクチンアライアンスの第6期戦略(Gavi6.0)を実現するための増資を各国が誓約する、極めて重要な会議です。





Gaviワクチンアライアンス(以下、Gavi)は、開発途上国での予防接種率の向上により、子どもたちの命と健康を守ることを目的として、2000年に設立されました。


これまで、Gaviが届けたワクチンで11億人の子どもが予防接種を受けられ、1,800万人の命が守られました。また、ワクチンキャンペーンにより19億回の予防接種が実施されました。


しかし、紛争、貧困、保健医療サービスへのアクセスの欠如といったさまざまな要因により、最も脆弱な立場に置かれた子どもたちが取り残されており、一度もワクチンを受けたことがない「ゼロドース・チルドレン」と呼ばれる子どもたちはいまだ世界に1,450万人もいます。特に新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、多くの国で通常の保健医療サービスが中断されたことが原因で、予防接種率は過去30年間で最も低下し、かつては制御されていた疫病の発生がここへきて増加しています。


Gavi2026年から2030年にかけてのGavi 6.0戦略を遂行するには90億ドル(約1兆30806000万円)の資金が必要とされていますが、この資金が確保されることで、今後5年間で5億人の子どもにワクチンを届け、800万人以上の命を予防可能な感染症から守ることが可能になります。


すべての子どもには、生きる権利、そして健やかに育つ権利があります。予防接種は子どもたちを命の危機から守る最も効果的で費用対効果の高い手段の一つです。特に保健医療体制が不十分な国や地域では、ワクチンが唯一の命綱になることも少なくありません。セーブ・ザ・チルドレンは、Gaviへの増資は、子どもたちの未来への最も力強い投資だと考えています。


日本はこれまで、Gaviへの資金拠出を通じて、世界の予防接種の推進に重要な役割を果たし、子どもたちの命と健康を守る取り組みに貢献してきました。今再び、Gaviの主要な援助国として、またガバナンスに関わる理事国として、日本政府がリーダーシップを発揮し、子どもたちの未来のための投資を拡大することが求められています。


現在、Gaviは日本に対して、今後5年間で33,000万ドル(約4785000万円)の資金拠出(前回のGavi5.0比で10%増)を要請しています。これは、日本国民一人あたり年間わずか約55セント(約80円)の投資であり、最大で25万人の命を守ると試算されています。大きなインパクトを生み出せるこの投資は、日本が「人間の安全保障」の理念を実践し、国際保健、健康安全保障における貢献を行う上でも重要です。


サミット開催まで、残りわずかとなりました。子どもが誰一人乗り残されることなく、予防接種によって命と健康が守られるよう、セーブ・ザ・チルドレンは、Gaviに対する支援強化を求めていきます。



※1ドルを145円と換算する


【参考資料】

予防接種の普及・拡大ですべての子どもに「生きる権利」を


【Vol.4保健・栄養】子どもたちの命と健康を守る予防接種−世界の現状と必要な支援− | あすのコンパス| セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン


予防接種を受けていない子1450万人 救える命を救うためにできること



 

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