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日本/子どもの貧困問題解決
(公開日:2025.06.18)

【活動報告】子どもの貧困と子どもの権利に関する全国市民意識調査の結果に基づく政策提言

 
セーブ・ザ・チルドレンは、2024年11月に「子どもの貧困と子どもの権利に関する全国市民意識調査」の結果を公表し、その内容を基に関係省庁に働きかけを行っています。
調査では、子どもの貧困の実態に関する認知度が、2019年に実施した前回調査と比較して大きく低下しており、子どもの権利条約に関する認知度もやや下がっていることが分かりました。一方、前回調査と同様に、子どもの権利条約について内容までよく知っている大人は、子どもの貧困の実態についても認知度が高いという結果も明らかになりました。また、今回、セーブ・ザ・チルドレンの直接支援事業を利用したことがある経済的に困難な当事者の子どもと大人にも調査しており、調査会社に登録しているモニター層と当事者層とでは異なる施策を求めていることがわかりました。(調査結果全文はこちら


調査結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンでは、
1. 当事者の声に基づいた子どもの貧困解消に向けた対策の推進
2. 子どもの貧困解消に向け、子どもの権利条約に関する積極的な普及啓発
を国や自治体に求めています。


2025年1月、こども家庭庁を訪問し、子どもの意見表明に関する施策を担当する長官官房参事官(総合政策担当)に調査結果を共有しました。セーブ・ザ・チルドレンからは、特に当事者の声に基づいた対策の推進について訴えました。参事官からは、子どもの意見表明権について、子どもと大人で認識に違いがあったという調査結果に触れ、「子どもの意見表明が大事だということを改めて認識する調査結果であった。大人の中には、意見表明が子どもの権利だという認識がそもそもない人もいる」とのコメントがありました。


また、2025年5月には、子どもの貧困対策を所管している部署である、こども家庭庁長官官房審議官(支援局担当)と家庭福祉課企画官(ひとり親家庭等支援担当)と面会。セーブ・ザ・チルドレンからは、子どもの貧困解消に向けたさらなる対策において、今回の調査結果を役立ててほしいと訴えました。同審議官からは、子どもの貧困の実態の認知度が低下していることを受け、「『子どもの貧困』が何を指すのかについては、回答者の中で意見が分かれるので、こうした認知度の低下につながっているのではないかと考える。子どもの貧困に取り組む人たちの中ではある程度の共通認識があるものの、一般市民にもっと伝えていくことが必要」とのコメントもありました。

(こども家庭庁審議官との面会の様子)


このほか、子どもの権利条約の認知度が低下した点について、文部科学省や法務省にも普及啓発について働きかけを行っています。子どもの貧困のより良い解決にあたっては、子どもの権利条約の認知度を高めることが重要であると、今回の調査結果で明らかとなっています。関連省庁が取り組む施策において、子どもの権利について一層の啓発が図られるとともに、子どものウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態)に根差した子どもの貧困解消が社会的に賛同を得られるよう、セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、確かな調査結果にもとづく社会啓発と政策提言を行っていきます。


(報告 国内事業部 鳥塚)

 

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