日本(公開日:2026.06.25)
子どもの多様なSOGIEと権利を守るために にじーずに学ぶ安心・安全な居場所づくり
6月はプライド月間です。世界各地で、LGBTQ+当事者の人権を守り、社会の理解を広げるための啓発活動やイベントが行われます。私たちは、すべての子どもが尊厳をもって、自分らしく生きる権利を持つと考えています。
この視点に立つと、子どもたちの多様な性的指向や性自認、性表現(SOGIE)に関する課題は、子どもの権利そのものに深く関わるテーマです。
6月は、SOGIEをめぐる子どもたちの置かれている状況や課題、そして、誰ひとり取り残さない社会を目指すために私たちが大切にしていることについてシリーズで発信しています。
第1回:プライド月間に考える、子どもの多様なSOGIEと権利
第2回:プライド月間に寄せて: 危機下の教育における多様な子どもたちへの支援
シリーズ最後の投稿となる今回は、LGBT(かもしれない人を含む) の子ども・若者のための居場所を全国各地で定期的に開催する団体、一般社団法人にじーず(以下、にじーず)の方にインタビューを行いました。
にじーずは、セーブ・ザ・チルドレンがNPO(非営利団体)向けに行っている助成プログラム「子ども・地域おうえんファンド」 の助成先団体でもあります。
インタビューは、にじーず代表の遠藤まめたさん、居場所スタッフのまこさんにお話を伺いました。
(一般社団法人にじーず代表 遠藤まめたさん)
Q.にじーずの取り組みについて教えてください。
にじーずは、10歳から23歳までのLGBT(かもしれない人も含む) の子ども・若者を対象に、全国17の地域+メタバースで、安心して過ごせる居場所を提供しています。累計の参加者は6,000人ほどです。
活動の特色として、子ども・若者限定であること、LGBTかもしれない人も含むこと、いつ来てもいつ帰ってもいいことなどがあります。
活動内容は、カードゲームなどで自由に過ごす時間のほか、特定のテーマについてグループで話す「テーマトーク」を実施しています。安心して話せる場がある、他人に自分の話をしても否定されないでいられるという経験がにじーず以外の場所でも参加者自身のニーズを 他者に伝える力につながっていると感じています。
Q.子ども・若者たちが安心・安全に参加できる場づくりで気を付けていることはありますか。
スタッフの共通理解として年に1回必ずセーフガーディングについて全体研修を行っています。安心・安全な場づくりには、その場が他者にとっても安心できる場かどうかを参加者それぞれが意識することも重要であり、スタッフはそれを促す役割も担っています。例えば、見た目から性別を判断しないといった明確なルールを設定し、参加者にも共有しています。時に不適切な可能性がある発言が見られた場合は、スタッフがその場で介入することを意識しています。
Q.にじーずはセーブ・ザ・チルドレンから助成を受けるより前からセーフガーディング指針を策定されていましたが、どのような経緯でつくられたのですか。
セーフガーディング指針は、団体の規模拡大などを背景に、これまでも実践してきた安全配慮を明文化する必要性を感じたことから策定しました。内容はイギリスのNSPPCという子ども虐待防止団体のユースワーカー向け講座などを参考につくりました。
(にじーずのセーフガーディング指針はこちら)
Q.「居場所」 を実施する青少年施設の管理者など、外部のステークホルダーとの連携時に、セーフガーディング指針や居場所のルール(見た目での性別判断をしないなど)を説明する際に気を付けていることはありますか。
こちらのルールを一方的に押し付けるのではなく、相手の考えの背景に関心を持ち、対話を通じて納得してもらうプロセスが重要だと考えています。
にじーずでは、青少年団体や子どもと関わる大人向けに、性の多様性を前提とした子どもとの関わりについての無料研修動画 も作成しているので、多くの方に利用して欲しいです。呼ばれたい名前を聞き、見た目で「くん」「ちゃん」などと呼び分けないことや、問題発言にどうやって介入するかなどの実践が重要だと考えています。
Q.LGBTQ+ に加えて障害や外国ルーツなど、複合的な背景がある子ども・若者と接する際に気を付けていることはありますか。
多様な背景を持つ参加者がいることを前提にして場づくりを行い、グランドルールにもその旨を反映しています。また、にじーずには、専門性や背景の異なる多様なスタッフが在籍しています。英語や手話ができるスタッフなどもおり、場面に応じて互いに連携・補完し合っています
Q.DEIポリシー推進の観点から、セーブ・ザ・チルドレンに期待することを教えてください。
セーフガーディングのような概念を、日本の身近な団体の事例などを通じて、より多くの団体に広めてほしいと思っています。セーブ・ザ・チルドレンのような影響力のある団体が、LGBTの子ども支援の重要性を社会に発信することで、より大きな説得力が生まれることを期待しています。
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今回にじーずの方のお話を聞き、多様なSOGIEをもつ子ども・若者への支援の重要性を改めて認識したと同時に、同じ子ども支援の団体として、チャイルドセーフガーディングの考え方など共通した部分もあることが分かりました。
私たちはこれからも、すべての子どもが尊厳をもって生きられる社会の実現に向けて、パートナーやコミュニティの方々とともに取り組みを続けていきます。
DEIタスクチーム
※本ブログでは、LGBTQ+の表記を基本としていますが、団体の紹介をする際は、団体の表記を尊重しています。




