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アドボカシー
(公開日:2020.12.15)

新型コロナウイルス感染症の影響で今後2年間、毎日153人の子どもたちが栄養不良で亡くなる可能性 −報告書『栄養の危機』を発表

 
セーブ・ザ・チルドレンは、報告書『栄養の危機(Nutrition Critical)』を発表し、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行(パンデミック)により、世界は栄養の危機に瀕していると警鐘を鳴らします。


この報告書では、今回のパンデミックに関連した栄養状態の悪化により、今後対策が取られなければ、2022年末まで、毎日平均153人の子どもたちが死亡すると予測されています。また栄養不良に陥る子どもたちの世界的な急増により、命に関わる急性栄養不良の状態となり、さらに930万人の子どもたちが消耗症に苦しむ可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の影響は、貧困、生計の悪化、保健・栄養サービス利用の低下をもたらし、その結果として飢餓や栄養不良の悪化をもたらします。セーブ・ザ・チルドレンは、今回の報告書の中で、アジアやサハラ以南アフリカ地域の子どもたち、その中でも特に貧困家庭や紛争地域で暮らす子どもたちの間で、長年取り組んできた栄養不良を終わらせるための活動の成果が後退する可能性があります。

パンデミックの発生以前から、世界では多くの子どもたちが十分かつ健康的な食べ物を得られず、5歳未満の子どもたちの3人に1人が栄養不良に苦しんでいました。また5歳未満の子どもの死亡原因の約5割が、低栄養に関連していました。

「新型コロナウイルス感染症の拡大前は、毎日学校で給食を食べていました。今はそれが止まっています。給食がすぐにまた再開されることを願っています。」とエチオピアのソマリ州に住むサシールさん(12歳)は話します。

報告書では、栄養学や経済学、食料・保健システムの研究者が共同で調査・分析などを行う「Standing Together for Nutrition(栄養のために立ち上がろう)」イニシアティブが発表するデータをもとに、今対策を講じなければ、2022年末までに、さらに16万8,000人の子どもたちが栄養不良で亡くなるとも予測しています。



コンゴ民主共和国のミシェルさん(9歳)と妹グロリアさん(1歳)さん


コンゴ民主共和国の9歳のミシェルさんは、栄養不良に苦しむ1歳の妹グロリアさんの栄養補助食品を受け取るため、毎日妹を背負って地域の保健センターに通っていると話します。
「十分に食べることができず、妹はとてもやせてしまいました。私たちは朝ごはんしか食べていないので、夕方になるとお腹が空きます。毎日妹を背負って(クリニックに)通院しています。妹にはただ、また元気になってほしい。それから、朝と夜の1日2回、食べることができたらと思います。」

今すぐの行動を起こさなければ、数百万人もの子どもたちが、栄養価の高い食べ物の不足によって、取り返しのつかない健康被害を受ける危険性があります。紛争や気候変動の影響を強く受ける5ヶ所の飢餓ホットスポット(アフガニスタン, イエメン, 南スーダン, コンゴ民主共和、サヘル中心部地域(マリ、ニジェール、ブルキナファソ))を含め、 世界中の脆弱なコミュニティは深刻な食料危機の状態にあり、1,100万人の5歳未満の子どもたちが極度の飢えに直面しています。

最近の国連のデータによると、紛争や新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響により、2021年初めには、イエメンだけでも約1,620万人が深刻な食料不足に陥ることが予測されています。この中には735万人の子どもたちが含まれており、推定2万1,338人の子どもたちが飢饉に陥る危険があります。

セーブ・ザ・チルドレンの人道支援ディレクター ガブリエラ・ワイジマンは次のように訴えます。
「新型コロナウイルス感染症の危機は、脆弱なコミュニティの間で新たな栄養不良の問題を引き起こしており、この脅威を食い止めなければなりません。飢餓と栄養不良に終止符を打つためには、食料不足の根本的な原因に取り組まなければなりません。それは紛争に終止符を打ち、気候変動に取り組み、よりレジリエンスのある地域づくりを行い、最も脆弱なコミュニティへの支援を確保することを意味します。こういった課題に今すぐ資金を投入することで、人々の死を防ぐことができます。今回のパンデミックによって、私たちの暮らしのあり方を見直すことを余儀なくされていますが、それは私たちがより良い復興を遂げ、子どもたちが将来の可能性を発揮できるように支援する機会でもあるのです。」

栄養の危機を回避するために、セーブ・ザ・チルドレンは、政府やその他の組織が、次にあげる項目について迅速な行動を取ることを強く求めています。

- 保健や栄養など、子どもたちに影響を与える意思決定に子どもたちを参加させる。
- 栄養不良に対処するための長期的かつ柔軟な資金投入を行い、資金を確保する。
- 食料、栄養、保健、水、衛生、生計支援を維持・拡充する。
- 世帯収入を増加させるために、家族への人道的な現金やバウチャー支援を優先する。
- 脆弱な地域や紛争の影響を受ける地域での栄養不良に緊急に対処する。
- 必須保健・栄養サービスを強化する。

2021年は、世界の栄養改善の取組みにとって極めて重要な年になります。本報告書は、日本政府とのパートナーシップのもと、カナダ政府とバングラデシュ政府が共催した「成長のための栄養2021」のキックオフイベントにあわせて発表されました。

このイベントでは、栄養に関わるさまざまなステークホルダーから表明された新たな政策と資金のコミットメントを歓迎するとともに、この日から、2021年12月下旬に東京で開催される「東京栄養サミット」に向けた重要なイベント開催を含む「成長のための栄養行動のための一年」が正式に開始されました。

■報告書全文は(英語)はこちら

 

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