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ユニセフとセーブ・ザ・チルドレンが共同メッセージを発表

アドボカシー
(公開日:2020.11.22)

11月12日は世界肺炎デー:39秒に1人、5歳未満の子どもが犠牲に
ユニセフとセーブ・ザ・チルドレンが共同メッセージを発表

 
11月12日は世界肺炎デーです。低・中所得国では、毎年420万人の子どもたちが深刻な肺炎に苦しんでおり、生存のために医療用酸素を必要としています。肺炎は、感染症で亡くなる5歳未満の子どもの主な死亡原因で、年間に15万3,000人の新生児を含む80万人が亡くなっています。これは、39秒に1人の割合で子どもたちが命を落としていることにあたります。肺炎は予防可能な感染症ですが、子どもたちの生存に必要不可欠な保健・栄養サービスが安全にそして継続して利用できるようにならない限り、さらに数十万の命が失われる可能性があります。


1歳7ヶ月のルクさん(コンゴ民主共和国)は、重度の肺炎で母親が病院に連れてきた時は昏睡状態でした。
酸素とアモキシシリン、輸血などの治療により、一命を取りとめました。

世界中が新型コロナウイルス感染症への対策に苦戦する中、すでに脆弱な状態にあった保健医療システムはますます弱体化しています。ロックダウンにより、保健・栄養サービスの利用ができなくなったり、食料品が手に入りづらくなったり、経済や家計は困窮しています。一部のコミュニティでは、妊娠している女性たちが出産のために病院などの医療施設に行くことができなかったり、あるいは、病院に行くことを恐れたりするケースが出ています。医療従事者が患者に安全な治療を行うために、必要な水や石けん、医療品を利用できないといったケースも見られます。

新型コロナウイルス感染症により亡くなる子どもや、感染する子どもの数は多くありませんが、この感染症の世界的な大流行(パンデミック)の影響で、肺炎などの予防可能な病気によって亡くなる子どもの人数が急増する恐れがあります。パンデミックは不平等を深刻化させ、最も阻害され周縁化された子どもたちやコミュニティをさらに取り残しています。

肺炎、酸素と子どもたち
肺炎と同じように、新型コロナウイルス感染症への感染も、命を落とす危険がある低酸素血症を引き起こす危険性があります。低酸素血症の患者は息をするのも苦しく、医療用酸素が生死を分ける鍵となります。

肺炎になると肺に液体や膿がたまり、子どもたちは息をすることにも苦しみます。しかし、深刻な肺炎や低酸素血症の症状に苦しみ、命を失う危機に直面する子どもや新生児の多くは、医療用酸素を利用することができません。医療用酸素が使用できる地域であっても、最も貧しく、脆弱な立場に置かれた人々は利用することができないのが現状です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、医療用酸素の利用における格差が顕在化され、多くの投資が酸素装置にされるようになりました。

子どもたちに必要不可欠な保健・栄養サービスの維持と強化
セーブ・ザ・チルドレンが世界各地で子どもや保護者に行った調査によると、回答者のうち89%が保健医療サービスの利用、薬や医療品の購入に関し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたと答えています。また、世界では、肺炎への感染が疑われる子どもの32%が医療施設を受診しておらず、貧困国また低所得国においては、その数は40%にも上ります。さらに、5歳未満の子どものうち、半数以上(52%)が肺炎球菌ワクチンの3回の接種を受けられていません。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で予防接種の支援が滞ることで、さらに数百万人もの子どもたちが必要なワクチン接種を受けられない恐れがあります。子どもたちが暮らす地域において、肺炎の予防と診断、治療を行い命を救うためには、質の高い、窓口負担の費用がかからない保健医療サービスが利用できることが不可欠です。また強固で衡平な保健制度への投資も欠かせません。


コックスバザール難民キャンプ(バングラデシュ)で肺炎を患った1歳6ヶ月のアンワルさんを診察する
セーブ・ザ・チルドレンの医療スタッフ

「忘れ去られた」感染症
肺炎は格差によって起こる病気の最たるものです。肺炎によって亡くなる子どものほとんどが貧しい地域に住み、こうした子どもは質の高い保健医療サービスや、肺炎の予防や診断、そして治療ができる医療機関を利用することができません。子どもたちは、非常に高い割合で栄養不良に陥っており、汚染された空気にさらされたり、安全な水や、整った衛生環境を得られないため、さらに不利な状況へと追いやられます。肺炎に感染する子どもたちや、肺炎により死亡する子どもたちの人数を減らすためには、すべての子どもがワクチンや栄養サービス、質の高い診断や治療を受けられるよう、誰もがプライマリー・ヘルスケアを利用できるようになることが重要です。

私たちは、新型コロナウイルス感染症の感染者を助けるために、世界が力を合わせて取り組んできた状況を目の当たりにしてきました。今こそ、必死で息をしようとする子どもや新生児にも同じように支援を行うことが求められます。

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長インゲル・アッシンは次の通り訴えます。
「新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、最貧国で医療用酸素が深刻に不足していることが明らかになりました。途上国では、毎年数百万人の子どもたちが酸素治療を必要としていますが、アフリカの多くの地域では、必要な治療を受けられるのは5人に1人にも満たず、多くの子どもたちが犠牲になっています。国際社会は、医療用酸素の供給規模拡大に向けて動いていますが、新型コロナウイルス感染症と肺炎の両方から命を救うためには、最も保健医療サービスを利用しづらい人へ提供される必要があります。そして、誰もが無料で継続して利用できなければなりません。こうした現実に直面したいま、私たちが短期的な視点に立った解決策だけを追求すれば、今後何世代にもわたって数百万人の子どもたちの命を守る機会を逸してしまう恐れがあります。」

セーブ・ザ・チルドレンと、クリントン・ヘルス・アクセス・イニシアチブ(CHAI:Clinton Health Access Initiative)、ユニセフは国際社会に対して次のことを呼びかけています。
・アフリカや南アジアを含む低・中所得国の酸素供給システムに投資し、酸素を必要とする子どもたちに持続的に供給する。
・新型コロナウイルス感染症の世界的な流行期間中とそれ以降に、子どもたちが生きていくために必要不可欠な基礎的な保健医療サービスを維持・強化する。
・診断のためのパルスオキシメーター(動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置)、酸素、小児肺炎に推奨される抗生物質アモキシシリンの適用範囲を含む、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行とその保健制度への影響を測定するためのデータの改善。

セーブ・ザ・チルドレンの支援活動
セーブ・ザ・チルドレンは、グローバルパートナーであるグラクソスミスクライン(GSK)株式会社と連携し、ナイジェリアのデュッセ総合病院の小児病棟にあるすべての病床に医療用酸素を支援しています。

 

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